A.B.C-Z橋本良亮、オーラ全開の“白鳥王”に!ミュージカル『スワンキング』開幕レポート


A.B.C-Zの橋本良亮 が主演するミュージカル『スワンキング』が6月8日(水)、東京国際フォーラム ホールCにて開幕した。それに先駆け、初日前には公開ゲネプロと取材会が行われ、橋本のほか、所哲也、梅田彩佳夢咲ねねらが登壇した。

本作は、バイエルン王国の国王ルートヴィヒ二世と作曲家リヒャルト・ワーグナーを描いた新作オリジナルミュージカル。若さと美貌を持ち合わせ、音楽と建築をこよなく愛するあまり破滅的な浪費を繰り返し「狂王」の異名で知られたルートヴィヒ二世と、天才的な作曲家でありながら借金と女性関係に生涯苦しんだワーグナーの愛憎にまみれた関係を、脚本・詞・演出のG2が丁寧に紡ぐ。

レポート

不吉な胸騒ぎに襲われるオーストリア皇后・エリザベート(夢咲)のもとに、互いに唯一心を許した存在であるバイエルン国王・ルートヴィヒ二世(橋本)の死体が湖から上がったという報せが届くところから物語はスタートする。

時は遡り、とある安宿の一室では、上演機会を失い、借金まみれになった天才作曲家・ワーグナー(別所)が自らの死を覚悟していた。そこに救いの手を差し伸べたのがルートヴィヒ二世だ。

ワーグナーを崇拝する彼は、莫大な報酬をもって惜しみない援助をし、大作オペラ「ニーベルングの指環」の上演を夢見る。ワーグナーは信頼する指揮者ビューロー(渡辺大輔)とその妻・コージマ(梅田)を呼び寄せ、創作に没頭するが、これによりワーグナーとコージマーは人知れぬ関係へと発展し、またルートヴィヒ二世は政策的批判から窮地に追い込まれていく。

物語の中心となるのは、橋本演じるルートヴィヒ二世と別所が演じるワーグナー、そして彼らと夢を共有した2人の女性だ。愛憎が交錯する中、スキャンダルにまみれ、嫉妬や批判にさらされながらも、崇高な芸術への想いに突き動かされるように生きていた。

19世紀ヨーロッパ、宮廷を舞台にしていることからも、華やかな衣装が目を引く。特に、橋本は、白一色の衣装も見事に着こなし、その美貌が今も伝えられるルートヴィヒ二世を体現した。玉座に座る姿には独特のオーラが漂う。

萩野清子による音楽も素晴らしい。“日本人らしいメロディ”だと感じるところもあるが、非常に分かりやすく、耳馴染みの良い旋律が心地よい。一度聴けば覚えられるメロディは、オリジナルミュージカルとして最適な手法だと感じた。

ゲネプロ後に行われた会見で、橋本は「いよいよ初日を迎えますが、早く観てもらいたいとワクワクしています」と笑顔を見せた。本作は、橋本にとってミュージカル初主演となるが「プレッシャーだらけ」と言いながらも、「初じゃないような感覚がしていて、自分でもびっくりしています」と頼もしい発言も飛び出した。

また、“若き美貌の王”ルートヴィヒを演じるにあたっては、役作りとして「12、13キロの減量」を行ったと明かす。「(ルートヴィヒの)写真を検索するとこんな感じだと思うので、近づけたなと思って。今は、56〜58キロです。それくらい、この作品を届けたいと思ってがんばりました」と胸を張った。

一方、ワーグナー役の別所も「僕も前のめりで、早く早く(公演をしたい)と思っています。この役を演じられたことは、ミュージカルを愛する人間としても嬉しいです」と初日を直前に控えた心境を話した。ワーグナーという人物については「音楽のためなら世界にあるもの全てをどんな形であっても使っていく。そこにルートヴィヒが現れた。そして、今のご時世では許されない関係ですが、コージマに支えられてきた。ワーグナーは幸せだったと思います。彼らのエネルギーや愛、夢がこのミュージカルを支えているように思います」と言及した。

エリザベート役の夢咲は「エリザベートは、ミュージカルがお好きな方は一度は聞いたことがある人物なので、最初はプレッシャーもありました」と本音を吐露しながら、「今回は実の家族や親戚に対して見せていた一面を表現できるので、新たな表現でお見せできると思います。ルートヴィヒが唯一本音で話せる相手なので、そこに希望や光を感じてもらえたらと思います」と思いを述べた。

コージマ役の梅田は「コージマは自分のためじゃなく、人のために生きることに幸せを感じる人。私自身は、人のためよりも自分のために生きて、考えてきたので(コージマ役は)難しいなと思ったのですが、別所さんをそばで支えられてよかったです。稽古場では、逆に別所さんに支えられてきました(笑)」とコメントした。

さらに、新作のオリジナルミュージカルを作り上げる苦労を聞かれると、橋本は「僕は王様になったことがないので、王様ってどんな気持ちなんだろうとは思いました。王様はお金持ちで何でも買えて有言実行できる。でも、現代の僕たちにはなかなかできることではない。ただ、お金はあってもワーグナーの情を買うことはできなかった。それが買えたら、きっと楽だったと思います。(お金で情を買えないというのは)それは僕たちも分かることなので、面白いと思いました」と語った。そして、早くも橋本からは、再演の希望も飛び出し「絶対やります。日本発のミュージカルの代表作が『スワンキング』になって欲しいので、もっともっとレベルアップさせたいと思います」と宣言した。

最後に、橋本は「僕は普段、神社にお参りしてから初日を迎えるのですが、今回は、神社じゃなく、皇居の周りの池の白鳥に挨拶してきました。それくらい気合いも入っています。最後まで安全にみんなで突っ走っていけたらと思います」と意気込んだ。

ミュージカル『スワンキング』は、6月8日(水)から6月17日(金)まで東京・東京国際フォーラム ホールC、7月1日(金)から7月3日(日)まで大阪・オリックス劇場、その後、愛知・福岡を巡演。上演時間は一幕80分、休憩20分、二幕60分の計2時間40分を予定。

(取材・文・撮影/嶋田真己)

ミュージカル『スワンキング』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2022年6月8日(水)~6月17日(金) 東京国際フォーラム ホールC
【大阪公演】2022年7月1日(金)~7月3日(日) オリックス劇場
【愛知公演】2022年7月9日(土)~7月10日(日) 刈谷市総合文化センター 大ホール
【福岡公演】2022年7月17日(日)~7月18日(月) キャナルシティ劇場

スタッフ・キャスト

【脚本・詞・演出】G2
【音楽】萩野清子
【振付】KAORIalive

【出演】
橋本良亮(A.B.C-Z)
別所哲也
梅田彩佳
渡辺大輔
今江大地(関西ジャニーズJr.)
牧田哲也
夢咲ねね

中井智彦 藤井奈那 天宮良

朝隈濯朗 彩橋みゆ 荒田至法 大音智海 加賀谷真聡 河合篤子 後藤晋彦 島田彩 俵和也
堤梨菜 安福毅 山田裕美子

【公式サイト】https://www.swanking.jp/
【公式Twitter】@swankingjp






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