舞台『キネマと恋人』本公演ついに開幕!妻夫木聡ら心境を語る


ウディ・アレン監督の映画『カイロの紫のバラ』にインスパイアされ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が書き下ろした新作舞台『キネマと恋人』が、2016年11月15日(火)・11月16日(水)のプレビュー公演を経て、11月18日(金)に本公演の開幕を迎えた。

世田谷パブリックシアター+KERA・MAP#007 『キネマと恋人』_2

“KERA版『カイロの紫のバラ』”とも言える本作『キネマと恋人』は、舞台を1930年代の日本、架空の島の港町に置き換え、登場人物たちは架空の方言を話す、という設定になっている。大正ロマンの残滓と昭和モダンが花開いたこの時代、映画は庶民の娯楽であり、心のオアシスだった・・・。そんな時代背景を踏まえて、銀幕の俳優への女性の淡い恋心をめぐる騒動を、KERAならではのファンタジックでビターなコメディに仕立てている。

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物語の中心を担うのは、妻夫木聡、緒川たまき、ともさかりえの3人。このほか、三上市朗、佐藤誓、橋本淳、尾方宣久、ナイロン100℃のメンバー・廣川三憲と村岡希美らが脇を固めている。

この話題作から、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、妻夫木聡、緒川たまきの3人より、本公演初日終演後の心境を語ったコメントが届いた。

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◆ケラリーノ・サンドロヴィッチ (台本・演出)
『キネマと恋人』は、『カイロの紫のバラ』というとても好きな映画が元ネタなので、そういう意味でも特別な作品なのですが、プレビュー3公演を経て、今日の芝居が一番良かったです。みんな楽しんでやってくれていて、今日も妻夫木に「楽しい?」って聞いたら「めちゃくちゃ楽しいです」という答えが返ってきたのでホッとしたんですけどね。今回は振付の小野寺(修二)くんや映像監修の上田(大樹)くんの力をいつもの倍以上費やしてもらい、スタッフや色んな人の力を借りて完成に至りました。演劇は総合芸術だということをまさに体現したような作品になったんじゃないかと思います。

◆妻夫木聡 (高木高助<俳優>/間坂寅蔵<映画の登場人物>)
『カイロの紫のバラ』のように、観ている間は夢見心地で、劇場を出た後も「ああ、良い夢だったな」と甘くも苦い切なさが余韻として残れば良いなと思っていましたが、やはり人間が生で演じることによって、自分の想像以上に、さらに豊潤な作品になったと感じています。きっとエンディングには色々な受け取り方があって、僕が演じる寅蔵の「考え方だな」という台詞にもあるように、皆にとってのいつかのハッピーエンドにつながればと思っています。とにかく僕たちは演じていて楽しくて、いつまでも続けば良いという気持ちでいるので、これから一日一日、一分一秒を本当に大切にしながら演じていきたいです。

◆緒川たまき (森口ハルコ)
この作品の中の登場人物は皆、厳しい現実と、甘い夢を見る時間とを行き来するようなところがあるんです。例えば私が演じるハルコさんは、大好きな映画を観ることで辛い現実を忘れることができます。上演時間が3時間を超えるお芝居ですが、疲れるというよりはむしろ、演じる度にまたこの作品に会えたという喜びで元気がチャージされていきます。私にとってそういう力がある作品なので、観てくださる方にとってもそうでありますように、と思っています。

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世田谷パブリックシアター+KERA・MAP#007 『キネマと恋人』は、12月4日(日)まで、東京・シアタートラムにて上演。

(撮影/御堂義乗)

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