オルタナティブシアター『アラタ~ALATA~』公開稽古の模様をレポート!岡村俊一「早乙女友貴はチャンバラさせたら日本一」


2017年7月7日(金)から東京・有楽町センタービル(有楽町マリオン)内にオープンする新劇場「オルタナティブシアター」のこけら落とし公演『アラタ~ALATA~』の公開稽古が、6月15日(木)同劇場にて行われ、その後、出演の早乙女友貴ほか、Elina、吉田美佳子、塚田知紀、林祐衣、SATOCO、演出・構成の岡村俊一が代表して登壇。それぞれ意気込みを語った。

本劇場では、言語にとらわれず訪日外国人も楽しめる“ノンバーバル(非言語コミュニケーション)”なパフォーミングをコンセプトに、最先端技術と日本文化を融合させたエンターテインメントショーを展開する予定になっている。そんな、グローバルな戦略に長けた「オルタナティブシアター」のこけら落とし公演を飾るのが、ダンスや殺陣、演劇の要素を盛り込んだタイムスリップサムライ・エンターテインメント『アラタ~ALATA~』である。

『アラタ~ALATA~』公開稽古_2

2020年、人口一千万人を超える巨大都市トーキョーに勇ましい武将「アラタ」が15XX年の戦国時代からタイムスリップ。アラタは夜の銀座で、現代を生きる女「こころ」と出会うが、アラタは妖怪「玉野尾」に追われ、現代の常識を全く知らないアラタとこころの東京珍道中が始まるのであった。果たしてアラタは戦国の時代に戻れるのか・・・?

『アラタ~ALATA~』公開稽古_3

公開稽古では舞台のオープニングにあたる、こころのOLとしての日常シーンが披露された。通勤電車、仕事、帰り道ですれ違う楽しそうなカップル。ダンサーたちによってこころの日常の風景が描かれ、こころの疎外感や孤独感が表現されていた。

『アラタ~ALATA~』公開稽古_4

『アラタ~ALATA~』公開稽古_5

続いて披露されたのは戦国時代、不思議な力を持つ「鼓」を巡って玉野尾とアラタが対峙する場面。音楽ゲームアプリ「Deemo」で人気を博すMiliの浮遊感のある音楽と、それに合わせたダンス、そして早乙女を中心として展開する殺陣がスパーク。場面の切り替わりに、演出の岡村が早乙女について「チャンバラをさせたら日本一」と紹介していたが、早乙女の迫真のアクションによる躍動感と音楽、ダンスの高揚感で舞台からの熱は一気にヒートアップしていた。

『アラタ~ALATA~』公開稽古_6

『アラタ~ALATA~』公開稽古_7

最後に披露されたのが、2020年の東京にタイムスリップしたアラタが騒ぎを起こし、こころと共に機動隊に囲まれる場面。現代の機動隊に挑むアラタの時空を超えた戦いには、演劇的なドラマ性が感じられた。また、舞台上には映像が投影されていたが、本番ではプロジェクションマッピングが用いられ、舞台両壁面から天井まで広範囲に映像が映し出されるそう。ド派手な迫力のステージと映像がどのように関係しあうのか楽しみだ。

『アラタ~ALATA~』公開稽古_8

その後、行われたスタッフ・キャストの代表挨拶では、初めに演出・構成の岡村がマイクを握り、ロングラン公演が行えるよう劇団四季のようなキャストの回替わり制が導入されることを明かした。また、大掛かりなワイヤーアクションなど最新の舞台機構を用いた演出が施されると述べ、「舞台芸能の数値基準が出来るようなSHOWを作れたら」と抱負を語った。

続いて本作のダンスクリエイターで出演のElinaが『アラタ』の特別な魅力について触れ「ダンスだけのノンバーバルな舞台は世界に結構あるのですが、演劇や殺陣など複合的なノンバーバルのステージはあまりないんです。なので、『アラタ』にしかできない特殊な魅力の詰まった舞台になれば」と意気込んだ。

早乙女友貴

サムライアクション・ディレクターであり、主人公アラタ役を演じる早乙女は本作について「ハードで長丁場な舞台なのでキャスト一同最後まで頑張ってまいります」とコメント。また、サムライアクション・ディレクターとして「戦国時代や現代など場面によって殺陣の種類を変えています」と殺陣の見どころを説明した。

吉田美佳子

塚田知紀

キャストオーディションによって選出された吉田は「私はお芝居部分での出演なので、言葉がなくてもわかるように演じられたらと思っています」と真摯に挨拶。殺陣に定評のある塚田は早乙女について「アクションを長いことをやっている僕が見ても500年に一度の天才です」」と早乙女の殺陣を絶賛。早乙女の照れ笑いを浮かべる姿が印象的であった。

林祐衣

SATOCO

アンサンブルダンサーとして出演の林は「Elinaさんを筆頭にみんなで(ダンスを)作り上げてきたので、残りの稽古で更に積み上げてきたものを皆さんにお見せできたら」と呼びかけ、パントマイムアーティストのSATOCOは自身の経験を例に「言葉がないからこそ表現できることがあることを身をもって感じてきました。そして、日本人だから、日本人にしか表現できないことがあるとも常々思っていたのですが、その両方がまさに『アラタ』で表現されていると思います」とグローバルな視点で作品の魅力を述べた。

『アラタ~ALATA~』公開稽古_8

若手トップアーティストが一堂に会す本作は、日本のエンターテインメントの新機軸になるのかもしれない。そんな予感のする公開稽古であった。新設劇場「オルタナティブシアター」、そして『アラタ~ALATA~』の開幕が楽しみでならない。

『アラタ~ALATA~』は、7月7日(金)から、東京・オルタナティブシアターにて上演される。

(取材・文・撮影/大宮ガスト)

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