『ラヴ・レターズ』溝口琢矢と仙名彩世、11年後し岡本健一と奈良岡朋子の組み合わせで


2020年8月に30周年を迎えた朗読劇『ラヴ・レターズ』。31年目に入る2022年には、2月に2組のカップルで上演されることが決定した。2月3日(木)には溝口琢矢と仙名彩世、2月7日(月)には岡本健一と奈良岡朋子の組み合わせで上演される。

岡本と奈良岡は、2011年に上演した組み合わせ。今回、11年越しの再演にして、この組み合わせでの上演は最後となる。

奈良岡の演技に岡本が感銘を受け、劇団民藝で二人芝居を上演するなど、師弟関係ともいえるような強い絆で結ばれた2人。92歳の奈良岡自身も、1994年に愛川欽也と初めて出演して以来、出演を重ねてきた『ラヴ・レターズ』への出演はこれが最後と語っており、万感の思いを込めた公演になるだろう。

『ラヴ・レターズ』が描くのは、手紙で綴られる2時間のドラマ。舞台上にはテーブルと二脚の椅子が置かれるのみで、並んで座った男女が手にした台本を読み上げるだけ。大掛かりな仕掛けも、目をひく照明や音響もない。シンプルゆえに、俳優によって、観客によって、同じ作品とは思えないほど全く新しく生まれ変わる。

初演されたのは、1989年のニューヨーク。その後、全世界で上演され、日本でもPARCO劇場にて1990年8月19日に幕を開けて以来30年間、この一つの台本を、年齢も個性も異なった様々な延べ507組のカップルが読み続けてきた。

残念なことに、2017年9月に、26年間本作品の翻訳・演出家として469回の『ラヴ・レターズ』と共にあった青井陽治が死去。しかし、その想いは演出家・藤田俊太郎が大切に受け継いでいる。

チケットは、2022年1月22日(土)より一般発売開始。

コメント紹介

◆藤田俊太郎(演出)
これまでの上演の中で、402回目に登場したのが岡本健一さんと奈良岡朋子さんです。“同年代の2人が出演する”という慣習となっていた上演の在り方を塗り替え、レジェンドとなったお二人が再び『ラヴ・レターズ』に挑戦します。またフレッシュで気鋭の溝口琢矢さん、仙名彩世さんカップルと共に、31シーズン目の新たな1ページを演出していきたいと思います。観客の皆様にはいつの時代も変わらない手紙のやりとりの愛や慈しみを感じていただけたら幸いです。

◆溝口琢矢
過去500組以上のカップルによって読み続けられてきた『ラヴ・レターズ』。この度お声をかけて頂けたことに感謝すると同時に、ご一緒させて頂く仙名彩世さんと共に、素敵なラヴ・レターズを紡ぎたいと思います。

◆仙名彩世
長く愛され続けるこの作品に携われること、ただただ嬉しく思います。「手紙」って、私にとって特別なもので・・・元気がほしい時に読み返すこともあるんですよね。大切に物語を紡いでいきたいです。一度だけの舞台、とても楽しみにしています。

◆岡本健一
2011年の2月に念願が叶って初めての奈良岡さんと共演。一回しかない本読み稽古の時、私は舞台役者の神髄を知りました。目の前で体感しました。その声、それはそれは見事でした。冒頭から、当時80歳を過ぎた奈良岡さんが幼馴染みの無邪気な女の子にしか聞こえなかったのです。そこから物語が進み、時代が過ぎて行く全ての情景、不思議なことに成長していくメリッサの姿までが、頭の中、心に浮かび上がっていました。

同時に自分の下手くそさと伝わらなさを感じました。奈良岡さんには「あなた何にも出来てないわよ」と言われ、私は「すみません。ちゃんとした舞台役者になりたいんです!今までもやってきて、それなりに評価もあったから自分勝手に自信を持っていて、今に至ると思っていたのですが、奈良岡さんと本読みをして、ハッキリと自分は基本が出来ていない、これは駄目だ、舞台役者でもなんでもないことに気付きました。舞台役者になるために必要な事を教えてください!お願いします!そして『ラヴ・レターズ』の本番では、ちゃんと存在します」なんて思いを伝えました。有り難いことに奈良岡さんは受け止めてくれて、短時間で基礎を叩き込まれ、自主稽古をして1週間後に本番に挑みました。

40歳の歳の差カップルの私たちの公演は、後になって伝説になっていることを演劇関係者に聞きました。自分でもそうだと思うというくらいに、アンディーとメリッサでした。今回、奈良岡さんの「10年を経た私たちで、『ラヴ・レターズ』をやらない?やってみたいのよ!」という言葉を聞き、驚きと喜びが溢れ、ぜひともお願いします!と今に至ります。心から感謝します。

10年を経た私達はどんな二人になるのか、この哀しみに満ちた愛の物語は、何処へ行くのだろうかという未知の世界に、気持ちが上昇して行きます。

◆奈良岡朋子
岡本さんと会うと芝居の話が尽きません。どうしても舞台から離れられない二人のようです。11年ぶりの『ラヴ・レターズ』でどんな世界が描けるのか、2月7日が今から楽しみです。

【公式サイト】https://stage.parco.jp/

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