吉田鋼太郎×黒木瞳らによる「愛の朗読」も生披露!舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』製作発表


2018年5月に東京・日生劇場にて上演される舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』の製作発表が、4月11日(水)に都内にて行われた。本作は1897年に初演されるやいなやパリを虜にした舞台で、1世紀を経た今も世界的に上演される人気の高いフランスの傑作戯曲。

出演には剣豪にして文才あふれる詩人シラノ・ド・ベルジュラック役に吉田鋼太郎、シラノが秘めたる想いを寄せるロクサーヌ役に黒木瞳、ロクサーヌと盲目的に恋に落ちる若き剣士クリスチャン役を大野拓朗・白洲迅(Wキャスト)らが名を連ねる。そして、上演台本をマキノノゾミと鈴木哲也、演出を鈴木裕美、音楽・出演を清塚信也が務める。

『シラノ・ド・ベルジュラック』02

製作発表は吉田、黒木、大野、白洲の4人が舞台衣装で登壇し、『シラノ』の名場面の一つでもある「愛の朗読」シーンの朗読から開始。清塚のピアノによる生演奏に乗せて、文才あふれる詩人らしくシラノが、クリスチャンに代わってロクサーヌに愛を語り、ロクサーヌとクリスチャンが心を通わせるシーンが披露された。シラノとクリスチャンの掛け合いの笑いあり、クリスチャンとロクサーヌの愛ありの名場面の朗読に、会場に集まったオーディエンスは吉田らの声に魅了され、その一挙手一投足に目が釘付けとなっていた。

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続いて、吉田、黒木、大野、白洲に加えて、鈴木と清塚も登壇して囲み会見が行われた。まず、『シラノ』について鈴木は「日本でも“困った時の『忠臣蔵』”という、演目に困ったら『忠臣蔵』でとりあえずお客さんが入るという言葉がありました。同じようにフランスでは“困った時の『シラノ・ド・ベルジュラック』”と言われていて、大衆的でフランス人に愛されている『忠臣蔵』のような作品です」と紹介。

続けて、「今回はある意味で忠臣蔵的な要素をやりたいと思い、構想を鋼太郎さんに話したら、『裕美がやりたいのは、劇場にのぼりが立ってるみたいな芝居だね』と言われました。“高級大衆演劇”のようなスピード感と生き生きとした感じをもってやりたいです。ある種の鋼太郎さんによる“座長奮闘公演”と呼べるようなものにしたいです」と構想を打ち明けた。さらに「原作ではシラノの百人斬りのシーンが書いてはありますが、実際には舞台で演じてられていません。そのシーンも今回はやらせていただきます。ミュージカルの手法を取り入れた生き生きした『シラノ』をお見せできたらと思っています」と意気込みを語った。

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鈴木の“困った時の~”発言に対して、吉田は「別段困っているわけではございません(笑)」とひと言述べ「鈴木さんには僕から熱いラブコールでお願いしました。演劇界では“困った時の鈴木裕美”という言葉もあるんです(笑)」の言葉に鈴木も笑顔を見せた。ヒロインのロクサーヌ役の黒木について、吉田は「僕が主演ですので20パーセントくらい選ぶ権利がございまして(笑)一番好きな女優さんは誰かと考えた時、黒木さんだなと思いました。原作のロクサーヌのほうが少し若いけど、黒木さんには年齢がございませんので全く問題ありません(笑)」と冗談を交えながらも絶賛。

また、作品と自身の役については「本当に単純明快な冒険活劇で、泣いて笑える、元気になるお芝居です。シラノは鼻が大きいことがコンプレックスで女性に告白できないのですが、誰よりもピュアで熱い心を持っている人です。とても気持ちのいい人で、なんて素敵な生き方があるんだろうと思っていただける作品です」と語った。

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吉田からの思わぬ告白を受けた黒木は「シラノのラブレターならぬ、鋼太郎さんの熱いラブコールをいただきまして、引き受ける覚悟を決めました。ちょっとロクサーヌよりも年上ではありますが(シラノをお兄様と呼ぶことから)鋼太郎さんよりも少し妹なので大丈夫かと思います(笑)」と笑顔でコメント。

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本作の魅力について、大野は「たくさん笑って、たくさんワクワクして、最後にはきれいな涙を流せる作品です。世界中で愛されているフランスの不朽の純愛物語ですが、難しい文学的な作品ではなく、裕美さん演出のもとで分かりやすく、台本も読んでいて爆笑しますし、誰もが楽しめる作品です」とアピール。

白洲は「まず日生劇場に立てること、そして、吉田さん、黒木さんと同じ舞台に立てること、本当に嬉しく、身の引き締まる思いです。クリスチャンはなかなか熱い思いを言葉にできませんが、僕もなかなか熱い思いを言葉にするのが下手なので、この辺にしておきます(笑)」と挨拶し、会場の笑いを誘った。

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生演奏のオンステージも行いながら楽士役で出演する清塚は「シラノは歌のように、詩を奏でるかのようにおしゃべりし、この素晴らしい物語、素晴らしい演出のもと、素晴らしい音楽と・・・自分で素晴らしいと言ってしまいましたが(笑)本番が本当に今から楽しみです」と出演への喜びを明かした。

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質疑応答では、百人斬りについて吉田が「これからの俳優人生に大きく関わることになると思います。60歳を前にして、100人を斬るアクションができるのかと。一人殺すのに3手とすると300手を覚えなければいけない。それが物語の前半にあるので体力を使い果たしたら後の芝居ができなくなる。いろいろな問題を抱えていて、幕が開いたらそのシーンは無くなってるかもしれません(笑)命懸けでやる意気込みです」と笑いを交えて決意を語った。

最後に、吉田は「この春も演劇界には魅力的な作品が目白押しです。その中でも『シラノ』は一番おもしろいと思います。笑って泣けます、勇気がもらえます、ワクワクします、ドキドキします、人を愛したくなります、人から愛されたくなります。ぜひ劇場でお待ちしております!」と呼びかけた。

舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』は5月15日(火)から5月30日(水)まで東京・日生劇場にて、6月8日(金)から6月10日(日)まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて上演される。

『シラノ・ド・ベルジュラック』08

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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