内海啓貴の初座長公演、舞台『イムリ』開幕!「千秋楽まで駆け抜けたいと思います」


2017年7月26日(水)東京・俳優座劇場にて舞台『イムリ』が開幕した。それに先立ち、ゲネプロと会見が行われ、内海啓貴、谷佳樹、秋沢健太朗をはじめ、北乃颯希、緒月遠麻、塩田康平、塩崎こうせい、西野太盛が登壇し意気込みを語った。

舞台『イムリ』ゲネプロ_2

原作は月刊「コミックビーム」(KADOKAWA)にて連載中の三宅乱丈によるSFファンタジー漫画。総合監修をなるせゆうせい、脚本・演出を劇団「おぼんろ」を主宰する末原拓馬が手掛け、今回が初舞台化となる。

舞台『イムリ』ゲネプロ_3

舞台『イムリ』ゲネプロ_4

物語は他者の精神を操る「侵犯術」を使うカーマ民族と、原住民種族イムリ、奴隷階級イコルの三種族を巻き込んだ壮大なファンタジー超能力巨篇。デュルク(内海)という一人の呪師候補生が、ひょんなことから階級政争に巻き込まれ、反逆者に仕立てられる。逃れるうち、原住民種族「イムリ」と接触。その中で古代戦争の秘密を知っていくデュルクは、やがて大きく運命を動かすことになる・・・。

舞台『イムリ』ゲネプロ_内海啓貴

会見では本作で初座長を務めるデュルク役・内海が「僕も含めすごいセリフ量があって、それを『マシンガンの様に続けて』と末原さんに演出されました。作品の難しさはありますが、セリフのテンポの良さがこの舞台の魅力だと思っています。(ゲネプロでは)ベストは尽くせました」と胸を張る。さらに「稽古場の雰囲気はとても良くて、出ていないシーンでも稽古を見学したり、役者からの提案も受け入れてくれる末原さんもいて、キャストスタッフ全員で一つの舞台を作り上げたと思えるのがこの舞台『イムリ』です」と振り返った。舞台では優しい青年から、政争に巻き込まれ苦悩し成長する様を体当たりで演じている。

舞台『イムリ』ゲネプロ_谷佳樹

初の女性役に挑戦するミューバ役・谷は「初めての体験で、所作から姿勢まで緒月さんに教えていただきながら稽古を重ねました。普段の生活から鏡に映る姿勢を常に意識して稽古場へ向かっていました」と語った通り、しなやかで美しく時に激しい女性を熱演。続けて「この作品は最近の2.5次元感が無く、普通のストレートプレイの作品だと思っています。みんなが同じ方向を向けていたから強いカンパニーが生まれたと思っています。日々熱量が増す最高の稽古場でした。一同が全身で表現する『イムリ』の世界をたくさんの方に見届けてもらいたい」と熱い想いを述べた。

舞台『イムリ』ゲネプロ_秋沢健太朗

強力な力を持ち、デュルクに強い期待を抱いているラルド役・秋沢は「SFファンタジーという世界観を人間で表現しております。稽古場の時からチームワークを大切にしてきたのでその部分を発揮して、印象に残る舞台にしたい」とコメントしながらも「原作はまず全巻(現在21巻まで既刊)揃えるのが難しかったです(笑)お店を回って全部揃えました」と笑いを取り、さらに役作りについて「ラルド握りという技を編み出しました。流行らせてほしい」と長い袖を上手く持つ方法を披露し、会場を和ませた。劇中ではデュルクに協力し行動を共にしながらも謎の多い人物をエネルギッシュに演じていた。

舞台『イムリ』ゲネプロ_北乃颯希

このカンパニーでは最年少、ラルドに仕えるイマク役・北乃は「稽古でやってきたことを本番にぶつけるだけです。精一杯イマクを演じたいです」と挨拶。そして「僕は1巻を理解するのにまず3回読み込みました。内容が解ければ解けるほど面白くなる作品です。舞台を観にきてくださったお客さまも、2度目は違う所にも気が付けて、心情に訴えるシーンもたくさんあるので、2度3度、9回あるので9度楽しめる作品になっていると思っています」とニッコリ。物静かに常にラルドに寄り添って支える姿には癒される。

舞台『イムリ』ゲネプロ_緒月遠麻

デュルクの母親ピアジュ役を演じる緒月は「キャラクター全員が魅力的で、この作品は映像を使わず、役者の技量だけでやっているところが一番の魅力だと思っています。一からみんなで協力して作っていけたことが本当に素晴らしい」と絶賛。デュルクを演じる内海について聞かれると「とても可愛らしいですよね。命をかけて守るシーンがありますが、そうしたくなるような可愛いらしさがあります」と内海の魅力を話す。稽古場からステージまでカンパニーを支える元宝塚歌劇団の存在感は、劇中で立っているだけでインパクトを与えていた。唯一歌を披露するシーンには注目だ。

舞台『イムリ』ゲネプロ_塩田康平

リーダー格で策略家のガラナダ役・塩田は「僕は普段お調子者でHAPPYな役が多かったのですが、今回は知的な役で嬉しいです。会話劇なので、20世紀のシェイクスピアと言われるようがんばります。『イムリ』という新しいムーブメントを起こせたらいいなと思っています」と気合い充分。クールに装いつつも内に熱いもの秘めているキャラクターは必見。

舞台『イムリ』ゲネプロ_塩崎こうせい

旅の途中に出会うドープ役・塩崎は「ゲネプロを終えて、課題点も見えて、あとはお客さまの前で演じるだけです。舞台は生身で演じることが大きな魅力だと思います。お客さまに通じるように僕らは一生懸命にやるだけです」と意気込む。コミカルなキャラクターでデュルクには大きな影響を与える役回りだ。稽古場では『デュルクにいかに影響させるか』という独特な方法で稽古をしていたとか。「その作り方がこの一体感を生んだのでは?」と考察していた。

舞台『イムリ』ゲネプロ_西野太盛

そして寄宿学校でデュルクと学ぶ候補生ガヴィド役・西野は「全力で飛ばしていきたいと思います。個人としてはガヴィドタイムに注目していただきたいです。一人のシーンが多いのでそこを楽しんでもらいたい」とフレッシュにアピールしながら「いつも稽古が終わると、ひとりで『ガヴィドショー』をする時間があり鍛えられました」と緊張の稽古場エピソードを吐露、劇中でもマスコット的な存在でみんなを楽しませていた。

舞台『イムリ』_キャスト

最後に「初座長としての意気込み」を聞かれた内海は「稽古場からキャストの皆さんに支えてもらって、デュルクで舞台に立つことができたと思っています。座長として全力でデュルクを演じるだけ。背中で引っ張っていけるような座長を目指して千秋楽まで駆け抜けたいと思います。一緒に『イムリ』の世界を生きてほしい」とメッセージで締めくくった。

舞台『イムリ』は7月31日(月)まで、東京・俳優座劇場にて上演される。

舞台『イムリ』ゲネプロ_5

(C)三宅乱丈/KADOKAWA (C)株式会社オフィスインベーダー

(取材・文・撮影/谷中理音)

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