キンプリ神宮寺勇太、舞台単独初主演で三島由紀夫の代表作「近代能楽集」に挑む


2021年11月から12月にかけて、King & Princeの神宮寺勇太を主演に三島由紀夫の「近代能楽集」から『葵上』『弱法師』の上演が決定した。神宮寺は、これが舞台単独初主演にして、初のストレートプレイ挑戦となる。演出は宮田慶子。

三島由紀夫は、小説家としての活動にとどまらず、劇作家としても『鹿鳴館』や『サド侯爵夫人』など、数多くの作品を生み出してきた。「近代能楽集」は、全八編の短編戯曲から成る三島の代表作。早くから謡曲にも親しんでいた三島が「能楽の自由な空間と時間の処理や、露わな形而上学的主題などを、そのまま現代に生かすためにシチュエーションを現代化」したといわれる作品だ。

その中の一編『葵上』は、「源氏物語」を原典に、能楽、そして近代劇へと移り変わりながらも時代を超えても変わることのない、嫉妬や欲望、情念など、心の内に秘められた闇を生々しくも幻想的に描いた作品で三島自身が「一番気に入っている」と語る魂魄の劇。

さらに『弱法師』は終末観に腰を据えた青年が、いかに大人の世界に復讐するかを軸に、滑稽にも見える両親とのやり取りと、主人公がこの世の終わりを語る長台詞、現実的なもの全てに対する敗北を表す最後の台詞が印象的な作品。本作では、この二作品を連続上演する。

神宮寺は、『葵上』では美貌の青年・若林光役、『弱法師』では戦火で視力を失った二十歳の青年・俊徳役を演じる。2019年、2020年に上演された『DREAM BOYS』で、主人公の親友でありライバル、そして病を抱える難しい役柄を演じきった神宮寺が、繊細なこの2役をどう演じきるか、注目だ。

そして、『葵上』では光のかつての恋人・六条康子役、『弱法師』では俊徳を救おうとする調停委員・桜間級子役として中山美穂が出演。中山は、2016年の『魔術』以来5年ぶりの舞台出演となる。

このほか、『葵上』には、佐藤みゆき、金井菜々、『弱法師』には篠塚 勝、木村靖司、加藤 忍、渋谷はるかが参加。

『葵上』『弱法師』-「近代能楽集」より-は、11月8日(月)から11月28日(日)まで東京・東京グローブ座、12月1日(水)から12月5日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。

コメント紹介

◆宮田慶子
美しく格調高い台詞で織り上げられた三島由紀夫氏の戯曲は、同時に人間そのものに対する、冷徹で、時に辛辣なまでの深い洞察力に貫かれています。能の謡曲をもとに、その特色である「自由な空間と時間の処理」を生かして書かれた「近代能楽集」は、時を越えてなお、その演劇的輝きを失いません。
『葵上』と『弱法師』は、どちらも魂の自立を求めて揺れ続ける青年がドラマティックに描かれます。一筋縄でいかないこの二人の青年に、神宮寺勇太さんが挑戦します。純粋さと毒気を描き出してくださることを楽しみにしています。そして両作品を、魅力あふれる中山美穂さんが支えてくださいます。時空を行き交う、感性を揺さぶる舞台にしたいと思います。

◆神宮寺勇太
今回、初めて単独での主演舞台をやらせて頂くことを聞いた時、心臓のビクン!とする音が聞こえました。主演として舞台に立たせていただける喜びと、自分にどこまで出来るのかな?という思いが同時に駆け巡りました。ストレートプレイに挑戦させて頂くのも初めてですし、色んなことが初めてづくしな作品になります。
『葵上』と『弱法師』の2作品の役を演じることは、決して簡単ではないと思いますが、この2つの作品を演じ切ることができた後に演じることの楽しさや、表現の幅が広がっているように、全身全霊で稽古に臨みたいと思います!
来ていただけるお客様に今まで見た事のない、神宮寺勇太を大放出したいと思いますので、よろしくお願いします!

◆中山美穂
長い芸能生活の中で、お芝居の舞台というのは1度しか経験が無く、正直不安でいっぱいです。古典文学から近代劇にされた三島作品2作ですから、尚更歴史の重みを感じています。人間の奥深い感情を、ストレートに演じることになると思うのですが、演出の宮田さん、キャストの皆さんと丁寧に思いを込めて演らせて頂きます。何より、足を運んで下さるお客様に満足頂ける『葵上』、『弱法師』をお届け出来るよう、努めて参ります。よろしくお願いします。

『葵上』『弱法師』-「近代能楽集」より- 公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2021年11月8日(月)~11月28日(日) 東京グローブ座
【大阪公演】2021年12月1日(水)~12月5日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

スタッフ・キャスト

【作】三島由紀夫
【演出】宮田慶子

【出演】
神宮寺勇太(King & Prince) 中山美穂
篠塚勝 木村靖司 加藤忍 渋谷はるか 佐藤みゆき 金井菜々

あらすじ

『葵上』
深夜の病院の一室。
若林光は入院する妻・葵の元を訪ねる。看護婦から、真夜中になると見舞いにやってくるブルジョア風の女のことを聞かされる。 光が病室にいると、かつて光と恋仲であった六条康子が現れた。毎晩、葵を苦しめていたのは康子の生霊であった。
康子の生霊は、再び光の愛を取り戻そうと昔の思い出を語り出す。次第に、光は葵のことを忘れそうになるが、葵のうめき声で我に返り、康子を拒絶する。康子の生霊は消えていったが・・・。

『弱法師』
晩夏の午後。家庭裁判所の一室。2組の夫婦が、俊徳の親権を争っている。
高安夫妻は俊徳の生みの親である。俊徳が戦火で両親とはぐれ、火で目を焼かれて失明し、物乞いをしていたところを川島夫妻に拾われた。それぞれに権利を主張するも、俊徳はそれを嘲笑し、育ての親は奴隷、生みの親は救いがたい馬鹿だと言い放つ。
平行線をたどる話し合いに業を煮やして、調停委員である桜間級子が俊徳と二人だけで話をすることになり・・・。

【公式サイト】https://www.aoinoue-yoroboshi.com



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