観月ありさも油まみれに!?『GS近松商店』製作発表


近松門左衛門の名作『女殺油地獄』『曽根崎心中』をモチーフに、「生きるということ」を改めて問う衝撃作『GS近松商店』が、新歌舞伎座の新開場5周年記念舞台として2015年9月27日(日)より上演される。そして、昨日8月20日(木)に本作の製作発表が都内で行われ、主演の観月ありさと渡部豪太、そして本作の演出を務める鄭義信が登壇した。

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鄭作品初出演の観月は、今回のオファーについて「鄭さん、私のこと見ててくれたんだなぁという感じで、すごく嬉しかったです」と、出演の話を受けた時の心境をふり返った。また、意外な配役だったと話すガソリンスタンドの女将という役柄は「とても保守的というか、真面目な役ですね。臆病で内向的な感じだと思いました」と、ドラマなどで見せる快活なイメージとは一味違ったキャラクターになるようだ。そして、本作ではすべてのセリフが関西弁となっていることに触れ、「関西で関西弁の舞台をやるというハードルの高さに恐れおののいていますが、この稽古中に関西弁を習得したいです」と目標を語った。

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「再演になりますが、全く違うもの、脚本がシンプルかつ大胆なので、今回の我々にしかできない『GS近松商店』になるようにぶつかっていきたいと思います」と意気込みを語った渡部は、「僕が演じる片岡光という役は、街にいる、くすぶっている若者ですね。まだ空白が多いので、あとで鄭さんに質問攻めしたいと思います」とこれからの役作りへ熱意を示した。

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はじめに「もちろん『女殺油地獄』なので、お二人には油まみれになってもらうのが大前提なんですが…」と笑った鄭は、「様式美よりも近松の現代に繋がる精神性を表現できたら」と今回の演出の意図を語り、また、本作のモチーフとなっている近松の作品について「元禄の時代に、お金に縛られて堕ちていくというか、ギリギリの状態になっていく人間をすごく丁寧に描いていて、なおかつそれが現代的というか、元禄であっても現代でもお金に困っていて汲々としている。愚かで悲しくて、それでも美しい人間というのをこの作品で描きたい」と、題材に選んだ理由を明かした。

平凡な日常を滑稽に描きつつ、現代人の「孤独」や精神の「闇」に鋭く迫る『GS近松商店』は、2015年9月27日(日)より上演開始。

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