2016年12月9日（金）よりLive Performance Stage「チア男子!!」が東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて開幕した。原作は2009年に63万部のベストセラーとなった「桐島、部活やめるってよ」（集英社）でデビューを飾り、2013年には『何者』で男性受賞者としては最年少で直木賞を受賞した作家・朝井リョウによる青春スポーツ小説。初日前に行われたゲネプロより“チアステ”の模様をレポートする。
柔道道場の長男・坂東晴希（本田礼生）は大学1年生。姉や幼馴染みの橋本一馬（古田一紀）と共に、幼い頃から柔道に打ち込んできた。しかし、同じく柔道に取り組んできた姉の強さと比べて自身の限界を察していた晴希は、怪我をきっかけに柔道部を退部。同じ頃、一馬もまた柔道をやめる。一馬はある理由から、大学チアリーディング界初、“男子”のみのチーム結成を決意していたのだ。それぞれに事情を抱える超個性的メンバーが集まり、チームは学園祭での初舞台を目指すが･･･。
出演は、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンをはじめ、数々の舞台で活躍する本田と古田の他に、「ROCK MUSICAL BLEACH」～もうひとつの地上～での好演が記憶に新しい高野 洸（徳川翔役）、平田雄也（溝口渉役）、才川コージ（総一郎役）、そして、ダンス甲子園で優勝した経歴を持つ皇希（遠野浩司役）と福澤 侑（弦役）という、それぞれに特技を持つ身体能力の高いメンバーが揃い、熱いパフォーマンスを披露。
演出は、進戯団 夢命クラシックス主宰で舞台版『心霊探偵八雲 いつわりの樹』（再演）などを手掛けた伊藤マサミ。音楽は和田俊輔、振付は左 HIDALIとハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』などでも活躍するスタッフと、個性豊かな出演者たちによって、Live Performance Stageという新たな作品が誕生した。歌、ダンス、映像、そして、本田が「チアリーディングの魅力をしっかりと伝えていきたい」と囲み会見で意気込みを語ったチアと芝居の融合。そして、客席と舞台が一体となった空間で、熱いステージが繰り広げられる。
Live Performance Stageは“観客一人一人が応援に「参加する」感覚が持てる客席参加型ステージ”をコンセプトとしており、上演中のコール＆レスポンスの内容やタイミングが、舞台上のスクリーンに映されることで、簡単に参加できるようになっている。また、チアのポジションや、スタンツ、タンブリングなどの技の説明も劇中で行われるので、チアに詳しくない人でも、十分に楽しめる作品となっている。
さらに、本編終了後にもスペシャルな企画がたっぷり。全公演の終了後にはアンコールパフォーマンスが行われ、出演者それぞれの個性を存分に活かした“スペシャルパフォーマンス”が披露される。月・水・木曜日の公演では、BREAKERSが観客に会場で“エール”を送る「Let’s Cheer Time!! ～BREAKERSが貴方にエールを送ります！～」が、金・土・日曜日の公演では、早稲田大学チアリーディングチームSHOCKERSメンバー総勢30名による「SHOCKERSメンバーによるチアリーディングパフォーマンス！」が開催される。
さらには、開演前は回替わりアナウンスでお出迎え、カーテンコールでは回替わりコメント、終演後には、「ちょっと早めのクリスマスプレゼント」として秘蔵生写真のプレゼントなども。
芝居、歌、ダンス、映像演出など、観客と舞台が一体となるアイデアと、本気のチアリーディングディングが生み出したLive Performance Stage。この熱を、ぜひ劇場で体感して欲しい。
Live Performance Stage「チア男子!!」は、12月18日（日）まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演。
(C)朝井リョウ／集英社 (C)LPS「チア男子!!」製作委員会2016
（取材・文・撮影／櫻井宏充）
