柿澤勇人、岸谷五朗が熱く語る!日本初上陸ミュージカル『ラディアント・ベイビー』とは


All Keith Haring Works (C)Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

1990年に亡くなってなお、数多くのファッションブランドからコラボされる世界的アーティスト、キース・ヘリング。その名前は知らなくとも、ほとんどの人が目にしたことがある彼の絵の代表作が「ラディアント(光り輝く)・ベイビー」である。赤ん坊が四つん這いになったその絵と同じタイトルのオフ・ブロードウェイミュージカルが、2016年6月、日本で上演されることが決まった。キース・ヘリングを演じるのは、劇団四季を経て数々のミュージカルや蜷川幸雄の舞台で活躍する柿澤勇人。脇を固めるのは、キースの生涯の友を演じる平間壮一と知念里奈、キースの恋人役の松下洸平など経験豊かな俳優たち。また、演出の岸谷五朗はキース・へリングに対して並々ならぬ思いを抱き、このミュージカルに臨む。

関連記事:伝説的アーティストの生涯を描いたミュージカル『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』、2016年6月上演!

『ラディアント・ベイビー』記者会見_2

All Keith Haring Works (C)Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

4月1日(金)、『ラディアント・ベイビー』公演の会見が、山梨県にある「中村キース・ヘリング美術館」で行われた。アンディ・ウォーホルなどと並び称される80年代アメリカの芸術家、キース・へリングの作品だけが集められた世界で唯一の美術館である。

『ラディアント・ベイビー』記者会見_3

All Keith Haring Works (C)Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

訪れた柿澤、平間、知念、岸谷の4名は館内を見学。学芸員の方が作品の解説とともに語るキースの人生に、じっくりと耳を傾けていた。アーティストとして悩みながら、仲間と出会い、恋人と出会い、そして31歳でHIV(エイズ)により亡くなるまでのキースの作品に、平間は丁寧に頷きながら、知念は悲しげに、岸谷は挑むように視線を向けた。キースを演じる柿澤は3人より一歩引いた位置で、全身でキースの作品すべてを感じるかのように館内を見渡していた。

『ラディアント・ベイビー』記者会見_4

All Keith Haring Works (C)Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

最後に飾られた作品は、キースの大作「トライアングル」。死が近いことを知ったキースの最後の大作だ。その前で4人はじっくりと絵を見つめる。本物のキースの絵を見た感想を聞かれた知念は「力強さに圧倒されています。こんなにすごい人を知らなかったんだ」と呟き、平間は「可愛いだけじゃない。思ったままに手が勝手に動くように絵を描いて表現したかったんだろうな。自分も舞台で、思うままにぶつけていけたら」と丁寧に言葉を手繰った。

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All Keith Haring Works (C)Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

会見では、各自がなにも見ずに『ラディアント・ベイビー』のイラストを描くというイベントも開催された。
柿澤は、キース役が決まってから毎日キースの絵を描いて練習しているとの自信通り、ほぼ完璧なイラストを披露!あまりの出来映えに岸谷も思わずイスから立ち上がり感嘆の声を上げた。ちなみに“画伯”は知念里奈。目がハートの可愛らしい絵を描いて共演者を和ませていた。

『ラディアント・ベイビー』記者会見_6

All Keith Haring Works (C)Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

会場には本作のミュージカルソング「ステイ」も流れていた。劇中で柿澤、平間、知念、松下が歌うナンバーで、公式サイトでも公開されている曲だ。「ここにいたい、終わらせたくない……キースあなたは教えてくれた。このままの私たちでいいと」……優しい歌声が響き、熱いものが胸に込み上げてくる。

『ラディアント・ベイビー』記者会見_7

柿澤は2015年に蜷川幸雄の舞台に出演した際に「蜷川さんとアンディ・ウォーホルとオノヨーコさんとキース・ヘリングが一緒に写った写真があったんですよ!」というエピソードを明かし、「キースに実際に会って話している人が、今もいる。実在する人物は生半可な気持ちでは演じられない」と言葉に力を込めた。自身の演じるキースの魅力について、「31歳で亡くなったキースは、もっと生きたかったと思う。ピュアに信念を貫いて、全力で生きて描いた人なんだろうな」と思いを馳せる。

『ラディアント・ベイビー』記者会見_8

All Keith Haring Works (C)Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

また、岸谷は「長くなりますが聞いてください」と丁寧に前置きし、キースとの深い縁を熱く語った。1993年、岸谷もメンバーである「AAA(Act Ageinst AIDS)」は、キースの描いた絵がシンボルとなりスタートしたHIVと闘う子どもたちへのチャリティーだ。「23年間、AAAの活動に多くのミュージカル俳優やアーティストが集まってくれるきっかけになったのがキースの絵です。今回の舞台では、キースへの恩返しをしたい」と力強く述べた。岸谷はキースを「おそらく弱くて自信のない人だった」と言うが、実在したその生涯をどのようなミュージカルに仕上げるのかが見どころである。

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All Keith Haring Works (C)Keith Haring Foundation Courtesy of Nakamura Keith Haring Collection

キース・ヘリングの生涯を描いたミュージカル『ラディアント・ベイビー』は2016年6月6日(月)~22日(水)、日比谷のシアタークリエで日本初上演される。

(文・写真/河野桃子)

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