赤塚不二夫ワールド全開!シュールでナンセンスなコント満載の『男子!レッツラゴン』観劇レポート


2015年7月30日(木)に下北沢 本多劇場で初日を迎えた『男子!レッツラゴン』。2002年の旗揚げ以来、見た後に何も残さないバカにこだわったコントを続けてきた『男子はだまってなさいよ!』が10回目の公演に選んだのは今年に生誕80周年を迎える漫画家 赤塚不二夫が自身最高傑作と謳う傑作『レッツラゴン』だ。『レッツラゴン』は主人公のゴン、ゴンのおやじ、しゃべるクマのベラマッチャらがシュールでナンセンスなギャグを繰り広げる赤塚不二夫ワールド全開なギャグ漫画。舞台版も原作の通り、次々に繰り出される実験的かつシュールなギャグを元に、現代的なギャグを盛り込んだ、ポップでナンセンスなコントショーを目指している。

舞台はゴンとおやじが住む家。ゴンとおやじは腹をすかしていた。おやじはゴンに金をせびるが、それに対しゴンは、おやじこそ親なんだから金を出すべきだと反論。だが、おやじは小学生のゴンが法律上仕方なく働けないのに対し、自分は積極的に働きたくないんだと、自信満々で、働きたくない気持ちをアピールする。程なくゴンの家来であるクマのベラマッチャがお使いから帰ってくる。ゴンにメンチカツを買ってくるよう命令されていたのだ。だが、買い物袋の中は脱法ドラッグ。メンチカツを諦めたゴンは、今度はベラマッチャに自分の代わりに宿題をするよう命じる。そんな二人のやりとりを見ていたおやじは自分も家来が欲しくなり、街へ探しに行くことに…。

主人公のゴン役にはロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカルであり、『色即ぜねれいしょん』での主演デビュー以来、NHKの朝ドラ『カーネーション』に出演するなど俳優としても活躍する渡辺大知。おやじ役には劇団「猫のホテル」創設メンバーで看板役者、「阿佐ヶ谷スパイダース」など多数の客演、コントに“重み”を持たせるのに必要不可欠な存在の中村まこと。 ベラマッチャをはじめ、個性豊かなキャラクターを持ち回りでシチュエーションごとに代るがわる演じるのは、数々の映画やドラマで独特の個性を見せる荒川良々。本作の音楽も担当する日本を代表するラップグループ「スチャダラパー」からはANI。初代キングオブコント王者であり、お笑いイベント「ダイナマイト関西」のプロデュースなどでお笑い界をリードし続けるミスターお笑いバッファロー吾郎A。誰もが認める実力派コント師であり、その演技力と存在感で近年は映画やドラマなどにも活躍の場を広げるラバーガールの大水洋介と飛永翼。キングオブコント2014王者となり、お笑いファンのみならず演劇ファンからも支持を集めるシソンヌのじろうと長谷川忍。実に個性豊かな笑いの実力者が勢ぞろいしている。

『男子!レッツラゴン』

不条理で全く意味のない世界観に、時事ネタ、パロディ、下ネタと満載で、清々しいまでのナンセンスなコントのオンパレード。作・演出の細川徹と、笑いに対して実力派の出演陣が表現する現代的な赤塚ワールドに笑いが止まらない。原作ファンでも、原作を読んだことがない人でも頭を空っぽにして笑い続けられる怪作だ。

本作が『男子!レッツラゴン 赤塚不二夫生誕80周年+男子はだまってなさいよ!』として、2015年9月5日(土)18:45からWOWOWライブにて放送される。ぜひご観賞を。

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