フレッシュな風吹く劇団プレステージ第2弾企画公演『僕を狂わす三億円』開幕


劇団プレステージ(以下、劇プレ)による第2弾企画公演『僕を狂わす三億円』が、2018年4月22日(日)に東京・恵比寿エコー劇場にて開幕した。本作は、今年の2月に上演された劇団古参メンバーによる企画公演『あいつのチョキ』に続く第2弾。劇プレの中でもフレッシュな20代メンバーである石原壮馬、岩田玲、太田将熙、株元英彰、城築創、長尾卓也が出演している。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、出演者全員と、脚本と演出を務めた岩崎う大(かもめんたる)が登壇した。

(以下、演出やストーリーの内容に触れています)

『僕を狂わす三億円』02

これまでレギュラー番組であるAmeba FRESH!「時限ドラマバラエティ ACTORS FRESH!」内で、毎週生放送当日の数時間の稽古で作りあげた芝居を、放送内で生披露するという体当たり企画「時限ドラマ」に挑戦し続けていた彼らだが、株元はその企画に触れながら「同じメンバーで舞台に出演するとは思っていなかったです」とコメント。続けて「今回、脚本と演出がう大さんということで、会話や間の取り方など、これまでにないような演出をつけていただきました。難しかったり辛かった部分もありますが、とても勉強になりました」と、本作が新しい挑戦になったことを語った。

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長尾もその言葉に頷きながら「今までの劇プレの公演は、僕たちを知っている方を演出に向かえていたのですが、今回は“初めまして”のう大さんを迎えてゼロから舞台を作り上げていきました。悩むことも多かったですが、稽古は楽しく、いいものが生まれました。新しい劇プレの形をお見せしたいと思います」と意気込んだ。

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「新しいことが詰まっている作品です」と本作への思いを明かした石原。「『時限ドラマバラエティ ACTORS FRESH!』でチームワークは出来上がっているので、稽古でやってきたことや、う大さんが見せたいと思っているものを体現していきます。楽しみにしていただければと思います」と自信をのぞかせた。

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城築は本作の見どころについて「会話劇ですし人数も少ないので、勢いだけでは乗り切れない部分がありますね。なので、皆で気持ちを切らさないことを大事に演じています。お互いに助け合い、協力し合える舞台なので、いつも以上に一緒にやっている感があります。観てくださる方は、その部分にも注目していただければ嬉しいです」と明かした。

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太田は稽古を振り返りながら「舞台の機会をいただけたのは、日ごろ応援してくださるファンの方々あってのものです。感謝の気持ちでいっぱいですし、だからこそ良いものを作ろうと稽古してきました。今までの劇プレとは一味違う演出をう大さんにつけていただいたので、お客様の反応が楽しみでもありますし、ドキドキでもあります。劇プレとしてフレッシュな風を吹かせます」と思いを言葉に乗せた。

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「台詞一つ一つが繊細で、今までにない劇プレの舞台です」と断言したのは岩田。岩崎に対する初対面のイメージや、稽古を経て尊敬の念がさらに深まったことについて語りながら「ファミリーのような感覚でやってきたので、そんな雰囲気も味わっていただければと思います」と笑顔を向けた。

演出の岩崎は今回当て書きで脚本も務めたが、初めてメンバーに会った際に驚いたことがあったのだとか。「顔合わせのときから個性がバラバラで『ああ、これは誰かがプロデュースした選抜メンバーなのか』と思ったのですが、話を聞いたらただ単に下から年齢順だと聞いてびっくりしました」。さらに囲み会見で、出演者が口をそろえて「う大さんが~」とコメントしていたことについて触れ「この信頼度!俺もがんばったんだなあと思います(笑)」と冗談めかして語った。

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舞台は、平凡なサラリーマン・春男が惰性で買った宝くじが当選したことをきっかけに物語が始まる。しかも、その当選確認を高校時代のバスケットボール部のメンバーと行ってしまったため、事態は全員を巻き込んでの大騒ぎに。

3億円という大金を手にした春男は「お金とは何か」「幸せとは何か」思い悩んだ挙句、自殺という選択をする。葬式に集うバスケットボール部のメンバーだが、彼らは春男と同居していた弟・洋介から遺書を渡される。そこには「お前たちにはがっかりしたよ」の文字が。動揺する一同に洋介は「なぜ兄は死ななくてはならなかったのか」と追い打ちをかけ、春男と最後に会った時にどんな会話をしたのかを問うのだった・・・。

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会見でも出演者が語っていた通り、本作はこの“春男との最後の会話”を中心にストーリーが展開していく。一人一人の会話の中からは、春男へ対して思っていることや、価値観、生い立ちが明らかになり、登場人物の輪郭と、春男の最後の一週間が徐々にはっきりと見えてくる。

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出演者は番組で鍛えられてきた演技力に加え、当て書きということもあり、それぞれの性格などをよりリアルに演じていた。3億円が当たるという非現実的でコメディチックな部分と、友人が自殺してしまうというシリアスな部分の演じ分けがバランスよくなされ、その状況をより鮮明なものへと映し出していた。

なぜ春男は自殺してしまったのか、春男が3億円をかけて手に入れようとしたものは何だったのか・・・。終盤には天地がひっくり変えるような怒涛の展開が待ち受けていること間違いなしだ。

劇団プレステージ第2回企画公演『僕を狂わす三億円』は、東京・恵比寿エコー劇場にて4月22日(日)から4月29日(日)まで上演。

【公式サイト】http://amuse-gekipre.com/

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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