宝塚退団後初主演の凰稀かなめ×時代劇初出演となる超新星のユナクによるミュージカル『花・虞美人』公演レポート


2017年3月26日(日)に東京・TBS赤坂ACTシアターにて、ミュージカル『花・虞美人』が開幕した。本作は紀元前3世紀、中国の楚漢戦争を舞台とし、項羽と劉邦の男の戦いの中に存在した偉大なる女・虞姫の別れ、怨み、愛を惜しみなく描いた完全書き下ろしオリジナル・ミュージカル。その初日前日には、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、凰稀かなめとユナク(超新星)が登壇した。

ミュージカル『花・虞美人』舞台写真_2

中国、そして日本でも有名な「項羽と劉邦」の物語に基づいた脚本を手掛けるのは、『若様組まいる』などで知られる岡本貴也。戦乱の世を舞台とし、アクションを交えながらも虞姫を主演とすることで、豪華で艶やかな衣裳に歌と踊りが織り成すオリエンタルなミュージカル作品を誕生させた。

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虞姫役を演じるのは、元宝塚歌劇団宙組トップスターの凰稀かなめ。凰稀は、これが退団後の初主演作となる。「演出家の方と出演者の皆さんと、ぶつかり合いながら稽古をしてきました。その成果が出るのではないかと思います。シンプルな作品ですので、皆の魅力が発揮されている舞台になっています」と挨拶し、「座長という言葉にあまり気負いをしないように、みなさんと舞台上で一緒に戦って行きたいです」と意気込みを語った。

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劉邦役を演じるのは、日本でも人気の韓国グループ「超新星」のユナク。凰稀から「普段からお優しくて、レディーファーストで、劉邦役にぴったり」と褒められたユナクは、「初めて時代劇を演じるので、プレッシャーもあります。今回は『項羽と劉邦』の話というよりも、虞という女性がどのように生きてきたかをテーマとした作品なので、僕も劉邦がどのような恋愛をしてきたのかを自分なりに研究してきました。項羽はストーレートで激しい性格なので、僕は劉邦をロマンチックな感じで演じたいと考えています」と役作りについて明かした。

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項羽役は、全員が音大卒で180cm以上の男性5人組ヴォーカルグループ「LE VELVETS」の黒川拓哉と、2000年に新人発掘オーディション~21世紀の石原裕次郎を探せ!~で応募総数5万人以上の中から最終選考の10人に残った池田努がWキャストで演じる。それぞれの項羽の魅力について、凰稀は「池田さんはワイルドさの中にも温かさがある熱い男。黒川さんは、カワイイ感じから成長していく項羽となっています」と解説。ユナクも「池田さんは激しさを表に出す項羽で、黒ちゃんは心に秘めたような項羽。しゃべり方や、アクション、仕草が全然違っていておもしろいです」と二人の違いを評した。公開ゲネプロでは項羽役を池田が演じていたが、まったくキャラクターの違う二人の項羽も、本作の魅力となっている。

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さらに、共演者には、虞姫の弟・子期を松田凌、劉邦の親友・樊カイ(カイの字は口偏に會)を岡田亮輔、楚の国王・懐王を小野健斗、劉邦の軍師・韓信を石橋直也、項羽の軍師・范増を大澄賢也と、若手からベテランまでと幅広い役者が揃っている。

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中でも、桑野晃輔が演じる秦の宦官・趙高は、今までの『項羽と劉邦』の作品に登場した趙高の中でも異色のキャラクターとして目を引くだろう。

別れ、復讐、そして愛。項羽と劉邦の間で揺れ動く虞姫が最後に取る決断とは・・・。ユナクが「気持ちがすごく入って、考えるだけで涙が出るシーンとなっています」と勧めるラストをぜひ劇場で。

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ミュージカル『花・虞美人』は、3月31日(金)まで東京・TBS赤坂ACTシアターにて上演。その後、愛知、大阪を巡演する。日程は以下のとおり。

【東京公演】3月26日(日)~3月31日(金) 赤坂ACTシアター
【愛知公演】4月15日(土)・4月16日(日) 愛知県芸術劇場
【大阪公演】4月22日(土)・4月23日(日) 森ノ宮ピロティホール

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(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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