『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」


2022年3月21日(月・祝)に東京・東京芸術劇場 シアターイーストにて『サロメ奇譚』が開幕した。本作は、芸能生活30周年を迎えた朝海ひかるを主演に、オスカー・ワイルドの名作『サロメ』を、現代に置き換えて描く作品。開幕にあたり、出演者コメントと舞台写真を紹介する。

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

脚本は演劇ユニット「ブス会*」を主宰するペヤンヌマキ、演出は文学座の稲葉賀恵が担当。『サロメ』は、朝海から周年記念公演について相談を受けた稲葉が、宝塚時代から彼女に受け続けている「耽美」な印象を引き出すべく提案したという。

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

サロメはなぜ預言者の首を求めたのか。若さゆえの無垢な欲望なのか、心に潜む闇の現れなのか。サロメの奇怪な望みを謎解くべく、彼女の生い立ちと彼女を取り巻く家族に焦点を当て、とある一家の一晩に起きた出来事として描いた。

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

サロメ(朝海)は、両親に心底うんざりしていた。血の繋がりのない義父ヘロデ(ベンガル)は常に自分を性的な目で見ており、下品な言動を繰り返す。実の母であるはずのヘロディア(松永玲子)も、サロメに過度な「女らしさ」を求め、一方で彼女の美しさに嫉妬していた。ある晩、実業家で資産家でもあるヘロデの還暦祝いが彼の豪奢な邸宅で開かれていた。

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

地元の名士が集う中、突然預言者ヨナカーン(牧島輝)の声が響く。彼は「権威ある者の破滅」を予言する。ヘロデはすぐにヨナカーンを捕らえるが、一方でサロメは彼に急速に惹かれてしまう。誰もが知る「悲劇」へと、歯車がゆっくりと回りだしてゆくが・・・。

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

現代に置き換えた設定と、元宝塚歌劇団雪組トップスターとして、退団後は女優として経験を重ねてきた朝海が演じるからこそ、にじみ出るリアリティ。「性」に向けられる視線、母娘関係が生むストレスなど、現代にも通じる等身大の女性として、物語の中にサロメを息づかせていた。

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

『サロメ奇譚』は、3月21日(月・祝)から3月31日(木)まで東京・東京芸術劇場 シアターイースト、4月9日(土)・4月10日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。上演時間は約90分を予定。

『サロメ奇譚』開幕!芸能生活30周年を迎えた朝海ひかる「現代の私たちにも共鳴できる作品」

なお、3月26日(土)17:00公演にてライブ配信が決定した。アーカイブ付で3月28日(月)23:59まで視聴可能。配信のみ4,000円、パンフレット郵送サービス付が6,000円。購入は3月28日(月)22:30まで購入可。詳細は公式サイトにてご確認を。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

コメント紹介

◆朝海ひかる(サロメ役)
『サロメ奇譚』いよいよ幕が開きます。
この一ヶ月、脚本家のペヤンヌさん演出家の稲葉さんはじめスタッフの方々、そしてキャスト全員で作り上げてきました。オスカー・ワイルド版『サロメ』のビターなところは残しつつ、現代の私たちにも共鳴できる作品になっていると思います。
ぜひ劇場へ足をお運びください。お待ちいたしております。

◆松永玲子(ヘロディア役)
ちょうど2年前、最初の緊急事態宣言直前に私はこの東京芸術劇場 シアターイーストでの公演が初日前日に自粛要請で中止になりました。カンパニーや作品は違えど、この劇場に再び立つことができるのは、喜び一入と同時に身の引き締まる思いです。あの日、まさか2年後もこんな状況だとは思わなかったし、世界はより深刻な方向へと進んでいます。暗いニュースの多い中、お客様を違う世界へお連れすべく精一杯つとめます。

◆牧島輝(ヨカナーン役)
今回は預言者ヨカナーンという役を演じる上での課題の一つとして、魅力というものについてずっと考えていました。現れただけで空気を変える存在感。幻想的で魅惑的な声。ある人には希望を、ある人には絶望を、そんな影響を与えられる人はどんな人なんだろうとずっと考えていました。正直答えは出ていないです(笑)!!探し続けています!!
ただ、何者なのか分からないこともヨカナーンの魅力の一つなんだと思います。
どんなヨカナーンを演じるのか、あなたの目にはヨカナーンがどう映るのか、楽しんでもらえたら嬉しいです!

◆ベンガル(ヘロデ役)
あの世界的に有名な悲劇『サロメ』を今をときめくペヤンヌマキさん・稲葉賀恵さんが作・演出を手掛け、設定を現代の日本に置き換えてお送りする画期的な意欲作です。
悲劇の中に必ず存在する喜劇的要素を楽しんで頂けたら最高です。

『サロメ奇譚』公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2022年3月21日(月・祝)~3月31日(木) 東京芸術劇場 シアターイースト
【大阪公演】2022年4月9日(土)・4月10日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

スタッフ・キャスト

【原案】オスカー・ワイルド「サロメ」
【脚本】ペヤンヌマキ
【演出】稲葉賀恵(文学座)

【出演】
朝海ひかる
松永玲子(ナイロン100℃) 牧島輝 ベンガル
東谷英人(DOLL-COLORED POP) 伊藤壮太郎 萩原亮介

【公式サイト】https://www.umegei.com/schedule/981/



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