『逃げるは恥だが役に立つ』太田基裕・立花裕大が読み解く朗読劇ならではの“ライブ感”


2021年8月11日(水)に東京・シアタークリエにて、恋を読む in クリエ『逃げるは恥だが役に立つ』が開幕した。人気漫画が生んだ“ムズキュン”を、朗読で表現する本作。再演となる今回は、2公演でライブ配信も行われる。事前に行われた合同取材会で、ライブ配信の対象公演に出演する太田基裕と立花裕大に話を聞いた。

原作は、海野つなみによる同名漫画で、連続TVドラマ化され大ヒット。舞台では、ラブストーリーの朗読劇シリーズ「恋を読む」第2弾として2019年に上演され、同シリーズ第4弾として再演されることとなった。脚本・演出を三浦直之(ロロ)が手掛け、朗読劇の枠に収まらない斬新なアイデアで、漫画、ドラマに続く第三の「逃げ恥」を作り上げた。

愛経験ナシ「プロの独身」サラリーマン・津崎平匡、派遣切りから無職になってしまったところ平匡のもとで家事代行をすることになった森山みくり、結婚にメリットを見いだせない平匡の同僚・風見涼太、みくりの母方の伯母・土屋百合。4人の登場人物は、回ごとに異なる出演者の組み合わせで上演される。

今回、太田は津崎平匡役、立花は風見涼太役として出演。二人は漫画で初めて“逃げ恥”の世界に触れたそうで、太田は「人間同士の濃く複雑な関係性を、いろんな要素を取り入れながら描いているなと考えさせられました。コメディなんだけど、いいバランスだなあと思いました」、立花は「繊細な気持ちのやり取りがすごくおもしろくて、一気に読んでしまいました」と、それぞれ作品の魅力に引き込まれたようだ。

太田と立花は、共にミュージカル『刀剣乱舞』シリーズに出演しているため、1月に行われたミュージカル『刀剣乱舞』五周年記念 壽 乱舞音曲祭で同じステージに立っていたものの、芝居として掛け合いをするのはこれが初めて。

以前から一方的に太田のことを知っており、尊敬していたと言う立花は「(稽古の)帰り道に一緒になった時は、めちゃくちゃ緊張しました。一緒に舞台に立つ身なんですけど、太田さんのお芝居を見るのがすごく楽しみです。太田さんは、ミザンス(立ち位置)付けとかもすごく素敵なんですよ!」と共演を喜ぶ。

太田は、「よく言うわ~(笑)」と照れながらも「以前から感じていた、立花くんの真面目さや実直さ、人間性は今回の役でもにじみ出ているなと感じます。役や相手が変われば、温度感や空気感が変わるから、立花くんの風見とそれを共有しながら、僕らしい平匡さんを演じることができたらいいなと思います」と語った。

太田と立花がそろって出演するのは、8月12日(木)14:00【組み合わせ:太田基裕/桜井玲香/立花裕大/シルビア・グラブ】と、8月15日(日)18:30【組み合わせ:太田基裕/仙名彩世/立花裕大/春野寿美礼】の2公演。
※太田は8月12日(木)18:30、8月15日(日)14:00にも出演
※ライブ配信は8月12日(木)14:00で実施

出演回の多い太田は、同じ作品でも相手が変わることで「発見が増えるし、勉強になるし、新鮮です。今回初めてご一緒する方もいらっしゃるので、どういう方なのかなって探るのは楽しいですね」と、朗読劇ならではの“ライブ感”を楽しんでいる様子。

一方、立花はこれが初めての朗読劇になる。「台本を見ながら演じるのが新鮮で・・・探り探りです(笑)。声の持つ力をすごく考えますし、そこにある可能性を感じました」と、初めての経験を噛み締めていた。

作品について語る二人が、度々口にしていた「共感」という言葉。“逃げ恥”には、様々な名言が出てくるが、太田は平匡の「システムの再構築」という言葉に「なるほどな」と共感したという。「コロナ禍で新しい生活をどう歩むという意味でも再構築は必要なことだと思いますし、自分自身の内面を見つめ直すという意味でも。今の自分にとっても必要な言葉だなと、胸に響きました」

立花は、自身が演じる風見が言った「百合さん僕のこときらいだったでしょう」という一言をピックアップ。「風見さん、大人だなあって思いました。大人の関係性だから、笑いながら言える。そういう二人の空気感がすごく素敵に思えましたし、好きだなと思ったんですよね」と、自分にない視点に気づいたと明かした。

また、ライブ配信が決まったことで様々な条件で劇場に足を運べなくなってしまった方にも、広く本公演を観てもらうことができるようになった。「(配信という手段ができて)制限なく観てもらえるようになったのは、いいことですよね。劇場に来ることを躊躇していた方も、配信ならと思ってもらえたら」と立花。

太田も「いつかドローンで撮影、とかもありえるよね(笑)。技術も自分もアップデートしていくことで、総合芸術みたいになっていくのかな。(カメラの存在も含めて)これを楽しんで演じることができたら、違うフェーズに行けるんじゃないかな。画面を通しても、何かが伝わっていればいいなと思います」と語った。

稽古では、朗読劇であり、動きはあっても触れ合うことができないことにもどかしさを感じたという二人。緊張感からくるドキドキも含めて“ムズキュン”に昇華できたら、と本番に備える。

「個々をどれだけ尊重できるかが、テーマだなと思います。家事を搾取と捉えたり、“愛”という言葉だけで片付けられていない人間同士の関わり方について、自分の中でも感じるものがありました。誰かが笑ったら誰かが泣いてる。どんな状況でもそれはあり得ることで、どう折り合いを付けていくかは当事者同士でしっかりと話し合って、理解し合わないと先に進めない。“逃げ恥”のムズキュンを楽しんでもらいながら、ご覧になった方にとって考えるきっかけになってほしいし、いろいろ感じ取ってもらえたらいいなと思います」と太田。

立花も「初めての朗読劇なので、今まで見せたことのないような自分を表現してみたいし、また違った化学反応を得ていい公演にできたらなと思いますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います」と、公演に向けて意気込んでいた。

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恋を読むinクリエ『逃げるは恥だが役に立つ』

ライブ配信は、KDDIの<uP!!!オンラインライブ>にて。上演時間は第一幕70分、休憩25分、第二幕60分の計2時間35分を予定。

<配信公演の出演者組み合わせ>
【8月12日(木)14:00公演】
太田基裕(津崎平匡役)、桜井玲香(森山みくり役)、立花裕大(風見涼太役)、シルビア・グラブ(土屋百合役)
チケット販売:8月20日(金)20:00まで
アーカイブ:8月12日(木)20:00~8月20日(金)23:59

【8月16日(月)18:30開演】
立石俊樹(津崎平匡役)、花乃まりあ(森山みくり役)、牧島輝(風見涼太役)、春野寿美礼(土屋百合役)
チケット販売:8月24日(火)20:00まで
アーカイブ:8月17日(火)00:00~8月24日(火)23:59
ライブ映像配信視聴券:https://up.auone.jp/articles/id/84633
※両日とも、アーカイブ配信最終日の23:59を過ぎるとその時点で視聴途中であっても視聴終了となる
視聴券料金:各回 3,500円(税込)
※Go Toイベント適用で各回2,800円(税込)に
※クレジットカード決済、auかんたん決済のみ

【公式サイト】https://www.tohostage.com/nigehaji/

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