松井玲奈を新キャストに迎えた『ベター・ハーフ』再び開幕!風間俊介「再演あるかなと思っていた」


鴻上尚史作・演出の『ベター・ハーフ』が、2017年6月25日(日)に東京・本多劇場にて開幕した。4人の登場人物がそれぞれの“ベター・ハーフ”を探し求める姿を通して、観る者の心に“愛の形”とは何か?を問いかける本作。初日前日には、フォトコールと囲み会見が行われ、鴻上に加え、2年前の初演からの続投となる風間俊介、中村中、片桐仁、そして新キャストとして加わった松井玲奈が登壇した。

『ベター・ハーフ』舞台写真_4

風間は「前回、ありがたいことに、ものすごく評判が良くて。本多劇場の周りに当日券を求める列ができるなんて、そんな経験は初めてでした」と、2年前を振り返る。その上で、「だから、正直に言うと『再演はあるかな』と思っていました」とニヤリ。

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片桐も、すでに初演の本読みの時点で「これはもう再演決定ですね!」と予言(?)していたという。「それぐらい、本が素晴らしくて。鴻上尚史、才能あるなと!」と、思わず呼び捨てにしてしまうほど、勢い良く脚本の巧みさを絶賛した。

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また前回、劇中で歌われる中村の歌も評判になった。音源化を望む声も多く、それに応える形で中村は6月21日(水)に劇中歌を収めたミニアルバム、その名も「ベター・ハーフ」をリリース。「恋に不器用、故に、真剣に恋をしてしまう人にオススメの作品になっています」という中村の歌声は、今回も劇中で存分に味わうことができる。

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そして、初参加の松井は「プレッシャーは、すごく感じているんですけど・・・。私がこのカンパニーに入ることで、初演を観てまた足を運んでくださる方に、また『ベター・ハーフ』 という作品の別の側面を楽しんでいただけるように演じるのが、一番いいんじゃないかなと思って取り組んできました」と良い緊張感を漂わせた。

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松井が演じるのは、デリバリーヘルスで働きながら芸能界デビューを目指す女の子。役作りについては「アイドルを目指している女の子なので、夢を追いかけているところは、自分の若い頃にすごく似ていると思います。でも考え方が180度真逆の場所にたどり着く女の子なので、お客様にどうしたら伝わるか、苦戦しながら稽古してきました」と振り返った。

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そんな松井について、鴻上は「松井さんはよくやっていますよ。たくましい女優さんだなと思います。3忍は、すでに2年前に出来上がっていますからね。そこに入っていくのは本当に大変だったと思うけど、よく今日まで来たなと思います」と高評価。

風間も「4人しかいないので、新しいキャストが加わることで、新しい発見をしていけると思います。再演というと、違った角度でのアプローチを求められることが多いと思うんですが、鴻上さんは『すごく受け入れてもらえた作品だから、もう一回、同じコースに同じ直球を投げよう』と、奇をてらったことはしていないんですね。だから、もし変わったと思っていただけるのであったら、それは玲奈ちゃんの力と、2年間の僕らの、ほんのちょっとの成長かなと思います」と語った。

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また、松井は以前からファンだった片桐との共演を心待ちにしていたそうで「仁さんのことがずっと好きだったので、共演できることがまず嬉しいですし、お芝居の中で仁さんが投げてくる(芝居の)ボールがおもしろいので、それをキャッチできるのがすごく幸せだなと思います」と心の内を明かすと、鴻上、風間が「俺たちのことはどうでもいいんだな~」といじける一幕も。さらに、風間は「心が大きい方だからこうやっていじっちゃうんです(笑)」と続け、座組みの仲の良さを感じさせた。

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物語は、広告代理店勤務の諏訪(風間)にその上司の沖村(片桐)が、トランスジェンダーを自認する小早川(中村)が友人の平澤(松井)に、それぞれ“変わり身”を頼むところから始まる。“変わり身”の経験を問われると「テレビ局からタクシーに乗った時に『照明さん?』問われ、訂正せず目的地に着くまで照明さんとして貫きとおしたことがある」(風間)、「オファーが来る度に相方(ラーメンズ小林賢太郎)に頼みたかったんじゃないかなと思う」(片桐)、「トランスジェンダー故に、お付き合いをしていた方に“逆変わり身”とも言える存在隠しをされていた」(中村)と、様々なエピソードが飛び出した。

最後に、風間は「この作品は、演劇が好きな人たちはもっと演劇を好きに、演劇をあまり観たことがない人たちも演劇を好きになってくれるような、そんな作品だと思います。そして、観に来てくださったお客様自身の恋愛にも、必ず繋がる部分があるそんな物語です。今まで舞台を観たことがない方、少しでも多くの方にぜひ来ていただきたいと思います。自信があります。楽しみにしていてください」と呼びかけ、会見を締めくくった。

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『ベター・ハーフ』(再演)は、7月17日(月・祝)まで東京・本多劇場にて上演。その後、愛知、福岡、大阪を巡演する。日程の詳細は、以下のとおり。

【東京公演】6月25日(日)〜7月17日(月・祝) 本多劇場
【愛知公演】7月21日(金)~7月22日(土) ウインクあいち 大ホール
【福岡公演】7月28日(金)~7月30日(日) 久留米シティプラザ 久留米座
【大阪公演】8月5日(土)・8月6日(日) サンケイホールブリーゼ

『ベター・ハーフ』舞台写真_2

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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