古屋兎丸に聞く舞台化への期待『アマネ†ギムナジウム オンステージ』ビジュアル撮影レポート


2022年4月から5月にかけて上演される『アマネ†ギムナジウム オンステージ』。本作は、「ライチ☆光クラブ」や「帝一の國」などで知られる古屋兎丸の人気コミック「アマネ†ギムナジウム」を初舞台化するもの。本記事では、原作者の古屋が見守る中で、フィリクス・シュルツ役の大城ベイリ、ヨハン・ベルク役のとまんが臨んだビジュアル撮影の模様をレポートする。

「アマネ†ギムナジウム」とは?

「アマネ†ギムナジウム」は、「月刊モーニング・ツー」(講談社)で2017年から2020年にかけて連載された作品で、今回が初のメディアミックス化となる。登場するのは、7体の球体人形たち。派遣社員をしながら人形作家をしている宮方天音(27歳)が、「ギムナジウム」をテーマに作り上げた人形たちは、ある秘密から動き出す。

中2の頃に思い描いた理想の「ギムナジウム」の世界に入り込む天音。少年たちの青春を眺めて喜んでいたが、彼女が作った「設定」のせいで少年たちの間には大きな亀裂が生まれることとなり・・・。

『アマネ†ギムナジウム オンステージ』の撮影現場レポート&インタビュー

フィリクス、ヨハン役以外の人形を演じるキャストは、「プレッツェル」と「バウムクーヘン」の2チーム制に。テオ役を秦健豪と弦間哲心、ゼップ役を松田昇大と中嶋健、ダミアン役を深澤悠斗と広井雄士、オットー役を本間一稀と星豪毅、エルマー役を矢代卓也と土屋翔が、それぞれWキャストで演じる。

ビジュアル撮影で、2人に最も求められていたのは「人形感」を出すこと。表情の作り方から顔やつま先の角度、目線の強さなど、コミックスの表紙と見比べながら細かく調整が行われた。

特にこだわっていたように感じたのは「関節の向き」。「球体関節人形」である「少年たち」を表現する上で、最も重要なオーダーだ。撮影の中では、試行錯誤する二人に原作者の古屋が「手はこういう感じだよ」と例を示しサポートする場面も。その的確なアドバイスを2人はすぐに自分のものにし、不思議な「人形感」を生み出していった。

本作のキャストはオーディションにより選出された。演出の小林と共にオーディションにも参加したという古屋は「彼らを選んで正解だったと思いました。フィリクスとヨハンはメインとなるキャラクターなので、この2人の立ち姿はすごく大事で。ビジュアル撮影を見て、この2人だったら大丈夫とさらに自信が持てました」と、仕上がりに太鼓判を押していた。

最初は全キャラクターWキャストを想定していたが、満場一致で「この2人は固定でいきたい」と決定したそう。「Wキャストを相手にするのは本当に大変だと思いますが、がんばって乗り切ってもらおうと。それぐらい、この2人しか考えられなかったんです」と古屋。

そんなハマりっぷりを見せていた2人だが、実は、大城はフィリクス役ではなく別の役として参加していたという。「最後に兎丸先生から『フィリクスとして本を読んでみて』と声をかけていただき、こういうご縁をいただきました」と、驚きと喜びが入り混じった合格だったことを明かした。

そして、「フィリクスって、頭が良く運動神経もいいキャラクターなんですよね。僕、真逆で・・・(笑)。でも、原作の中で一番共感できたのはフィリクスでした。Wキャストのみんなと作ることでそれぞれ味が変わるとは思いますが、僕にしかできないフィリクスを演じられたらと思います」と意気込む。

一方、とまんは「今までもオーディションをいろいろ受けてきのですが、実はこれが役者として認めてもらって初めて合格をいただけた役だなと感じました。兎丸先生の作品ももともと大好きだったので、ダブルの喜びがありました」と初めて役を得た喜びを振り返った。

ヨハンは“両性具有”という設定の難しい役どころ。メディアで“ジェンダーレス男子”として取り上げられることも多いとまんは「ヨハンとは状況が違いますが、それでも重なる部分もある気がして。これは自分がやり遂げるしかないと思いました」と一層想いを強くした様子。

原作については、「兎丸先生の作品は、男性と女性、強さと弱さ、生と死など、相対するものがきれいに描かれているなと思っていました。この作品も、人形なのに物語の中では人間として生きていますし、ヨハンは“両性具有”。ファンタジーの中に相反するものがぎゅっと詰まっていて、一気に引き込まれて、終始胸が苦しかったです」ととまん。

「読み始めたら止まらなくて、朝4時半までかけて一気に読みました」という大城は、「不思議な世界に入り込んでしまう話って、大体主人公は巻き込まれる側だと思うんですが、この作品では不思議な世界を生んだ天音がずっと中心にいるんですよね。それがすごく面白くて」と語った。

古屋が本作を描くきっかけも、まさにそこにあった。「女性は30歳前後になると、仕事などから生じる軋轢から、子どもの頃に好きだったものの世界には浸っていられなくなる。大人として生きていかなければならないけれど、良い距離感で好きなものとつきあっていくことが必要なのでは」といった話を人から聞いたことが、この作品を描くきっかけになったという。

さらに、古屋は「僕にとっては、天音の造形が一番大事でした。天音がどういう人物なのか、どういう過去を背負っているのか。連載をしている時は全てのストーリーを決めて描いているわけではなく、天音の物語が動きそうかどうか。そこから、人形の少年たちを考えていきました。キャラクター作りにおいては、ちょっと特殊な考え方かもしれないですね」と明かす。

なお、この舞台で天音役となるのは“観客”である。つまり、古屋が根幹とした部分を舞台では観客に委ねることとなるのだ。この提案は、演出の小林から出たものだったそうで、古屋は「顕作さんから、お客さんに天音になってもらう、その目の前で少年たちの世界が繰り広げられる、そんな体験型の舞台にしたいという話を聞いた時は、すごく新しいなと思いました。未知数だけど、顕作さんならエンターテインメントとしてめくるめく夢の世界にいざなってくれるんじゃないでしょうか」と期待を寄せていた。

また、今回は作品をコンパクトに一つの演劇として描きたいという意向もあったそう。「出てこないキャラクターもいます。なので、(舞台では)何を選択して、何を選択しないか、というチョイスもおもしろいなと思いました」

古屋の作品を小林の演出で舞台化するのは學蘭歌劇『帝一の國』シリーズに続いてとなる。今回の舞台化について、「何よりも顕作さんと一緒に何かできることが嬉しかったです。舞台化となると“原作の先生”として遠慮して扱ってくださるところもあるんですけど、顕作さんはファミリーとして迎え入れてくれる感じなんですよ。顕作さんの現場は本当に楽しい」とコメント。

「はっちゃけた芝居から泣かせる芝居まで、すべてにおいてプロフェッショナルに作る方なので、すごく信頼しています。それが分かっているから、顕作さんも遠慮なく僕に『劇中用の絵を描き下ろして』とか、求めてくるんですけど(笑)。僕もできることはなんでも協力したいと思っていますので。僕自身も、作品を舞台化していただくのは久々なので、すごく楽しみにしています」と語っていた。

『アマネ†ギムナジウム オンステージ』は、4月22日(金)から5月15日(日)まで東京・Mixalive TOKYO Theater Mixaにて上演される。

取材/エンタステージ編集部 1号
衣裳/農本美希(エレメンツ,アッシュ)<大城、とまん> ヘアメイク/小竹珠代

 

『アマネ†ギムナジウム オンステージ』公演情報

上演スケジュール・チケット

2022年4月22日(金)~5月15日(日) Mixalive TOKYO Theater Mixa

スタッフ・キャスト

【原作】古屋兎丸「アマネ†ギムナジウム」(講談社モーニング KC)
【脚本】渡辺雄介
【演出】小林顕作

【出演】
フィリクス・シュルツ:大城ベイリ
ヨハン・ベルク:とまん

「プレッツェル」「バウムクーヘン」
テオ・アプフェル:秦 健豪/弦間哲心(Wキャスト)
ゼップ・ジングフューゲル:松田昇大/中嶋健(Wキャスト)
ダミアン・ベーゼンマン:深澤悠斗/広井雄士(Wキャスト)
オットー・グーテンゾーン:本間一稀/星豪毅(Wキャスト)
エルマー・クーヒェン:矢代卓也/土屋翔(Wキャスト)

アマネ美ヨングス:小黒直樹、玉元風海人、高橋陸人
※「アマネ美ヨングス」とは、天音のギムナジウムをより華やかにするため生み出されたクラスメイトの総称

シュペツィエル(特別な)おもてなし企画

第1弾★A・M・A・N・E † レヴューショー 全32公演で開催

アマネ†ギムナジウム オンステージでは、7体の球体関節人形たちの生みの親、人形作家の宮方天音は観劇される観客。
全32公演のラストで、レヴューショーを開催。
原作の世界観はそのままに、演出・作曲の小林顕作の楽曲にのって少年たちが歌い踊る特別な時間。
ペンライトOK。うちわOK。
舞台オリジナルの各キャラクターイメージカラーは公式サイトにてご確認を。

第2弾★シュペツィエル ♰ 撮影タイム

A・M・A・N・E ♰ レヴューショーは、観客の携帯・スマホで写真撮影OKに。
また、他にも写真撮影OKシーンがあるかも・・・とのこと。
写真撮影時の注意事項、ルールは後日案内があるため、必ず確認して臨もう。

第3弾★Live Cafe Mixaとコラボ決定

「Mixalive TOKYO」内9階の「Live Cafe Mixa」にて、アマネ†ギムナジウム オンステージの世界観を再現したコラボカフェを期間限定で開催。
開催期間は4月22日(金)から5月15日(日)まで。

第4弾★アフターイベント「放課後†ギムナジウム」を全32公演で開催

公演終了後、チケットをお持ちの方はそのまま参加が可能。
毎公演後、おもてなし担当キャストが登場し、ゲーム企画やお見送りなど日替わりの内容を贈る。
担当キャストなどの詳細は公式サイトにてご確認を。

また、来場者特典としてシュペツェル学生証カードの配布も決定。来場者には公演オリジナルのギムナジウム学生証カードがプレゼントされる。
一部の日程ではシークレットカードの配布も・・・。どんなデザインかは当日までのお楽しみ。
<シークレットカード配布デー>
4月26日(火)18:00公演/5月5日(木・祝)17:00公演/5月6日(金)18:00公演/5月10日(火)18:00公演

※来場者特典はランダム配布
※シークレットカード配布デーでは、シュペツェル学生証カードの配布はなし
※場内でのトレーディング行為は禁止

ライブ配信

初日公演、千秋楽公演が「Streaming+」にてライブ配信が決定。

【対象公演】
★初日公演 ※アフターイベント配信あり
4月22日(金)18:00 チーム:プレッツェル
4月23日(土)17:00 チーム:バウムクーヘン

★千秋楽公演 ※アフターイベント配信なし
5月15日(日)12:00 チーム:プレッツェル
5月15日(日)17:00 チーム:バウムクーヘン

【配信内容】ライブ配信+1週間のアーカイブ視聴
【販売価格】3,700円(税込)
【販売期間】2022年4月15日(金)12:00~各見逃し配信終了の2時間前まで
【購入ページ】https://eplus.jp/stage_amane/

【公式サイト】https://www.nelke.co.jp/stage/amane-gymnasium-onstage/
【公式Twitter】@stage_amane
【公式Instagram】stage_amane

(C) 古屋兎丸・講談社/アマネ†ギムナジウム オンステージ製作委員会



チケットぴあ
古屋兎丸に聞く舞台化への期待『アマネ†ギムナジウム オンステージ』ビジュアル撮影レポート
最新情報をチェックしよう!
テキストのコピーはできません。