湖月わたる「筋肉の痛みに生きる喜びを感じる」に水夏希らが笑顔『Pukul(プクル)』公開稽古


2017年12月から東京・大阪にて『Cosmos Synphony Pukul(プクル)-時を刻む愛の鼓動-』が上演される。本作の稽古場の様子が公開され、湖月わたる、水夏希、蘭乃はな、舞羽美羽、坂元健児、大貫勇輔、島地保武、岡幸二郎、そして本作に日替わりで出演するスペシャルゲストの姿月あさと、春野寿美礼、彩吹真央らがダンスと歌とで美しく神秘的な作品世界の一部を披露した。

Pukul(プクル)とは「鼓動」という意味。この言葉をテーマに、インド舞踊やグルジニアンダンスなどをはじめ、各国の音楽や民族舞踊の要素を取り入れつつ、地球を含めた宇宙の星たちの誕生を描く。本作の構成・演出・振付は謝珠栄が手掛けている。

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この日、披露されたのは「宇宙の鼓動」「星たちの鼓動」「星の一生」「銀河の回転」の4場面。過去、現在、未来を表わす神々(岡、姿月、坂元)が、深みと厚みのある歌声で“虚無”の宇宙空間からどのように星々が生まれたのかを語り出す。その神々の周りを「時の矢」を持った大貫が流れるようなターンを繰り返しながらしなやかに見せた。

その後、湖月、水、蘭乃、舞羽が、東南アジアの民族舞踊のような踊りで星々を表現。さらに男性ダンサーが混ざり、女性たちと共に激しく踊る。

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彼らの中から春野が登場し、星の一生を歌う。春野のソロに湖月、水の歌声が重なり、不思議な、でも心地のよいハーモニーが空間を埋め尽くした。

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そして、物語は新たな場面へ。彩吹が「時の矢」大貫と共に登場し、次の段階に入った星々の進化を語る。

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湖月がシャラシャラと音がする細い糸がいくつもついた白い輪を手に登場。それを神の一人である岡に手渡すと、岡は湖月の身体にその輪をかぶせる。「太陽」という星になった湖月は、自らくるくると回り出す。いつしかその周りをたくさんの星々がめまぐるしく回転し始めて・・・。

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稽古の後は、囲み会見が行われ、謝、姿月、湖月、水が登壇。作品と向かい合っている今の心境を思い思いの言葉で語った。自身も宝塚歌劇団のOGである謝は「元々アジアの民族舞踊を多くの方に楽しんでいただきたいという思いがあり、それを叶えてくれるのは宝塚歌劇団の後輩しかいない、そこからショーの企画が始まったんです」と本作の誕生秘話を明かした。

「謝先生は、エネルギッシュで先生が作るものは大好きなんです」と語る湖月。「この作品も、先生の中からあふれ出てきたんだなあって感じました。私たちもそのエネルギーを受け取ってますね」と言うと、水も「(宝塚時代から)謝先生の作品に出る時は、自分との闘いになると思ってきましたが、退団してなお、想像を絶する闘いになっています(笑)。まだまだ完成形には程遠いんですが、自分と向き合い、作品と向き合い、“生きているって素晴らしい”ということをお客様に伝えていきたいですね。生命讃歌を味わいにいらしていただきたいです」と続けた。

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スペシャルゲストとして登場する姿月は「スペシャル、という名の割には相当登場していますね(笑)」と笑いつつ、「台詞と歌詞がかなり多いのですが、先生が思う言葉を語り部として私がお客様に届けないと、皆が一生懸命に踊っていてもメッセージが伝わらなくなってしまうので、大貫さんが演じる“時の矢”と共に自分の役割を果たそうと思います」と意気込みを見せていた。

今回の座組みに参加している男性キャストに対して話が及ぶと「皆、素晴らしい方々です」と口を揃える。湖月は「(男性陣は)女性ではできないことをやってくださいます。男役でもできないことをやってくださるんです。私たちもふんだんにリフトしていただいていますから。この大きな私たちを・・・あ、私か!」とおどけ、笑いを誘った。

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この舞台で何より厳しいのは踊りという話になると、謝は「バリ、韓国、中国、インド、グルジア、ロシアのバレエ、中近東のもの入ってますね。それぞれの踊りの先生にも来てくださってきっちり教えていただいていますよ」と話し、湖月は「超!大変です。外国の方が日本舞踊を踊るのが大変なように、身体の根本的な使い方が違うと思います」と、大変さの理由を説明した。

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水も「退団して様々な踊りをやってきましたが、やったことのないジャンルのダンスがまだこんなにあるのか!と思いながらやっています。新しい筋肉の開発を目指しています」と笑う。すると湖月が「本当に、毎日が筋肉痛なんです。今まで筋肉痛になったことがない!というところが筋肉痛になるんです。この痛みが生きる喜び。身体が『生きている』って喜んでます!こんなことに挑戦できている自分が幸せです」と力を込めて主張していた。

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『Cosmos Synphony Pukul(プクル)-時を刻む愛の鼓動-』は、12月9日(土)から12月16日(土)まで東京・日本青年館ホールにて、12月21日(木)から12月25日(月)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演される。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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