紫吹淳&岡田浩暉が有楽町でニューヨークのラブストーリーを魅せる!ミュージカル『グッバイ・ガール』観劇レポート


2015年8月7日(金)に東京国際フォーラムで初日を迎えたミュージカル『グッバイ・ガール』。エンタステージではこれまで製作発表会見、稽古動画のほか、紫吹淳と岡田浩暉のインタビューをご紹介してきた。そして今回は、ついに幕を開けた公演本番のようすをお伝えしよう。

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舞台はニューヨーク・マンハッタン。元ダンサーでシングルマザーのポーラ(紫吹淳)は12歳の娘ルーシーと役者の彼氏と三人暮らし。しかし、彼はある日置き手紙を残して出て行ってしまう。「もう役者の男なんてごめん!」と失意に陥るポーラだったが、真夜中に突然、元彼から部屋を又借りしたというエリオット(岡田浩暉)が訪ねてくる。売れない役者なだけでなく、かなりの変わり者のエリオット。出会いの印象は最悪!しかし部屋をシェアすることになってしまい、二人は喧嘩ばかりの日々を送っていたが…

「昨日のことは忘れて欲しいの」「もう遅い。日記に書いた」……など、ニール・サイモン特有のウィットに富んだ台詞の応酬で物語が進んでいく。ポーラとエリオットの最悪な出会いから、恋に堕ちる瞬間、そんな二人の間で複雑な思いを抱える娘ルーシー。男女の「ああ言えばこう言う」丁々発止のやりとりにクスリと笑いながら、二人の恋を眺めていくのがこの芝居の醍醐味だ。

『グッバイ・ガール』

紫吹は、シングルマザーが恋と仕事と母としての責任の間で揺れるようすを丁寧に演じた。過去に5回も男に捨てられた経験から、エリオットに惹かれながらも恋に臆病になっている。誰かを愛することへの不安を語るポーラは、身につまされるほど苦しい。ダンサーとして踊るシーンでは、ショートパンツからすらりとのびた足が美しく、エリオットでなくても目を奪われてしまう。

『グッバイ・ガール』

岡田の演じるエリオットは、生真面目で神経質で多少厭味ったらしいところもある。しかし酔って情けない姿をさらしたり、ポーラに恋した喜びを全身で表現したりと、愛嬌たっぷりに演じている。素直に恋心を女性にぶつける姿はまるで大きな犬みたいで、母性本能をくすぐられる。岡田の可愛さを3時間たっぷり堪能できる舞台だ。

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『グッバイ・ガール』

物語のキーワードとなるのはルーシーだ。友達二人と「わたしたちは恋のスパイ!」と言いながらポーラとエリオットの行く末を楽しんでいる。かと思えば、ポーラとエリオットの恋がうまくいくほどに「いつかまた捨てられるんじゃないか」と怖くもなってしまう。二人がうまくいくかどうかは、エリオットがルーシーの父親になれるのか、ということでもある。エリオットとルーシーの関係も丁寧に描かれており、涙腺が緩んでしまう名シーンが用意されている。

『グッバイ・ガール』

中尾ミエの存在も欠かせない。二人の恋を見守るアパートの管理人として、どっしりとした存在感で舞台を包み込む。

製作会見で演出のマキノノゾミが「有楽町にブロードウェイを持って来る」と言っていたとおり、身振り手振りも愛情表現も大きい、まさにニューヨーカーのラブストーリー。それがミュージカルにマッチしていて、二人の恋をダイナミックに魅せている。観ていて恥ずかしくなってしまうシーンが多いはずなのに、キャストたちが楽しそうに全身でやりきるので、恥ずかしいどころかロマンチックな世界に思いきり浸らせてくれる。さらに舞台上での生演奏も、気分を高揚させてくれる。
シャープな台詞の掛け合いが一番の魅力なので、上演を重ねるごとに紫吹と岡田の息が合いレベルアップしていきそうだ。間違いなくハッピーになれ、一度だけでなく二度、三度と幸せに浸りたくなる作品である。

『グッバイ・ガール』

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ミュージカル『グッバイ・ガール』は、8月23日(日)まで東京国際フォーラム ホールCにて上演中。

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