「東アジア文化都市2019豊島」キックオフ!宮城聰「舞台芸術と言えば豊島区を目指す」


東京・池袋エリアを中心に「国際アート・カルチャー都市」の街づくりを掲げている豊島区が、「東アジア文化都市2019」国内都市に決定。本プロジェクトのキックオフ記者会見が、7月17日(火)に行われた。

「東アジア文化都市」は、日本、中国、韓国の3カ国が文化プログラムを通して交流を深める国家的プロジェクト。文化庁からの指名で「東アジア文化都市2019」日本の代表都市として選ばれた豊島区は、「舞台芸術」「マンガ・アニメ」「祭事・芸能」の3つを柱とし、事業を展開するという。

会見には、本プロジェクトの準備委員会委員長である高野之夫豊島区長、全体統括を務める前立教大学総長の吉岡知哉、「舞台芸術」部門総合ディレクターの宮城聰、「マンガ・アニメ」部門総合ディレクターの古川タク、「祭事・芸能」部門責任者の東澤昭が登壇。

高野区長は、まず「豊島区の総人口は、約29万人と全国で最も人口密度が高い街としても知られています。そのうち、約10.5%が外国人住民なんです」と説明。「このような特性を踏まえ、日中韓の交流の視点を取り入れ区民の全員参加で『東アジア文化都市2019豊島』を盛り上げていきたいと思っています」とコメントした。

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また、会見では本プロジェクトの顔となるロゴもお披露目となった。選定は、6月1日(金)より、公式HPおよび豊島区の小中学生などを対象にアンケートを実施。2万を超える投票の中、TOSHIMAの「T」をモチーフに3つの都市の結束と躍動を表現したデザイナー・青木康子の案に決定したことが発表された。

続いて、全体統括の吉岡は「国と国ではなく、人間が生活している“都市”と“都市”がつながっていくという点が素晴らしいと思います」と、プロジェクトへの期待感を示しながら、「今まで開催されていた日本国内の都市は、誰もが知る伝統的な都市でした。だからこそ、今回豊島区が選ばれたことには意味があるんです。豊島区は、昔から今まで生活している人々と密接して発展してた東京の素晴らしい街です。そういう街が日本の代表になり、<新しい、これからの街>であることをアピールできる本プロジェクトは非常に重要な意義を持っていると思います。ぜひ、未来につながる成功を納めたい」と熱弁。

「舞台芸術」部門総合ディレクターの宮城(SPAC‐静岡県舞台芸術センター芸術総監督)は、「隣人との共存」「アート・カルチャーによる20年後の豊島区の姿に向けての施策」といった二つの目標が提示された。「中国、韓国共にポテンシャルが高い隣人の国で、今までの歴史や文化の類似点から、どの国が優れたり、衰えたりと、勝ち負けの壁ができることも多々ありました。しかし、“文化”という窓を介したら、もっぱらポジティブに働けるようになる。似たような点があるからこそ、お互いの違うということが“おもしろい”という点を見せていきたいです。アート・カルチャーを通して豊かさやおもしろさが作り出されるのか、豊島区の市民がモデルケースになるような体験ができるように、ポジティブな未来を発見していきたいです」とコメント。さらに、「舞台芸術を観るなら豊島区へ、世界中の人が池袋に集まるような都市を目指したい」と目標を掲げた。

次に、「マンガ・アニメ」部門総合ディレクターの古川(日本アニメーション協会会長)は「トキワ荘のように、次なる未来の子どもたちに向けて、ただ、“見る”だけのアニメーションではなく、実際描いてみたり、体験してみたりと、豊島区に在住している中国・韓国の方々とも楽しめるような施策を打ち、おもしろいものを作り上げていきたいです」と意気込む。

最後に、「祭事・芸能」部門責任者の東澤(公益財団法人としま未来文化財団)は、「豊島区は明治時代から昭和時代、そして現在に至るまで、人口の変化がダイナミックな街。現在、区民が中心になってとりくんでいる祭事・芸能活動は100件以上あり、この豊島区民の勢いとエネルギーを『東アジア文化都市2019豊島』にも繋げていきたいです」と語った。

「東アジア文化都市2019豊島」の開幕式典は、2019年2月1日(金)に東京・東京芸術劇場にて行われ、閉幕式典は同年11月24日(日)に新劇場・Hareza 池袋にて開催予定。

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