高畑充希「ずっと舞台に片思いしていた」第23回 読売演劇大賞 贈賞式レポート


2016年2月29日(月)に、「第23回読売演劇大賞」の贈賞式が、東京都内にて行われた。読売演劇大賞は、1994年に創刊120周年を迎えた読売新聞の記念事業として、古典から現代劇まで演劇全分野を網羅し、舞台芸術への活力となることを願って創設。第23回は、9人の選考委員が選んだ候補作品、人の中から演劇関係者104人による投票が行われ、それをもとに最終選考会で決定された。贈賞式では、各賞の受賞者より喜びの挨拶が行われた。

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◆大賞・最優秀男優賞 片岡仁左衛門
(松竹・歌舞伎座『菅原伝授手習鑑』の菅丞相役、同『新薄雪物語』の園部兵衛役、同『一條大蔵譚』の一條大蔵長成役の演技)

第23回読売演劇大賞

歌舞伎界から初の大賞・最優秀男優賞受賞となった仁左衛門は、「このような名誉ある賞を頂きまして幸せでございます。大賞の受賞理由には、父の残してくれた『菅原伝授手習鑑』の菅丞相役が入っております。親孝行ができたなと思うと同時に、改めて父のすごさを再認識いたしました。言い古された言葉ですけれども、本当に死ぬまでが修行でございます。これからも一生懸命励んでいきたいと思います」と挨拶した。

◆最優秀作品賞 『グッドバイ』(キューブ/KERA・MAP)

第23回読売演劇大賞_3

『グッドバイ』は、この他にもケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が優秀演出家賞、小池栄子が最優秀女優賞を獲得している。作品を代表して登壇したKERAは「観た人に何も残らないただのコメディに賞を頂けるというのは、ずっと喜劇をやり続けてきた人間にとっては非常にありがたいこと。僕にしては珍しく明るいコメディで、こういう意地悪じゃない作品をたまにやるのもいいな、みんなハッピーになるなと思いました。何度も頂けるのが、この賞のいいところ。また9年後ぐらいに(笑)」と笑いを交えてコメント。

◆最優秀女優賞 小池栄子
(キューブ/KERA・MAP『グッドバイ』の永井キヌ子の演技)

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KERAワールドで優れたコメディエンヌぶりを発揮した小池は、「いろんなお仕事をやる中で、自分が持てたものは根性と信じる気持ちだと思っています。これからも“小池栄子”が出ているから舞台観に行きたいなと思ってもらえるような、お客様をワクワクさせられる女優になっていきたいと思います」と、さらなる飛躍を誓った。

◆杉村春子賞 高畑充希
(パルコ『いやおうなしに』の真壁芳奈役、Bunkamura『靑い種子は太陽のなかにある』の弓子役の演技)

第23回読売演劇大賞_5

みずみずしい存在感と確かな演技力で、優秀女優賞とW受賞となった高畑は、「思ったより、ずっしり重いです・・・」とブロンズ像を初めて手にした感想を語った。「小さい頃から舞台が大好きで、13歳でやっと舞台に立つことができました。そこから10年間、がむしゃらに前だけ見てここまで来た気がします。ずっと舞台に片思いをしていた感じだったのですが、今回こんな素敵な賞を頂けて、少しだけ振り向いてくれた感じがしました。これからも、お芝居大好きでい続けられたらなと思います」と静かに喜びを語った。

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このほかの受賞者は、以下のとおり。

◆最優秀演出家賞 鵜山仁
(劇団文化座+劇団東演『廃墟』、こまつ座『マンザナ、わが町』の演出)

◆最優秀スタッフ賞 乗峯雅寛
(文学座アトリエの会『白鯨』、シアター風花伝『悲しみを聴く石』の美術)

◆芸術栄誉賞 奈良岡朋子

◆選考委員特別賞 宮本宣子
(劇団民藝『冬の時代』、埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ『ヴェローナの二紳士』、文学座『白鯨』の衣装)

◆優秀作品賞
『追憶のアリラン』(劇団チョコレートケーキ)
『廃墟』(劇団文化座+劇団東演)
『彼らの敵』(ミナモザ)
『マンザナ、わが町』(こまつ座)

◆優秀男優賞
坂部文昭(可児市文化創造センター×文学座『すててこてこてこ』)
城田優(東宝『エリザベート』)
鈴木壮麻(ホリプロ『サンセット大通り』
シ―エイティプロデュース『End of the RAINBOW』)
山本耕史(ホリプロ『メンフィス』)

◆優秀女優賞
熊谷真実(こまつ座「マンザナ、わが町」)
小泉今日子(シス・カンパニー『草枕』)
高畑充希(Bunkamura『靑い種子は太陽のなかにある』)
花總まり(東宝『エリザベート』)

◆優秀演出家賞
上田久美子(宝塚歌劇団雪組『星逢一夜』)
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(キューブ/KERA・MAP『グッドバイ』)
藤田貴大(マームとジプシー/東京芸術劇場『cocoon』)
ラサール石井(KAAT神奈川芸術劇場『HEADS UP!』)

◆優秀スタッフ賞
高橋知伽江(劇団四季『アラジン』の日本語歌詞』)
松井るみ(宝塚歌劇団雪組『アル・カポネ』、シス・カンパニー『草枕』の美術)
松任谷正隆(Bunkamura『靑い種子は太陽のなかにある』の音楽)

なおエンタステージでは、後日この読売演劇大賞の模様を動画でお届け予定。お楽しみに!

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