溝端淳平&柄本時生は息ぴったりの名コンビ!『レミング~世界の涯まで連れてって~』上演


2015年12月6日(日)に開幕した『レミング~世界の涯まで連れてって~』。寺山修司の遺言とも言える最後の演出作品となった『レミング』に、2013年に続き維新派の松本雄吉が「ヂャンヂャン☆オペラ」という独特の手法を用いた新解釈で挑み、壮大なスケールの作品を出現させた本作。開幕前には、溝端淳平、柄本時生、霧矢大夢、麿赤兒が取材に応じ、意気込みを語った。

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物語の舞台は、東京都品川区五反田本町二丁目一番七号、幸荘十号室。コック見習いのタロ(溝端)とジロ(柄本)、畳の下にはタロの母親(麿)が潜む下宿屋の仕切り壁が忽然と消えた!修理を依頼しても、大家は何故か下宿屋の存在そのものを否定する。壁のなくなった部屋には、次々に奇妙な訪問者が入り込んでくる。30年以上も同じ映画を撮り続けているという撮影隊と往年の大女優(霧矢)、患者、囚人たち・・・。部屋に“都市”が流れ込んでくる。夢か現実か?目眩くシーンの連鎖。壁が消えた世界で、タロとジロは何処へ行くのか…?

寺山作品初挑戦となる溝端は「独特の世界観で、すぐにすっと入り込める世界ではないんですが、空想や夢のような世界の中に、すごく現実的で生々しい世界があったり。稽古を重ねるにつれ、そこに浸っていられる時間が心地よく感じるようになりました」と稽古の成果を噛みしめる。柄本も「緊張しているんですけど、寺山作品に憧れがあったので、すごく嬉しくて。がんばります」と笑顔を浮かべた。

『レミング』フォトコール_2

溝端演じるタロの母親役を演じる麿は、強烈なビジュアルで「アングラやってます!」と宣言。記者から「母親役ですが髭もそのままで?」と問われ、「母一人子一人なので、親父の代わりも・・・」と口ごもりながら説明すると、溝端から「二役やるってわけではないんですよ(笑)」と通訳が入り、報道陣の笑いを誘った。

霧矢は、映画の世界に囚われた女優役を演じる。この役について「日常と虚構が入り乱れる作品の中で、私は虚構部門の代表格のような役です。若者二人を虚構の世界へいざないたいと思っております」と語った上で、「寺山作品は言葉が美しいので、言葉を大事に演じたいです。みんなすごくフレッシュで熱いので、気持ちのいい現場。私もがんばって個性を出さなくちゃと思っております」と意気込みを見せた。

溝端と柄本は、これが3回目の共演となる。「ヂャンヂャン☆オペラ」ということで、僕らも音に合わせて台詞をはめながら、二人で(場面を)作っていくところや、声を揃えて言うところが多い」と明かす溝端の言葉通り、会見の中では何度も言葉と声が揃ってしまい、恥ずかしそうに顔を見合わせる二人。舞台の上に限らず息ぴったりのようだ。

最後に、溝端が「生で観てこそ、良さがさらに伝わる舞台だと思います。音と美術とお芝居、すべて融合した作品になっていると思います」、柄本が「一生懸命がんばるので、ぜひ劇場に来て頂けたらと思います」と呼びかけ、会見を終了した。

『レミング』フォトコール_3

美しい言葉とイメージが連鎖する寺山の世界『レミング~世界の涯まで連れてって~』は、2015年12月20日(日)まで上演。その後、福岡・愛知・大阪で公演が行われる。日程は、下記の通り。

2015年12月6日(日)~12月20日(日) 東京・東京芸術劇場 プレイハウス
2015年12月26日(土)・12月27日(日) 福岡・北九州芸術劇場大ホール

2016年1月8日(金) 愛知・愛知県芸術劇場大ホール
2016年1月16日(土)・1月17日(日) 大阪・森ノ宮ピロティホール

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