井上正大「世界観をいい意味で超えていきたい」舞台『牙狼<GARO>-神ノ牙 覚醒-』開幕


2017年11月29日(水)に銀岩塩vol.2 LIVE ENTERTAINMENT『牙狼<GARO> -神ノ牙 覚醒-』GARO-KAMINOKIBA MEZAME-が、東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて開幕した。初日前にはゲネプロと囲み取材が行われ、代表して総指揮・主演を務める井上正大をはじめ、君沢ユウキ、伊藤純奈(乃木坂 46)、中村龍介、松野井雅、岩田有弘が登壇し、意気込みを語った。

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牙狼<GARO>は、2005年のTVドラマ放送からスタートし、現在までTVシリーズ、映画、アニメ、ゲームなどで展開。“牙狼<GARO>”の称号を持つ魔戒騎士と魔物“ホラー”との闘いを軸に描かれる壮大な物語で、熱狂的なファンを持つ人気シリーズだ。

本作では、2018年1月6日(土)公開の劇場版『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA-』に先駆け、ジンガ(井上)に焦点を合わせ、TVシリーズ『牙狼<GARO>-GOLD STORM- 翔』最終回から劇場版へと続く、空白の時間を舞台化。ジンガを中心に悪の存在の視点から描く初の試みとなっている。

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物語は、黄金騎士の剣によって心臓を貫かれ、はりつけになったジンガ(井上)の目覚めから始まる。封印されていたはずの記憶の扉が餓鬼アシュラ(doNcHY)により開き始めると、虚ろだったジンガは徐々に邪悪さを取り戻していく。ジンガは、ホラーを統べる四天王ユバンギ(中村)を従え、さらに力を増大させる。そのジンガを完全に葬るため、リキョウ(酒井瞳)から魔戒行きを命ぜられる魔戒騎士・彪旺牙(君沢)と魔戒法師・那月(伊藤)。互いを思い合う二人には試練が待ち受けていた。そしてジンガの未来は・・・?

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ゲネプロ終了後に行われた囲み会見で井上は、初日を迎えた感想について「いろいろやるべきことが多く、少しでも良い初日を迎えられたらと思いがんばってきました。早くお客様の喜ぶ顔が見たいと同時に、この公演が成功すればいいなと思っています」とコメント。さらに、総指揮として気づいた点として「総指揮と銘打ってはいますが、スタッフやキャスト、全員の力で一つの作品を作っている感覚が強く、怠けることなく、最高のポテンシャルでここまで走り続けてくれる皆さんに支えられていると、改めて気づきました」と熱く感謝を述べた。役者としての井上は、ほぼ2時間出ずっぱり。孤高の存在感をクールに、そしてエネルギッシュに熱演していた。

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ジンガに闘いを挑む魔戒騎士・彪旺牙役の君沢は「フルマラソンの様な舞台です。衣裳も照明もこだわって、マーくん(井上)が考え抜いて、『(上演会場である)スペース・ゼロではできないだろう』と皆が思っていることを本気でやろうとしています。何とかこれを全員で体現したいという思いです。お客様には、ほかではやってないとびっくりしていただきたいです。 牙狼<GARO>が、より愛される作品になればいいなと思っています」と汗だくで思いを語った。那月を思う優しい表情と、ジンガとの激しい闘いのギャップが見どころだ。

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その彪旺牙の相棒、魔戒法師・那月役の伊藤は「総指揮の井上さんを中心に、皆で一生懸命がんばってきたので、ギリギリまで高め合って最高の物を見せられたらと思います」と笑顔を見せる。健気でかわいらしい姿から相棒と闘う強い戦士の姿まで体当たりで演じていた。

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続いて、得意のダンスを取り込んだアクションで軽やかにステージを舞う四天王ユバンギ役の中村は「個人的には不安は一切なく自信につながっています。あとは皆と力を合わせておもしろいものを見せることができたら。お客様には間違いなく喜んでいただけると思っているので、それを信じて、全速力で駆け抜けて行くだけです」と力強く答え、「この役は生き様より死に様。死に方を大事に、美しく散れれば」と自身の見どころを語った。さらに「マーくんが言った、怠ける者がいないというのは、この男が最低ラインを作っていて、それより下になる者がいないだけなんです。裏方もやっている座長にこんな気合いが入っていたら、怠ける人はいないです。負けていられない。役者全員の熱量、パッション、汗の一滴に、どんな思いがこもっているかなどを観てほしいです」と全力さをアピールした。このユバンギにはコミカルなシーンも用意されている、それは劇場で確認して欲しい。

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そして、美しきジンガの相棒アミリ役の松野井は「舞台ならではの新しい魔戒騎士、魔戒法師、ホラーたちの物語が、牙狼<GARO>ファンの方にはもちろんのこと、今回初めて観に来てくださる方々にもいろいろな要素で刺さる物語となっています。アミリとしては脚を出して、お客様に喜んでいただきながら、全力で最後までがんばっていきたいと思います」とほほえんだ。アミリは、ドラマさながらにステージでも妖艶で狂気に満ちた美しさでアクションにも挑んでいる。

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プロデューサー、そしてハヤト役も演じる岩田は「稽古を重ねてきてゲネを終え、アミリさんが足を踏む力がどんどん強くなり・・・(笑)」と笑いをとりつつ、「高め合いながら、より良い作品にしようと思ってくださる気合いがすごく感じられるので、不安はなくなりました。作品ファンの方だけでなく、牙狼<GARO>を知らない方も楽しめる物語になっています。ぜひ、いらしてください」と自信を見せる。ハヤトは幸せな生活から家族を失いホラーとなるが、その純粋な思いと悲しみをホラーの姿で体現していた。

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製作発表で井上が語った「エアリアル、ダンス、映像、殺陣、群像劇、いろんな要素を詰め込み、舞台の表現でできる限りのあらゆる表現をして行きたい」という意気込みの通り、劇場空間を最大限に使って、映像や様々な効果を用いて牙狼<GARO>の世界観が表現されていた。場面によって召喚(変身)シーンも変化させ、アクションや“思い”で闘うなど戦闘シーンにも工夫が見られ、ステージの限界に挑戦。さらにTVシリーズファンには嬉しいシーンも用意されており、シリーズファンから初めて体験するファンまで、誰にでも分かりやすい演出になっている。

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最後に、井上は「初日から飛ばして行こうと思っています。この作品は(映画版の)雨宮監督から牙狼<GARO>の責任を持てとお言葉をいただき実現しました。その責任を持ちながら、牙狼<GARO>の世界観をいい意味で超えていきたいと思っています。ぜひ楽しんでいただきたいです」と締めくくった。

11月23日(木・祝)に行われた『金狼感謝祭2017』にてTVシリーズ『神ノ牙JINGA』の製作が発表されたばかりの『牙狼<GARO>』。今後の展開にも期待が膨らむ。

全労済ホール/スペース・ゼロ 提携公演 銀岩塩vol.2 LIVE ENTERTAINMENT『牙狼<GARO>-神ノ牙 覚醒-』GARO-KAMINOKIBA MEZAME-は、12月3日(日)まで東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて上演。

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(取材・文・撮影/谷中理音)

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