舞台『メトロポリス』開幕!松たか子「勇気を持ってこの世界に飛び込みたい」


東京・Bunkamuraシアターコクーンにて2016年11月7日(月)に舞台『メトロポリス』がいよいよ開幕する。本作は、1926年にドイツで製作された同名のモノクロ・サイレント映画を、今回が日本初舞台化したもの。100年後の未来都市を描いた原作の映画は「SFの原点にして頂点」とも呼ばれ、その後の映画界だけでなく漫画や音楽など数々のSF作品に多大な影響を残した。

演出を務めるのは、シアターコクーン初代芸術監督も務めた串田和美。出演は、松たか子、森山未來、飴屋法水、佐野岳、大石継太、趣里、さとうこうじ、内田紳一郎、真那胡敬二、大森博史、大方斐紗子、串田和美。

初日に先駆け、串田、松、森山からコメントが届いている。

◆串田和美(演出・美術・出演)
この芝居に限らず、表現の幅を広げたいという思いが僕の根底に絶えずあります。そういう表現の元になる作品を、いつも探している。シアターコクーンから提示された『メトロポリス』は、そういう意味でも刺激的でした。演劇って、人によって見方が様々だから、「こんなの演劇じゃない」と言う人もいるかもしれません。でも、今回の表現そのものを素直に見てもらいたいと思っています。カットアウトで時空がズレる感覚とか、ひとりの人物を何人かで演じることで人間の多様性を表現できないかとか、できるだけ幅広く表現の方法を探りたい。それはただの手段かもしれないけど、手段そのものにも意外と力がある。
原作の『メトロポリス』は、100年前に既に都市の崩壊を描いているけれども、崩壊や滅亡は絶えず起こっている。戦争や人災も含めた大きな自然の災害は、今も起こり続けています。それに対しての想いは常に考えていることで、この作品にも表れていて、感じてもらえることは、たくさんあると思っています。

◆松たか子(出演)
マリアは、自分のことを(森山演じる)フレーダーに少し語るくらいで、あとは謎に包まれた存在です。メトロポリスの人々にとって、拠り所になれば、と。人は感情を割り切り、効率のみで生きることもできるのかもしれない。マリアが希望となって命をつなげればいいのですが、どうなるでしょうね。森山くんはアイディアマン。アイディアを構築し、かつ自らやってみせることができます。先輩たちも頼もしく、自分にないものを持つ方々と過ごす時間は、とても充実しています。串田さんが稽古始めに「勇気を持ってこのホンに取り組む」とおっしゃったんです。私も勇気を持ってこの世界に飛び込み、とことん生きて、漂っていたいと思います。

◆森山未來(出演)
フレーダーは決まったものを持たないまま、やっていいんじゃないかと思っています。世界観を構築する際に、ある程度見せ方やビジュアルをまとめる必要はあるでしょうけど、フレーダーだからということにこだわらず、たとえば松さんとやる時は松さんと僕の関係性でなにができるかを探したい。松さんはすごいと思うんですよ。稽古で立つとキャラクターうんぬん以前に、彼女の人間性がズンっと前に来ますから。田んぼに躊躇なく脚を踏み入れていけるような姿勢が素晴らしくて、僕は周りでチョロチョロしていれば大丈夫かな(笑)。僕自身、単純にここにある事象を楽しみたいし、楽しむ自分が観客に伝わったほうがいいような気がする。フィクションであるということを意識しすぎないほうがいいんじゃないかと思っています。

舞台『メトロポリス』は、11月7日(月)から11月30日(水)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演される。

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