舞台『ジョーカー・ゲーム』開幕!鈴木勝吾、山本一慶、谷口賢志らが魅せるスパイ・エンターテインメント


2017年5月4日(木・祝)より東京・Zeppブルーシアター六本木にて、舞台『ジョーカー・ゲーム』が開幕した。原案となっているのは、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞をW受賞した柳広司の同名小説で、4月にはTVアニメ化も果たしている。初日前日の公開ゲネプロ前には囲み会見が行われ、主演の鈴木勝吾をはじめ、山本一慶、大海将一郎、オラキオ、谷口賢志が登壇した。

三好役を演じる鈴木は、配役が決まった時のことについて「あっ、死んじゃう人の役なんだと(笑)。舞台として作っていくには、とても難しい役だなと感じましたが、信頼する演出家である西田(大輔)さんと話し合いながら決めていこうと思いました」と振り返った。そして、見どころについては「いわゆる2.5次元作品らしいエモーショナルなシーンや、派手なシーンがあるわけでもないので、(物語の中に流れる)細い糸をお芝居で繋げていかないと、この作品は成立しないと思います。もちろん、おもしろいシーンもたくさんありますが、僕たちが一丸となってお芝居を繊細に紡いでいく姿を観ていただけたら」と語った。

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_2

機関員の中では最年長組となる甘利役の山本は「年長者らしく、大人な雰囲気を出せたらいいなと。“スパイ”という個性を隠した人間たちでありながらも、個性豊かなメンツが揃っているので、その中で甘利としての個性を出せたらと思いました」と役作りについて明かした。今回の舞台では、甘利自身のシーン以上に、彼の持つ気質や抱えているバックボーンなどを台詞や山本のちょっとした仕草などで描いている。一度観ただけでは気づかないぐらい、細かい伏線が張り巡らされているので、ぜひご注目いただきたい。

また、佐久間中尉役の大海は「佐久間中尉を知るにつれて、役の重大さと責任感を感じ、役を大切に生きなければと改めて思っています。そして“ジョカゲ”に携わらせていただけることがとても嬉しいです。無骨で骨太な、男たちの熱いお話です。ぜひ、観てください!観てください!」と熱くアピール。佐久間中尉は、帝国陸軍側の人間として、一幕の中枢を担う重要な役どころだ。大役抜擢となった大海の、強い眼差しが非常に良い。大きな舞台に立つ覚悟のようなものが、役柄の持つ意思とマッチして、強い印象を残した。

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_3

「外国人役と聞いて『ついにアジア系の特殊工作員の役が来た!』と思ったら、アメリカ人の役で・・・僕より厚切りジェイソンがいいんじゃないかと思ったんですけど」と打ち明け、報道陣を笑わせたジョン・ゴードン役のオラキオ。「自分の役割をしっかりと果たして、全体の邪魔にならなければいいなと思います(笑)。全体的に張り詰めた空気感ですが、僕でちょっと休んでいただけたら」という言葉どおり、オラキオは作品の中で良い“異質さ”を放っている。登場しただけで笑ってしまうおもしろさを帯びているからこそ、妙な怖さを感じさせる。

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_4

そして、帝国陸軍のスパイマスターで、D機関の設立者の結城中佐役の谷口は「小説を発売された当時に読んでいまして、その時から結城を演じてみたいとずっと思っていました」と喜びを口にした。さらに、この舞台化について「非常に挑戦的」と評し「キャラクターを全面的に押し出す2.5次元作品が多いですが、『ジョーカー・ゲーム』は“スパイ”というキャラクターを消すことが良しとされている人間たちが集まっている作品です。だからこそ(キャッチコピーとして付けられている)スパイ・エンターテインメントという言葉は、とてもおもしろい言葉。人間だからこそ、無個性でいようとしても滲み出てしまう違いや思いがあると思うので、それを舞台として見せられたらいいなと思います」と意気込んだ。

最後に、鈴木は「スパイとして生きることと、役者として演じることは、すごく近いものがあるなと感じています。フレシキブルに感情を出したり、感情的に語るシーンはありませんが、台詞の奥にあるものを感じていただければ。いろんなギミックも隠されているので、劇場で、たくさんいろんなところに気づいてもらえたらより楽しんでいただけると思います」と呼びかけ、会見を締めくくった。

時代は、世界大戦の火種がくすぶる昭和12年秋。帝国陸軍の結城中佐(谷口)によって、スパイ養成部門“D機関”が秘密裏に設立される。機関員として選ばれたのは、三好(鈴木)、甘利(山本)、実井(木戸邑弥)、田崎(奥谷知弘)、波多野(松本岳)、神永(才川コージ)、小田切(阿部快征)、福本(前田剛史)。

彼らは魔術師のごとき知略を持つ結城中佐のもと、スパイ活動に必要なありとあらゆる技術を身につけ、任地へと旅立っていく。
「死ぬな、殺すな」―。
目立たぬことを旨とするスパイにとって、自決と殺人は最悪の選択肢であるとするD機関の思想は、陸軍中枢部から猛反発を受けるが、機関員たちは世界中で暗躍し始める。そんなD機関を査察するため、帝国陸軍より佐久間中尉(大海)が潜入する・・・。

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_5

主演の鈴木が演じる三好は、決して派手な存在ではない。それ故に、彼の行動やその心に持つ信念、そして些細な変化が、垣間見える瞬間がある。そして、谷口演じる結城中佐は、語らずしてその存在の大きさと強さを示す。二人を中心とし、特異な時代を生きた男たちの信念が奏でる人間ドラマは、小さな部屋の一室から、世界規模に広がっていく。限られた空間で繰り広げられる演劇の醍醐味を、ぜひ味わってほしい。

舞台『ジョーカー・ゲーム』は5月7日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて上演。なお、千秋楽となる5月7日(日)17:00公演では、ライブ・ビューイングの開催も決定している。ライブ・ビューイングの詳細は、下記HPにてご確認を。
【ライブ・ビューイング詳細】http://liveviewing.jp/comtents/jgstage/

また、本作のBlu-ray&DVD((Blu-ray 9,800円+税、DVD 8,800円+税)が、10月4日(水)に発売されることも決定。封入特典としてブックレットが付くほか、稽古場や舞台裏のバックステージ映像などの特典映像を収録予定。

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_6
オフィシャル写真

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_7
オフィシャル写真

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_8
オフィシャル写真

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_9
オフィシャル写真

舞台『ジョーカー・ゲーム』舞台写真_10
オフィシャル写真

(C)柳広司・KADOKAWA/JOKER GAME ANIMATION PROJECT
(C)JOKER GAME THE STAGE PROJECT

(取材・文・5枚目まで撮影/エンタステージ編集部)

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