久保田秀敏、ラスト八雲で「今までの作品以上に深く見せていきたい」舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』開幕


2017年5月31日(水)に東京・品川プリンスホテル クラブeXにて舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』が開幕した。神永学の推理小説「心霊探偵八雲」ANOTHER FILESの舞台化シリーズの3作目であり、最終章となる本作では、主人公となる斉藤八雲(久保田秀敏)と共に事件解決に奔走してきた小沢晴香(美山加恋)が殺人容疑で逮捕されてしまうという衝撃の展開となっている。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_3

今回の出演者には、レギュラーキャストの瀬田町警察署刑事・後藤和利役の東地宏樹、その部下・石井雄太郎役の佐野大樹、北東新聞の記者・土方真琴役の樋口智恵子に加え、水石亜飛夢、北園涼、田中涼星、今村美歩、石坂勇、OH-SE(電撃チョモランマ隊)が名を連ねた。

上演にあたり、久保田、美山、佐野、東地、脚本を手掛けた伊藤マサミ、そして原作者であり脚本の神永よりコメントが届いている。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_2

◆久保田秀敏(斉藤八雲役)
八雲を演じ、本公演を成功させるためには、皆をどう見せていけるかが重要だと思っております。
3作目の今回も、皆の想い、葛藤、そして、歪んだ過去を推理で導き出し、明快に繋いでいく役割を果たしたいと思っています。その中で僕が一番重要視しているのは、ずっと一緒に色々な事件を解決してきた晴香との繋がりで、今までの作品以上に深く見せていきたいと思います。
集大成となる『裁きの塔』で、八雲の生き様、晴香への想い、そして、後藤、石井、真琴・・・すべてのキャストの人間ドラマを、舞台上に上手く描き出せたらと思います。最後の八雲、頑張ります。

◆美山加恋(小沢晴香役)
ANOTHER FILESシリーズ第3作目の“ラスト八雲”がついに始まりました。今回は八雲くんの感情が動くところが見どころなので、そこを存分にお客様に味わっていただきたいと思います。
晴香がどれだけ八雲くんの中で大きい存在かということを、前半部分でお客様にお伝え出来るかどうかが勝負どころだと思うので、絡みの部分でいつもとは違う八雲くんの反応を引き出したいです。
小沢晴香として八雲くんと一緒に素敵な作品にできるよう頑張りますので、ぜひ観にいらしてください。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_11

◆東地宏樹(後藤和利役)
“ラスト八雲”となる今回の「裁きの塔」は“信じる”ということがテーマです。
劇場に入って舞台装置を見たらさらに熱が上がりまして、今まで稽古場でやってきたこと、芝居、脚本と、この装置と音や明かりとが上手く合わさったら、とても素敵なものになると思いました。
今回も、僕と石井との堅苦しくないシーンを作ってもらっているので、そういうところではぜひ笑っていただきたいですし、あとはしっかりとしたお話が出来ていますので、2時間、集中してみていただければ嬉しいです。

◆佐野大樹(石井雄太郎役)
今回、『心霊探偵八雲 裁きの塔』は舞台化シリーズの最終章となります。
僕は初演から10年間八雲に出演してきましたが、やはり今回は特別感があり、役者同士のみならず、全スタッフさんの技術と想いが相まって、すべての歯車が噛み合い、まさに最終章にふさわしい作品に仕上がったと思います。
ラスト八雲「裁きの塔」まずは一度観に来ていただきたく、役者一同皆様のお越しをお待ちしております。ぜひ劇場へ足をお運びください!

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_7

◆伊藤マサミ(演出)
心霊探偵八雲の演出をさせていただくのは3回目になりますが、毎回1回目だと思ってチャレンジしています。
今回も、新しいこともやりながら、心霊探偵八雲の普遍的なおもしろさを伝えるべく、とにかく熱いステージを作りたいという想いで手掛けさせていただきました。
これまでの作品のなかで最も急展開、ハイスピード感を意識しましたので、見れば見るほど先が気になる作りになっています。また、円形のステージを活用して、ある一定の席でしか見られない表情、ある一定の席でしか聞こえない音もたくさん散りばめましたので、どの席に座っても楽しめると思いますし、何度も観たいと思っていただけると思います。
舞台版は今回で最終章ですけれども、今後もずっと“八雲”のキャラクターは皆さんの中に生き続けると思いますので、その想いをこの「裁きの塔」から引き継いでいっていただければ幸いです。

◆神永学(原作・脚本)
舞台版『心霊探偵八雲』最終章となる『心霊探偵八雲 裁きの塔』がいよいよ開演します。
本作は、信頼をテーマに描いています。登場人物たちそれぞれが信じる――ということについて葛藤を繰り広げていきます。
思えば、舞台も信頼によって創り上げられるものです。
キャスト、スタッフの信頼の結晶である本作品を、ぜひ劇場でご覧ください。

事件の舞台となるのは、八雲や晴香が通う明政大学内にそびえ立つ時計塔。この塔には、かねてから「最上部にある大きな姿見は黄泉の国へと通じており、12時にその鏡前に立つと死者と再会できる」という妙な噂があった。ある日「時計塔の幽霊を見たサークルの先輩の様子がおかしい」という話を友人から聞いた晴香は、八雲に相談を持ちかける。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_8

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_9

時を同じくして、北東新聞社小説新人賞の大賞を、明政大学の文学サークルに所属する桜井樹(水石)が受賞する。その受賞インタビューの中で、桜井は奇妙なことを口にする。
「この作品は、時計塔の亡霊に書かされたんです―」
その様子を、同サークルの4年生・西澤保伸(北園)が曰くありげに見つめていた。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_5

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_4

そして、起こってしまった殺人事件。容疑者として連行されたのは、なんと晴香だった。彼女が人を殺したりするはずないと、主張する後藤と石井の前に立ちはだかるエリート刑事・小野寺(OH-SE)。事件は、大学の警備員・瀬尾稔(田中)が目撃していたのだと言う・・・。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_14

八雲演じる久保田は、キャラクターの軸をしっかりと握りながら、ある事実に直面し揺らぐ内面を繊細に表現していく。また、文芸サークルメンバーである水石と北園、そして目撃者となる田中の、静かな面立ちの裏には何があるのか。一挙手一投足が見逃せない。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_12

これまでのシリーズでもコミカルな面を担ってきた東地と佐野の軽妙なやり取りは健在だが、そこにOH-SE演じるエリート刑事が加わることで、“緩”と“急”が際立ち、刑事としての熱さが胸を打つ。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_13

また、容疑者という立場になってしまう晴香だが、彼女がどんな人物であるか、彼女自身が語らなくとも、周囲の寄せる信頼がこれまで積み重ねてきたすべてを物語る。そして、それを受け止める美山には、純粋な強さがあった。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_10

人間は、多面体のような生き物だ。円形舞台の構造を活かした演出は、その事実を克明に舞台上に刻み込む。複雑な因縁が解けていく様に引き込まれていく感覚は、本のページを夢中でめくるあの瞬間に似ている。“ラスト八雲”の赤い目が導く濃密な2時間を、ぜひ劇場で目撃してほしい。

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_6

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』は、6月11日(日)まで東京・品川プリンスホテル クラブeXにて、6月16日(金)から6月18日(日)まで大阪・大阪ビジネスパーク 円形ホールにて上演。

◆イベント
舞台版『心霊探偵八雲』~最終章特別企画~ファン感謝イベント「ラスト八雲」 IN 大阪
【日時】6月15日(木)19:00~
【会場】大阪ビジネスパーク円形ホール

舞台版『心霊探偵八雲 裁きの塔』舞台写真_15

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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