佐々木蔵之介が一人20役の芝居に「いつでも逃げる用意がある」と及び腰 舞台『マクベス』


シェイクスピアの4大悲劇の一つ『マクベス』を、ほぼ一人で演じきるという、いまだかつてない革新的で、全く新しいスコットランド・ナショナル・シアター版『One-Man MACBETH』に、俳優・佐々木蔵之介が挑む。日本初演となる「PARCO presents『MACBETH マクベス』」が2015年7月12日(日)から上演されることをうけて、佐々木と日本版演出を手掛けるアンドリュー・ゴールドバーグが2月12日(木)、東京都内で制作発表会見を行った。

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本作は、ウイリアム・シェイクスピアの作品群の中でも、最も有名な心理劇『マクベス』をほとんど一人で演じきるという大胆かつ野心的なコンセプトのもと創り上げられた作品。精神病院を舞台に、登場するのは病室に隔離された患者だけ。病室の監視カメラが患者の動きをすべて捕え、病棟のモニターにすべて映し出される。観客は、患者に内在する『マクベス』の登場人物たちを介して、あの忌まわしい物語を追体験していくこととなる。(スコットランド・ナショナル・シアター版では、アラン・カミング(『キャバレー』)が主演した)

不朽の名作にして、演劇ファンなら誰もが知る作品を全く新しい形で演出する本作。難しい一人芝居に挑戦することになる佐々木は、開口一番「やる気ではいるけれど、いつでも逃げる用意ができている」とかなりの弱腰。「一人芝居は何度かオファーがあったけれど、絶対にやらない」と断り続けてきたというだけに、それでも本作に臨むことを決意した裏には強い意志があったのでは…と思われたが、オファーを受けた理由を問われると「…(その時のことを)覚えてない。僕、やるって言ったかなって何度もマネージャーに聞いた」とあえて弱気な姿勢を崩さない佐々木。とはいえ、そこは演技派として知られる佐々木。一人で20役以上をこなさなければいけない難役について「一人で(ステージに)立ってみたらどうなるか見てみたいと思っている」と強い眼差しで語った。

佐々木蔵之介『MACBETH マクベス』

本作の魅力について「(『マクベス』は)やはり難解だという印象があるし、一人何役もやるとなるとまた難しいと思われると思う。でも、精神病院を舞台にして、一人で話し出すというスタイルだから、演劇を見慣れている人はもちろん、ドラマや映画を観ている人でも楽しめる」とアピールする佐々木。さらに、「マクベスは、暴君だといわれるけれど、誰しも甘いことを言われれば乗ってしまうし、(彼は罪悪感で)ずっと悩み続けている。ただの悪者ではないところに惹かれるし、そこが魅力だと思う」と、『マクベス』という作品自体のおもしろみも語った。

PARCO presents『MACBETH』は、2015年7月12日(日)~8月2日(日)に東京・パルコ劇場ほか豊橋、大阪、横浜、北九州で上演。

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