90分に込めた「明日は幸せ」生誕100周年を迎えたミュージカル『アニー』が開幕


丸美屋食品ミュージカル『アニー』が、2022年4月23日(土)に東京・新国立劇場 中劇場にて開幕する。劇中でアニーの出征証明書にある誕生日が1922年10月28日と記されていることから、今年はアニーの生誕100周年の記念すべき年として注目を集めている。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、会見にはアニー役の山崎杏と山本花帆、ウォーバックス役の葛山信吾、ハニガン役のマルシア、グレース役の笠松はる、ルースター役の財木琢磨、リリー役の島ゆいかが登壇した。

昨年はコロナ禍の対策として90分(休憩なし)の特別バージョンで上演を予定していたが、公演の日程が緊急事態宣言の期間と被ったことで、初日が千秋楽となり涙を呑んだ。今年も特別バージョンはそのまま引き継ぎ、感染症対策を講じたスタートとなった。

Wキャストのチーム名は、“チーム・バケツ”と“チーム・モップ”を引き続き使用。ゲネプロに臨んだ“チーム・モップ”のアニー役・山本は初日に向けて「明日が初日ということで、稽古でがんばってきたことを全て出し切りたいと思います」と力強く宣言し、初日の昼公演を務める“チーム・バケツ”のアニー役・山崎は、「体調管理をして体を整えて初日に臨みたいです」と笑顔を見せた。

久しぶりのミュージカル出演となる葛山は「稽古中からダンスや歌で皆さんにご迷惑をおかけした部分があるのですが、最後まで2人のアニーをはじめとした共演者やスタッフに囲まれて、楽しんで演じていけたらなと思います」とコメント。

2017年からハニガン役として活躍するマルシアは「ドキドキとワクワクが重なり合っています。ここ2年間複雑な想いでしたが、今回は最後まで走れるよう精一杯がんばりたいと思います」と胸の内を明かした。

昨年の公演中止を経験した笠松は、コロナ過での大変さを回想しながら「日々の感染症対策をみんなでがんばりながら、検査のたびにドキドキして、また去年みたいに直前で止まってしまうのではないかと思いながらここまできたので、まずはこうして今日を迎えられることを感謝。このまま最後までみんなで元気に走り抜けたいです」と述べた。

初出演の財木は、「無事に開幕できることに改めて幸せを噛み締めているところです。この作品がなぜこんなにも長い間愛され続けているのか、見ていただければ必ず分かると思います。毎公演お客様の心にアニーの素晴らしさが届くよう、真心込めて、楽しんで演じていきたいと思います」と気合十分。

同じく初出演の島は「子供たちのこの作品が大好きといった気持ちやアニーを愛しているという想いが溢れていて、お芝居がとてもキラキラしていている。その輝きをより輝かせるためにも、改めてリリー役をがんばりたいです」と、共演者からも刺激を受けている様子だった。

稽古を振り返り、山本は「歌やダンス、演技など色々なことをしなければいけないので、全てをこなすのがとても大変でした」、山崎は「アニーは心の動きが多くて、心の中で思っていても外に出ない部分があるので、そういう部分を表に出るようにするのが苦労しました」とそれぞれ苦心した点を挙げた。

話はコロナ過特有の苦労話に移り、マルシアは「稽古中ずっとマスクをつけておりましたので、相手の芝居も目からしかわからなかったのは難しかったです」と述べると、続けて「逆に、マスクを取って舞台で歌をやると、背筋と肺活量が鍛えられた気がする」と思わぬ収穫もあったことを明かし、会場の笑いを誘った。

マスクを外して芝居をするのはゲネプロの前日からだったと語る葛山は「稽古場とは違うみんなの表情が見えて、新しい感覚。2日間で色々な面が見えました。ここから芝居を育てるということを楽しみにやっていきたい」と総括した。

誰しもが一度は耳にしたことがある楽曲が生オーケストラで奏でられ、『アニー』の魅力がぎゅっと詰まった、観る人全てに希望と元気を与えてくれる極上の90分となっている。

2022丸美屋食品ミュージカル『アニー』は、5月8日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演。その後、宮城・大阪・金沢・名古屋を巡演。日程は以下のとおり。

【東京公演】2022年4月23日(土)~5月8日(日) 新国立劇場 中劇場
【宮城公演】2022年8月7日(日) 名取市文化会館 大ホール
【大阪公演】2022年8月11日(木・祝)~8月14日(日) シアター・ドラマシティ
【金沢公演】2022年8月20日(土)~8月21日(日) 金沢歌劇座
【名古屋公演】2022年8月26日(金)~8月28日(日) 愛知県芸術劇場大ホール

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)




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