上原剣心（Go!Go!kids／ジャニーズJr.）の主演舞台『恐怖コレクター』が開幕！見どころは「剣心の決めポーズ」

演劇

舞台『恐怖コレクター』が、、2023年5月13日（土）に東京・草月ホールにて開幕した。本作は、上原剣心（Go!Go!kids／ジャニーズJr.）の単独初主演作。初日前には公開ゲネプロと会見が行われ、上原のほか、冨岡健翔（ジャニーズJr.）、寺山武志、脚本・演出の畑雅文が登壇した。

本作は、佐東みどり・鶴田法男による角川つばさ文庫の超人気ホラーシリーズ「恐怖コレクター」を原作とした舞台。原作は、2022年12月に20巻が発売され、累計部数は80万部を突破。コミックスも絶賛発売中の、文字通り“みんな読んでいる”ホラー作品として、小中学生の間ではおなじみの存在となっている作品だ。

主人公の千野フシギを、ジャニーズ以外の外部公演初出演にして単独初主演となる上原が、フシギの相棒で呪いによって人面犬にされてしまったジミーを事務所の先輩でもある冨岡が務める。

会見では、まず、上原が「初めての（外部の）舞台で主演をいただいて、とっても嬉しくて色々と（演出の）畑さんに聞いてがんばったので、楽しみにしていただけたら嬉しいです」と挨拶。続いて、冨岡は「今日まで、剣心を含めてみんなで稽古をしてきたので、今日が迎えられたことが嬉しいです。積み上げてきたものを出していけるように最後までがんばっていきたいと思います」と思いを語った。

父親と記者の斉藤の2役を演じる寺山は「今回の舞台稽古は、畑さんの意図もあって、まるで学校の授業かのように50分稽古したら10分休憩というようにやっていました。生徒の子たちが徐々に成長していける様子を感じられたので、無事に成功してほしいと思っています」と、役柄同様、父親のようなコメントで会見を盛り上げた。

演出の畑は「今作の見どころは、役者・上原剣心の決めポーズです。彼が演じるフシギが呪文を唱えるシーンがいくつかあるのですが、その都度、決めポーズが違います。原作者の方から、決めポーズを撮ってほしいと言われて、慌てて二人でああしよう、こうしようと話し合って作ったので、それを見てほしいです」とアピール。

さらに、「剣心くんが腹式呼吸をできているかもポイントです。腹式呼吸のやり方を冨岡さんがお腹を自ら出して教えていたので、その成果を本番で発揮できるか、注目してください。物語の中で（上原が演じる）フシギがちょっとずつ成長していくので、そのちょっとしたお芝居の違いも見どころです」と力を込めた。

稽古場の雰囲気や役作りについて聞かれた上原は「家が遠いので朝が早くて大変だなと思っていたのですが、（稽古場に）着くと畑さんが面白いことを言ってくれるので、楽しい稽古場だったと思います。役作りでは、僕は普段からじっとできないのですが、フシギはじっとしないといけない役なのでそれが大変でした」と振り返った。

上原だけでなく、今作には若い俳優が多かったことから「稽古はワークショップのように色々な試みをしつつ、お芝居を楽しみながらチャレンジして積み重ねていった」と話した冨岡。そのため、「寺山さんも（一緒に）、バカみたいなことをやったり、わざとらしくやったり、僕たちが（若い俳優たちの）お手本になれるように、自由に、楽しんでいる姿を見せられればと思ってやっていました」と明かした。

そして、寺山は「僕たちは何かをピンポイントに言うことはないけれども、今、（上原に）伝えておくとしたら･･･」と切り出すと、「舞台の袖で『台詞何だっけ･･･？』となることが一回はあるだろうから、そういう時は健翔くんの顔を見れば何とかしてくれるから。ドンと構えていけばいいと思うよ」とアドバイス。

最後に、上原が改めて「僕は表情の演技で大事だと思っているので、そこを意識したいと思います。台詞を忘れないようにしたり、やることは多いですが、しっかりと覚えてミスをしないように頑張ります」と意気込みを語り、取材会を和やかに終えた。

この作品で描かれているのは、「都市伝説」にまつわる物語。町に都市伝説が流れると、それを追うように各地で赤いフード姿の少年が目撃される。その少年の名は、千野フシギ。なんでも「都市伝説にかけられた呪いを手帳に『回収』する力がある」という。そして、ある日、とある町で不気味な事件が次々と起こり始める。

今作は、ある学校に通う中学生たちを巻き込んだ「GHOST HOUSE」「SEVEN DAYS」「ESCAPER」「DEATH TWEET」「CHERRRY BLOSSOMS」という5つのエピソードから構成されている。

特に前半は、プロジェクションマッピングを効果的に使った、背筋も凍るようなホラー色の強いエピソードも用意されている。しかし、物語の中心となっている小林輝隼が演じる有村友彦をはじめとした中学生たちは、終始、明るく、ポップなノリのため、恐怖を緩和してくれる。また、「ESCAPER」からジミーも登場し、フシギとのほっこりするやり取りで楽しませてくれるので、ホラーが苦手な人にも楽しめる作品に仕上がっていた。

さらに、後半のエピソードは、学生たちの絆を感じさせる切なくも温かいストーリーとなっており、思わず涙してしまう場面も。青春物語も存分に味わうことができる。