小日向文世、浅野和之、大谷亮介、平田満が9年ぶりに集結!高橋克実を加え『海をゆく者』上演


PARCO劇場開場50周年記念シリーズとして、2023年12月より『海をゆく者』の上演が決定した。出演者には、小日向文世、高橋克実、浅野和之、大谷亮介、平田満と、平均年齢70歳目前の百戦錬磨たちが名を連ねた。

『海をゆく者』は、アイルランドの劇作家コナー・マクファーソンの出世作にして、代表作。2006年に自らの演出により、ロンドンのナショナル・シアターにて初上演し、ローレンス・オリヴィエ賞BEST PLAY、トニー賞BEST PLAYほか3部門に輝き、「21世紀のクリスマスキャロル」と評され、世界中で上演されてきた傑作だ。

日本では、※2009年・2014年に小日向文世、吉田鋼太郎、浅野和之、大谷亮介、平田満という顔ぶれと、栗山民也の演出で上演し、丁々発止の台詞の応酬と円熟味あふれる絶妙なアンサンブルで、PARCO劇場の傑作レパートリーの一つとなった。

「PARCO劇場50周年」のアニバーサ―リー・イヤーとなる2023年に、再び栗山演出での上演が決まり、小日向、浅野、大谷、平田が再集結。高橋を加え、3度目の日本上演を実現させる。

愛すべきダメ男たちのクリスマス・イヴ、ポーカーゲームのごとく、百戦錬磨の名優たちが「舞台」というテーブルの上で、「言葉」というカードを切りまくる。笑いとサスペンスに満ちた、丁々発止のスリリングなダーク・コメディが復活する。

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『海をゆく者』は、12月7日(木)から12月28日(木)まで東京・PARCO劇場にて上演後、新潟、愛知、岡山、福岡、広島、大阪を巡演する。

コメント紹介

◆小田島恒志(翻訳)

『海をゆく者』(The Seafarer)に登場する男たちは海をゆきません。
酒を飲んでポーカーをするだけです。どうやら、このタイトルは10世紀ごろの同名の古い詩に由来するようです。
その詩では、冬の凍てつく海を独りでゆく老水夫の苦難と、それを知りもせず陸地で仲間とわいわい楽しく過ごしている連中への恨みがぐじぐじと語られます。
ですが一転、「どうせ地上の幸福は長くは続かない、人間、勇敢な行動をもって悪魔に抗わなくては・・・「アーメン」と前向きになって宣言します。
え?余計関係ない?うーん、どうでしょう・・・。

◆栗山民也(演出)

アイルランドをぐるっと回った時、昼間からパブでぼんやり幸せそうにビールを飲む老人たちが、なんと日向の中の妖精たちに見えたのです。
この作品、日本初演から14年。
私を含め俳優たちもみんな前期高齢者になって、やっとアイルランドの平和な妖精に近づけるのだと思います。
パルコ劇場の祝50周年なのです。私の中ではこの作品、勝手に伝説のようなものなのです。
なんとも愛おしく人間の美と醜に満ち溢れた作品『海をゆく者』を、お楽しみに。

◆小日向文世

初演から14年も経ったとは・・・。あっという間に過ぎて行った感じです。
平田満さん、浅野和之さん、大谷亮介さん、自分、50代だったメンバーが古希目前。
新しく加わる高橋克実さんだってもう60代。皆元気に舞台に立てることが幸せです。
再演から9年ぶりに集合して栗山民也さんの演出をまた受けることが出来る楽しみ。ワクワクしています。
ヨレヨレの酒浸りのアイルランドのおじさん達を演じます、元気に!是非お楽しみに‼︎

◆高橋克実

今回のお話をいただいてから、ずっとドキドキソワソワしています。なぜなら、あの素晴らしい初演・再演を体感しているからです。飲み散らかした男所帯の部屋の臭いまで伝わるような舞台。栗山民也さんの繊細で美しい演出も忘れられません。今回、初演・再演で吉田鋼太郎さんが見事に務め上げられた、リチャード・ハーキンを演じさせていただきます。達者な鋼太郎さんとは正反対の私が、小日向文世さん、平田満さん、大谷亮介さん、浅野和之さんの4人の演劇レジェンドの中に放り込まれるとどうなるのか・・・想像もつきません。もちろん、久々に栗山さんの演出を受けられること、尊敬するレジェンドたちと一緒の舞台に立てることは幸せです! 今から稽古が楽しみ・・・と言いたいところなのですが、実際には、すでにものすごい緊張感が押し寄せてきています。私にとっては、今回の現場は「修業の場」ですね。とにかく、栗山さんや先輩方の打った球に食らいつき、何が何でも取る!今はそんな覚悟です。

◆浅野和之

再々演は驚きでしたが、演出の栗山民也さんをはじめ、また皆で一緒に作業ができるのがとても嬉しいですね。コヒ、大谷、平田満さんは同い年なんです。舞台への変わらない情熱を持ち続けている顔ぶれとまた舞台に立てるのが楽しみです。新たに加わる克実君は大変かもしれませんが、皆でできる限りサポートしたいと思っています。いい大人たちが集まって酒を飲みながらくだらない話をするという“生態”を垣間見るような作品。どうしようもない人間たちと、神や精霊や悪魔といった神秘的なものとの接点にも面白さを感じます。一番の肝はポーカーのシーン。初演も再演も毎日、稽古開始1時間前に集まって皆で練習したのを憶えています。再演を重ねられるということは、この作品のファンの方々が多いということですよね。そんな皆さんの期待を裏切らないよう、とにかく走り抜けて、「PARCO劇場開場50周年記念シリーズ」の締めを飾るに相応しい舞台にしたいと思います。そして、次世代へのバトンをつなぐような意義のある作品にしたいですね。

◆大谷亮介

再演から9年、随分と時間が経ちました。今回はメンバーも少し変わりますから、また新たな気持ちで、新しい作品に取り組むつもりでやりたいと思っています。健康で立派に頑張っておられる小日向文世さん、浅野和之さん、平田満さんと久しぶりに芝居ができることも、旧知の仲である高橋克実さんと初めてご一緒することも楽しみ。演出の栗山民也さんとこうしてまたご一緒できることも本当に嬉しいです。小日向さん、浅野さん、平田さん、僕の4人は、まもなく70歳になりますから、ご覧になる方々に“人生”というものを垣間見せることができるような芝居を皆で作りたい。アイルランドのどうしようもない酒飲みの物語が、私たちや皆さんの〝人生〟に共通する芝居になればいいなと思っています。とにかく演劇を観ることが好きな方々に楽しんでいただける芝居にしたい、ただそれだけを思って務めさせていただきます。

◆平田満

「海をゆく者」再再演と聞いて、「まだやれるんだ」とうれしくなりました。
登場人物5人、それも中高年の男ばかりがほとんど出づっぱり、しかも緊張感のある芝居なのに、なぜか懐かしくあったかい気持ちになりました。今回、吉田鋼太郎さんから高橋克実さんに代わりますが、60過ぎたらみんな同世代です。
皆さん現役でバリバリ活躍しているので心強いです。
クリスマスの夜に酒とポーカーしかない悲惨な愛すべき男たちと会えるのが楽しみです。
年齢に関係なく、というか、ダメな年寄りおやじたちを思いっきり笑い飛ばせる舞台になると思います。寄る年波と言われないよう、年寄りの冷や水と言われないよう、でも枯淡の境地とは絶対言わせない面白いものになるはずです。

PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『海をゆく者』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2023年12月7日(木)~12月28日(木) PARCO劇場
【新潟公演】2024年1月7日(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
【愛知公演】2024年1月12日(金)~1月14日(日) 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
【岡山公演】2024年1月17日(水) 岡山芸術創造劇場ハレノワ中劇場
【福岡公演】2024年1月20日(土)・ 1月21日(日) キャナルシティ劇場
【広島公演】2024年1月24日(水) アステールプラザ 大ホール
【大阪公演】2024年1月27日(土)~1月29日(月) サンケイホールブリーゼ

スタッフ・キャスト

【作】コナー・マクファーソン
【翻訳】小田島恒志
【演出】栗山民也

【出演】
小日向文世 高橋克実 浅野和之 大谷亮介 平田満

あらすじ

アイルランド、ダブリン北部。海沿いの町にある古びた家に、若くはない兄弟が二人で暮らしている。兄のリチャード(高橋克実)は大酒のみで、最近、目が不自由になり、その世話のために戻ってきたという弟のシャーキー(平田満)は、酒癖の悪さで多くのものを失い、今は禁酒中。

陽気で解放的な性格のリチャードは、クリスマス・イヴも朝から近所の友人アイヴァン(浅野和之)と飲んだくれ、シャーキーが顔を合わせたくないであろう男ニッキー(大谷亮介)を「クリスマスだから」とカードに誘ってシャーキーを怒らせる。

さらには、ニッキーが連れてきた一人の男、ロックハート(小日向文世)。彼こそが、シャーキーが忘れたくとも忘れられなかった男だった・・・。







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