筧利夫主演!A New Musical『JAM TOWN』開幕間近の稽古場よりレポート到着


2014年に舞台づくりの実験段階を見せるトライアウト公演を神奈川芸術劇場中スタジオで上演して好評だったミュージカル『JAM TOWN』が2016年1月、ついにホールでの本公演として帰ってきた。初日を目前に控えた稽古場では、父と娘の感涙の物語を確かな演技力と歌唱力で伝えようとする筧利夫、松浦雅ら主要キャスト陣と、パンチの効いたダンスを繰り出すアンサンブルメンバー、そして音楽監督の西寺郷太が自ら生演奏で参加するバンドの情熱と意気込みが溶け合い、まさにカオスのパワーを生み出していた。

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タイトルの前にわざわざ”A New Musical”とうたっているように、ミュージカルに対する先入観にとらわれることなく、さまざまな要素を詰め込んだまったく新しいミュージカル。特徴的なのはほとんどの曲を手掛ける西寺郷太の幅広い音楽性を表すように、ロックからヒップホップ、ラップ、ポップス、ソウル、R&Bまでさまざまなビートが絡み合い、ひとつとして同じテイストの曲がないところだ。それぞれの楽曲にはバラエティーに富んだ振付があり、ひとつひとつがきちんとショーとして成立している。心情の説明になりがちな楽曲部分が、補助的な立場から抜け出してパフォーマンスとして完成しているのだ。

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数々の舞台を彩ってきた主演の筧は、演じるマスターのキャラクターを乗せたような暖かみのある歌声。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』や『GTO』など話題のドラマで頭角を現してきた松浦は、そのスレンダーな身体からは信じられないほどのパワフルな楽曲からしっとりしたバラードまで歌いこなし、逸材誕生の予感が。シンガーとしても世間を沸かせた藤井隆が優れた身体能力を見せつけるようなパフォーマンスで沸かせれば、水田航生は豊かな表現力で惹き付ける。東風万智子の歌声のたおやかさには癒やされる思いだ。

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ダンサーたちは自分の出番の直前まで、わきで振りや仕草の確認をしている。振付のYOSHIEが要求する高い次元のダンスに応えようとぎりぎりまで集中力を高めているのだ。

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このミュージカルを発案し演出にあたる少年隊の錦織一清は静かに舞台を見つめているかと思えば、舞台わきで次の出番の出演者に手振り身振りで直接アドバイスし、アグレッシブに魂を注入している。最終的にどんな舞台に仕上がるのか。ミュージカルに新しい風を吹かせてくれるのは間違いなさそうだ。

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◆筧利夫コメント
二ヶ月にわたる稽古により出演者の心は一つとなりました。横浜から世界に向けて極上の音楽ライブ劇を発信いたします。この作品は毎日進化します。今日観ても最新、明日観ても最新です。どうぞ、存分にご堪能ください。

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撮影=西野正将 提供=KAAT神奈川芸術劇場

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