岡本健一と成河の二人芝居『建築家とアッシリア皇帝』開幕!絶海の孤島で繰り広げられる不条理劇


2022年11月21日(月)に東京・シアタートラムにて二人芝居『建築家とアッシリア皇帝』が開幕した。本作は今年夏に上演した『毛皮のヴィーナス』に続き、「トラム、二人芝居」と称し、新進気鋭の演出家と、魅力あふれる実力派のキャスト陣とのタッグで作る、二人芝居企画の第2弾。今回は演出を生田みゆきが手掛け、岡本健一成河が出演する。

演出の生田は、2016年に文学座座員に昇格後、2017年アトリエの会『鳩に水をやる』で文学座初演出を手掛けたほか、国際演劇協会の『紛争地域から生まれた演劇』の演出や、今年3月に上演した『オロイカソング』などの各小劇場で魅せる実験的な取り組みで評価を得た。また、彩の国さいたま芸術劇場7月公演ジャンル・クロスII<近藤良平×松井周>『導かれるように間違う』では演出補を務めるなど、今度のさらなる活躍が期待される演出家だ。

2021年には、岡本健一、成河が出演した「約束の血」4部作『森 フォレ』に演出助手として参加。8代に渡る壮大な血の物語を描くに辺り、緻密に描き出す演出家・上村聡史のもとで作品づくりを支え、岡本、成河からの信頼も得た生田が、フレッシュで斬新な感性を生かし、アラバールの名作に挑む。

物語の舞台は、絶海の孤島。そこへ墜落した飛行機から現れた男は自らを皇帝(岡本)と名乗り、島に先住する一人の男を建築家(成河)と名付けて、近代文明の洗礼と教育を施そうとする。お互いの存在を求め合いながらも、ぶつかりあう二人。そのうち二人は、いろいろな人物の役を演じはじめ、心の底にある欲望、愛憎、そして罪の意識をあからさまに語り出す。その行為はやがて衝撃的な結末を生みだすきっかけになっていく・・・。

共に演出経験もあり、戯曲を深く読み込み、体現するクリエイションに定評のある2人。俳優として互いに認め、尊敬の念を抱きあう岡本と成河が、3度目の共演となる二人芝居において、ついに一対一で対峙する。その鍛え抜かれたフィジカルな側面も生かしながら、「ごっこ遊び」さながらに、恋人役や母親役、時には動物にも扮しながら、次々と現実と虚構の間を往き来し、人間の根源的な欲望に迫るハードな応酬を繰り広げていく。岡本健一と成河という俳優だからこそ表現できるに違いない、圧巻の二人芝居をお見逃しなく。

『建築家とアッシリア皇帝』は、11月21日(月)から12月11日(日)まで東京・シアタートラムにて上演。上演時間は、1幕85分、休憩15分、2幕70分の計2時間50分を予定。なお、休憩時間にも見逃せない展開ありとのこと。

(撮影/細野晋司)

コメント紹介

◆生田みゆき(上演台本・演出)

アラバールが自分の身体の中に渦巻く言葉を殴り書きしたような、エネルギーに満ちたこの戯曲を何とか立ち上げるために、座組一丸となって実験を繰り返した毎日。自分の限界に貪欲に挑み続ける二人の俳優にあらゆる演劇的な仕掛けで応戦してきましたが、劇場に満ちるお客様の「目」こそがこの芝居を成立させる最終兵器だったのだと、初日を迎えて確信しました。これからも実験が続くこの公演ですが、孤島から世界に挑む二人の男の共犯者として、マグマのような時間を多くの方に一緒に過ごしていただきたいと思います。

◆岡本健一(皇帝役)

今までに感じたことのない、本当のライブ感というものを感じました。広大だったり、果てしなさを感じさせたり、かと思えばミニマムな部分もあったり。そんなアラバールが生み出した世界観と生田さんの演出、そして相手が成河だからこそ感じたライブ感なのだと思います。
戯曲、演出、美術、音楽、そして役者のエネルギーと、演劇のおもしろさをわかりやすくお届けできる作品。何も考えず、気楽に劇場に来ていただけたら嬉しいです。気軽に楽しめながらも、深いメッセージも込められているので、思考が解放されるんじゃないかなと。
こんな作品に関わることができて、誇らしく感じています。

◆成河(建築家役)

とても楽しかったです。生田さん演出のもと、健一さんとのグルーヴ感が日に日に高まって新たな発見があり、息が合っていく瞬間がお客様の力を借りて感じられて、終わりのない旅がはじまったな、という感じです。これから楽しい毎日を過ごしたいと思います。
思っていた以上にお客様はよく理解してくださるし、僕らのもっともっと先にいらっしゃるなという感じもしたので、僕らもさらに追い越していけるようにやっていきたいと思います。
もうなにも考えないで来てください。難しく考えるだけもったいないので、難しく考えずにいらしていただけると嬉しいです

『建築家とアッシリア皇帝』公演情報

上演スケジュール

2022年11月21日(月)~12月11日(日) 東京・シアタートラム

スタッフ・キャスト

【作】フェルナンド・アラバール
【翻訳】田ノ口誠悟
【上演台本・演出】生田みゆき

【出演】岡本健一 成河

<終演後ポストトーク>
11月25日(金)19:00 生田みゆき、白井晃(世田谷パブリックシアター芸術監督)
11月30日(水)14:00 生田みゆき、岡本健一、成河
12月8日(木)14:00 岡本健一、成河、白井晃(世田谷パブリックシアター芸術監督) ほか

公式サイト

【公式Twitter】@tram_2022
【世田谷パブリックシアター公式Twitter】@SetagayaTheatre






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