東出昌大、初舞台でチェロを奏でる『夜想曲集』


東出昌大の初舞台となる『夜想曲集』が、2015年5月11日(月)より東京・天王洲 銀河劇場にて幕を開ける。原作となっているのは、イギリス文学界最高峰のブッカ―章を受賞したカズオ・イシグロが2009年に発表した短篇集『夜想曲集』。その中から3篇の独立した短篇を抽出し、確かな筆の力で注目を集める劇作家・長田育恵が一つの物語にまとめ上げた。初日に先駆け行われたゲネプロの一部を紹介する。

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舞台は、ベネツィア、ビバリーヒルズ、アドリア海沿いの小さな町。交差するそれぞれ音楽とそれぞれの人生を、東出演じる才能を持つがゆえに苦悩する若きチェリスト・ヤンの記憶をたどりながら描いていく。ヤンは旧共産圏の出身で自分の才能を追求するために自由の国に出て活動を始めるが、厳しい現実と向き合っていた。

ある日ヤンは、亡き母が大ファンだったという往年の歌手、トニー・ガードナー(中嶋しゅう)と出会う。旅行中の彼が妻のリンディ(安田成美)に歌うセレナーデの伴奏者を探していると聞き、喜んでその役を買って出た。ガードナーとの出会いをきっかけに、ヤンは一度放り出してしまった自分の音楽を取り戻し始める…。

『夜想曲集』

ヤンが故郷を出てすぐの頃に出会った女性、エロイーズ・マコーマック(渚あき)との思い出や、ガードナーの妻と売れないサックス奏者(近藤芳正)の物語も重なり、才能を持つ人間、持たない人間、それぞれが自分の人生と向き合い踏み出していくまでの葛藤が描かれている。劇中には生のミュージシャン演奏もあり、研ぎ澄まされた感性が響き合う作品に仕上がった。

『夜想曲集』

『夜想曲集』

東出はこの役と向き合うため、昨年からプロのチェリストから指導を受けレッスンを重ねてきたという。「今ではチェロを弾くのがすっかり習慣となりました。このような素敵な作品で初舞台を踏むことができ、この上なく光栄です。嘘ごまかしのきかない舞台での経験が、これからの長い役者人生において新たな第一歩になる気がしています。一生に一度の初舞台を悔いのないよう精一杯演じ切りたいと思います」とコメントを寄せている。

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『夜想曲集』は、2015年5月24日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて、5月30日(土)から5月31日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて、6月4日(金)には広島・アステールプラザ 大ホール、6月8日(月)には富山県民会館で上演される。

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