衛星劇場「パタリロ!の日」舞台3作品一挙放送に向けて加藤諒「地球上にいるすべての人に観てほしい」


これまでに、3作品が上演されてきた舞台「パタリロ!」。その3作品が8月22日(日)に衛星劇場にて一挙放送される。今年1月に上演された舞台「パタリロ!」~霧のロンドンエアポート~は、これがテレビ初放送。これについて、加藤諒の話を交えながら紹介する。

「パタリロ!」は、1978年に「花とゆめ」(白泉社)で連載が始まり、1982年にはアニメ化もされた魔夜峰央の作品。掲載誌を同社の「別冊花とゆめ」「メロディ」に移し、現在は総合エンタメアプリ「マンガ Park」で連載されている。マリネラ王国国王パタリロ・ド・マリネール8世(通称:パタリロ)が周囲を巻き込んで起こす騒動を描く様子をギャグタッチで描き、人気を博してきた。

舞台は、池田テツヒロの脚本、小林顕作の演出で、2016年に初演を迎え、2018年に第2弾「★スターダスト計画★」を上演。2019年は舞台にとどまらず劇場版も製作されている。第3弾は、パタリロ役の加藤以外のキャストが一新され、原作屈指の人気エピソード「霧のロンドンエアポート」を舞台化した。

今回、TV初放送となる「霧のロンドンエアポート」は、今年1月に上演され、コロナ禍で先の見えない不安と戦いながらの日々だった。加藤も「誰一人欠けることなく千秋楽を迎えられたことに大きな感動がありました。お客様も不安の中にいたと思うんですが、応援してくださる声や笑い声を聞けた時、ものすごくパタリロ愛を感じました」と振り返る。それ故に、無事に千秋楽を迎えられた時は安堵と達成感から思わず涙してしまったそう。

また、「今までは(年齢が)座組の真ん中ぐらいだったんですけど、年下の方が多くなって。僕と年齢が近い中村中さんや小沢道成さんと“どう接したらいいか?”って話し合いをちょこちょこしていました(笑)」と、キャスト一新となったことで生まれた裏話も披露。

原作者である魔夜も「パタリロを演じられるのは加藤諒しかいない」と言っている。「霧のロンドンエアポート」では、千秋楽公演を観に来た魔夜に「ぜひいつか再演してほしい」と声をかけられたそうで、「これまでにも何度かお話をさせていただいてきたのですが、そんなことを言われたのは初めてだったのですごく嬉しかったです。『デミアンの話もまた書きたいな』とおっしゃっていたので、もしかしたら僕たちがみーちゃん先生(魔夜)の創作意欲に火をつけられたのではと、幸せな気持ちになりました」と教えてくれた。

3作演じ続けてきた役だが、演技に悩んだこともあった。その時、脚本・演出の小林から「パタリロは腹黒いでしょう?諒くんも腹黒いじゃん!だから普通にやればいいよ」とアドバイスをもらったと言い、「ドキッとしましたが(笑)。顕作さんにそう言ってもらえたから、どんどん挑戦してみようと思えました」と、役作りを振り返った。

また、小林は「原作に“寄せる”ことを意識しすぎるのではなく、原作をどんどん壊していったら、結果的に原作に近い舞台ができた」という作り方ができたらいいな」と言っていたそうで、「霧のロンドンエアポート」も舞台ならではの遊び心に満ちている。また、劇中歌のレコーディングはほぼ「一発録り」だったそう。加藤は「高音を出せずに僕の声が裏返ってしまったところがあるんですけど、それもOKになっています。顕作さん、恐るべし!と思いました(笑)」と明かした。記録に残る“ライブ感(?)”にも注目だ。

また、3作を通じて、加藤はバンコランとマライヒの関係にキュンキュンし続けているという。第1弾では、2人のキスシーンがあるが、公演を重ねる度に「どんどんキスシーンの時間が長くなっていったんですよね」と加藤。「『パタリロ!』という作品において、バンコランとマライヒのラブストーリーは重要な要素ですし、それを演じる役者さんたちもすごくピュアに演じていらっしゃいます。あの長いキスシーンは、その象徴だと思います」と語った。

また「★スターダスト計画★」は加藤も大好きなエピソードだと言い、「この作品には、『FLY ME TO THE MOON』というもう一つの人気エピソードも盛り込まれています。どちらもすごく感動的なお話で、パタリロとして心の底から泣くシーンがありました。その場面を演じられたことが、すごく嬉しかったです」とコメント。

今となっては昔の話だが、舞台化が決まる前は「パタリロ!は実写化不可能」と言われていた。加藤は、「僕自身も、始まる前はどうやって舞台でやるの?とワクワクドキドキしていましたが、いい意味でのチープさやアナログ感が魅力になったと感じます」と語る。特に、「ゴキブリ走法」の再現方法には「その手があったか!」と思わされた演出の一つだ。

「僕にとっても『パタリロ!』は初めて主演を務めさせていただいた舞台なので、ターニングポイントであり、一生演じ続けていきたい作品です」と言う加藤。「『パタリロ!』は原作も舞台もギャグ要素の強い作品ですが、その中に争いや恋愛・・・僕らが生きる現実世界と通ずるところがたくさんあります。もちろん架空の世界の話だけど、戦争や同性愛のことなどにも、少し目を向けていただく機会になったら嬉しいです」

最後に、放送に向けて「地球上にいるすべての人に観てほしい!コロナ禍で笑う機会が少なくなった人も多いと思うので、ぜひいっぱい笑ってほしい。作中にはいろんなキャラクターが登場して、みんなパタリロに振り回されていきます(笑)。皆さんもマリネラ王国の国民の一人になった気分で見ていただければ、より一層楽しめると思います!」とメッセージをくれた。

衛星劇場では、8月22日16:30から第1弾、18:15から第2弾「★スターダスト計画★」、20:15から第3弾「霧のロンドンエアポート」(TV初放送)が、続けてオンエアされる(13:30からアニメ映画、14:30から劇場版の放送あり)。

なお舞台版の一挙放送に先駆け、8月22日13:30からはアニメ映画「パタリロ!スターダスト計画」、14:30からは舞台版キャストが出演した「劇場版パタリロ!」も放送される。

詳細は、衛星劇場にて(https://www.eigeki.com/genre?next=1&category_id=7

(C) 魔夜峰央/白泉社 (C) 舞台「パタリロ!」製作委員会



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