映像の魔術師 ロベール・ルパージュ新作公演!世界を震撼させた『Needles and Opium』待望の来日!


世界中で活躍している演出家ロベール・ルパージュ。彼の代表作『Needles and Opium』は、1991年の初演以降、いまだに世界中から招聘の希望が多い作品だ。そして、ルパージュはさらなる進化を求めて、新たな息吹を吹き込んだ完全リニューアル版を完成させた。最新の映像テクノロジーを駆使し、装いも新たな作品として2013年から世界ツアーを行っており、各国から称賛の声が上がっている。そして2015年10月9日(金)、世田谷パブリックシアターにて、『Needles and Opium 針とアヘン ~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』として遂に日本初上演を迎えた。この話題作が、開幕を翌日に控えた10月8日(木)、同劇場にて公開リハーサルを行った。

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『針とアヘン』公開リハーサル

ロベール・ルパージュは「映像の魔術師」の名を持つカナダ・ケベック出身の演出家で、世界のアートシーンを牽引するクリエーター。伝説のロックバンド・ジェネシスのステージ『魅惑のブロードウェイ』を観て、舞台演出家を志した。最近の来日公演作品にはシルヴィ・ギエムと共演した2011年の『エオンナガタ』があり、世田谷パブリックシアターでは2002年に『月の向こう側』の英語版上演、2006年に『アンデルセン・プロジェクト』の英語版の来日にあわせて日本語版の連続上演を行い、多くの注目を集めた。彼が演出する魔法のような舞台は観る者の心を片時も離さず、それは「ルパージュ・マジック」とも呼ばれている。

『針とアヘン』公開リハーサル

『Needles and Opium 針とアヘン ~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』は、舞台と映像の革新的な融合として「ルパージュ・マジック」と呼ばれる手法を世界的に知らしめた記念碑的な作品『Needles and Opium』(1993年 来日)の、リニューアル作品。同作品は、現在と、1949年に活躍したジャン・コクトーとマイルス・デイヴィスのイメージを召喚させながら、ある男性の内面を多層的に描いている。物語は、失意のどん底でパリにたどり着いた現代のカナダ人男性の脳内に、コクトーのアヘン依存とデイヴィスのヘロイン中毒(注射針)のイメージが広がり、こだまする。苦しみを忘れようとする男性が、内面を凝視すると、コクトーの言葉やスケッチ、デイヴィスのブルーノートが脳内を駆け巡り、スペクタクルな離脱症状が始まる……。

『針とアヘン』公開リハーサル

フラッシュバックのように挿入される時は1949年、映画『双頭の鷲』をニューヨークで上映した多才なアーティストのジャン・コクトーは、フランスに戻ってくる。初のニューヨーク訪問後、コクトーはアメリカへの憧憬と幻滅の気持ちが入り乱れる複雑な心境で『アメリカ人への手紙』を上梓する。一方、1949年は、モダンジャズを旧大陸に広めるべくマイルス・デイヴィスがフランスに到着し、フランス国民から熱烈な歓迎を受ける年でもある。

『針とアヘン』公開リハーサル

公開リハーサルは場当たり的に行われ、すべてのシーンを見ることはできなかったが、そこは「映像の魔術師」の異名を持つロベール・ルパージュの作品。わずか数シーンであったが、独創的で幻想的な世界にあっという間にひきこまれてしまった。最新テクノロジーを駆使した特殊な舞台装置と映像の革新的な融合、全編に流れるマイルス・デイヴィスのモダンジャズ・ミュージックによりクリエイトされる世界はまさしく「ルパージュ・マジック」、深く魅了されてしまった。

『針とアヘン』公開リハーサル

さらに、普段の公演では見ることのできない舞台装置の裏側も見ることができて、思わず興奮。現代と1949年のコクトーとデイヴィスを自由に行き来しながら、めくるめく幻惑の世界へ誘われ、身体性に富んだ本作は、ルパージュ未体験の観客層をも広く惹きつけること必至。ルパージュのファンはもちろんのこと、コクトーやマイルス・デイヴィスのファンにもぜひオススメしたい作品だ。

『Needles and Opium 針とアヘン ~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』(英語上演・日本語字幕付)は、2015年10月9日(金)~10月12日(月・祝)まで、世田谷パブリックシアターで上演される。

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