“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート


2021年5月25日に東京・帝国劇場でミュージカル『レ・ミゼラブル』の初日会見が行われ、ジャン・バルジャン役の福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀、新たにエポニーヌ役に挑む生田絵梨花、テナルディエ役に臨む新キャストの六角精児、マダム・テナルディエ役の森公美子が登壇。プレビュー公演を経て初日を迎えた今の気持ちや意気込みなどが語られた。

“ミュージカルの金字塔”と呼ばれるミュージカル『レ・ミゼラブル』は、フランス文学の巨匠ヴィクトル・ユゴーが自身の体験を基に、19世紀初頭のフランスの動乱期を舞台に当時の社会情勢や民衆の生活を克明に描いた大河小説が原作。原作の持つ、「無知と貧困」「愛と信念」「革命と正義」「誇りと尊厳」といったエッセンスが余すことなくミュージカルに注ぎ込まれている。

1985年のロンドン初演を皮切りに、日本では1987年6月に帝国劇場で初演を迎え、2013年4月、ロンドン初演25周年を機に美しい音楽と歌詞はほぼそのままに、舞台装置、照明、音響、衣裳、また登場人物のキャラクターの描き方などの演出面を一新した“新演出版”『レ・ミゼラブル』が日本“初演”も迎え、幾度の上演を重ねてきた。新たなキャストが加わった2021年版が、5月から10月にかけて東京、福岡、大阪、長野で上演される。

初日会見に登壇したのはジャン・バルジャン役の福井、吉原、佐藤、新たにエポニーヌ役に挑む生田、テナルディエ役に臨む新キャストの六角、マダム・テナルディエ役の森の6名。2021年版は5月25日に初日を迎えたが、5月21日から24日にはプレビュー公演が行われていた。福井はプレビュー公演について「この作品を待っていてくださっていたお客様の圧というものを全身で感じました。カーテンコールでは、皆さんマスクをして声を出せない状態だったんですけど、ありったけの拍手をしていただいて。その熱意が伝わって、『レ・ミゼラブル』という作品の力を強く感じました」と振り返る。

“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート

さらに、「(コロナ禍で)演劇界も苦しい時間が多かった中、『レ・ミゼラブル』が観客を入れて公演できるというのは演劇界にとっても明るいニュースだと思うんですが、僕たちはいつも通りにやることだけ心がけてやることに必死でした。役を真摯に受け止めて、作品を忠実に伝えるということに集中して公演に臨みたいと思います」と意気込んだ。

“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート

同じくバルジャン役の吉原も「去年は『どうなってしまうんだろう』とか不安が渦巻いていたんですけど、『レ・ミゼラブル』で帝国劇場に帰ってきて、プレビュー公演を無事に迎えられて、『何も変わってないものもあるんだな、変わらずに守られてあたためられて先に進んでいくものもあるんだな』と感じられて、舞台がちゃんと日本の日常の中にあるんだということにすごく安心しました。福井さんの言うように、何か特殊なことをやろうとせずいつも通りにやっていきたい」と力強く語った。

“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート

そして同じくバルジャン役の佐藤も「プレビュー公演を終えたときの皆様の拍手の圧にすごく感動しました。さまざまな思いを持って会場まで来てくださったと思うんですが、その思いを感じて、胸がギュッと温かくなるような本当にありがたい気持ちに包まれました。去年、いろいろ仕事がなくなっで自分を見つめ直す時間ができました。今こそ研鑽して、いつか進化したものをお届けしたいという思いで過ごしました。それが一つ実ったような、そんな充実感もあります。この思いを持ったまま、千秋楽まで感染対策をしっかりしながら皆さんに安全安心な公演をお届けできるように頑張っていきたいと思います」と頼もしいコメントが。

“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート

2019年公演までコゼット役を務め、今作でエポニーヌを初めて演じることになった生田は「これまで開幕の時はもう少し緊張でふわふわしている感覚だったんですけど、今年は地に足を踏みしめている感じがしています。それはエポニーヌという役に力を借りているのもあると思いますが、あと目の前にある当たり前の光景がいつなくなってしまうかわからないという不安がすごく身近にあるので、本当に今できること一つ一つに集中して、魂を込めていこうという意識でこの舞台に臨んでいます。目の前のことに集中して、お客様の心を少しでも灯せるように、受け取ってもらえるように頑張りたいと思います」と意気込む。

さらに、エポニーヌを演じることについて生田は「今までずっと『コゼットっぽい』と言っていただいていて、それは本当に光栄なことなんですけれど、そのイメージがある分、最初は自分がどんなエポニーヌができるのか不安がありました。でも、稽古場で他のキャストのみなさんが『エポもいいね』『最初からエポやってた?』と声をかけてくださって、この方向でいいんだとそのまま進めんでいく勇気をいただけました」と難しさを感じながらもエポニーヌを作り上げてきた自信を見せた。

“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート

テナルディエの新キャストである六角は「他のキャストの皆さんやスタッフの方々に色々と助けていただきながら、プレビュー公演を乗り越えたのですが、全てが新鮮でした。帝国劇場に立つのは初めてだったんですけど、大劇場での拍手というのはすごいですね。それを体で受け止めたときに、非常に感動というものを味わえました。それと同時に、皆さんが日常生活の中で、自分の心を非日常のところに連れて行って動かすということが、決して不要不急なことじゃないというか…必要なことなんだ、生活の一部なんだと、強く感じました。だから人の心を動かすということの役目も担っているということにちょっとした誇りも感じました」と初めての挑戦に興奮している様子。

また、本格的なミュージカルに初めて挑戦したことについて「ミュージカルというものを全く知らなかったんです。お芝居の世界って言ったらやっぱりストレートプレイもあるけど、ミュージカルもあるじゃないですか。それで、自分が本格的なミュージカルに出演して舞台上で歌ったりしたときに、どういうふう“ミュージカル”というものを捉えられるのか、確かめてみたいという気持ちがありました。僕は来月で59歳なんですけど、還暦を迎える前に思い切って試してみようと思って挑戦したという次第です。(オーディションに)受からなかったらそれまでということで諦めようと思ったんですけど、いやぁ、運が良かったんですかね」と、本作へ挑戦することになった思いを明かした。

“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート

1997年から出演し、今年24年目となるマダム・テナルディエ役の森は「皆さんに飽きられないように飽きられないようにと、ただそれだけを祈ってやっております(笑)。少しずつマイナーチェンジがある役どころですので、また新しいマダム・テナルディエをお届けできればと思っています。コロナ禍で自炊が増えちゃったこともあって衣装がパンパンで皆さんに迷惑かけてるっていう状況なんですけれども(笑)」と笑いを誘いつつ、「コロナ禍でのリハーサルということで、回数が前回の5分の1ぐらいしかなかったんです。全員が揃ってのお稽古がなかったのと、みんなマスクして練習したので、本番に入ってマスクを取った途端に『誰?』という感じで(笑)。顔が分からない状態がずっと続いておりましたので、やっと舞台に入ってご本人とご対面することが出来ました」と嬉しそうに語った。

また、娘役となる生田について「『前はコゼットやってたんだよね?』というくらい全く違うキャラクターを押し出してきて。しかも声も地声のぐわっとしたようなやつで、びっくりしました」とその仕上がりに驚き、「声を作ってきたんだよね?」と問いかけると、生田は「そうです、発声は本当に変えました。今まで裏声とか、高い音域だったので、地を這うようなエポニーヌの音色を出せるようにトレーニングを重ねてきました」と役作りについて明かした。

最後に、福井が「いよいよ『レ・ミゼラブル』日本の2021年公演がスタートします。このような状況の中で舞台に立てることを本当に嬉しく思いますし、しっかりと地に足をつけて、まだまだ状況はね、すぐには良くならないと思いますけど、明日舞台があるということで、私達はその準備をしっかりとして、そこに挑むだけだと思ってますんで、長い公演なりますけど、10月まで地方公演も合わせてありますけど、最後までなんとか完走できるように頑張りたいと思いますんで。ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします」とメッセージを送り、会見を締めくくった。

“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート

ミュージカル『レ・ミゼラブル』2021年版 公演情報

上演スケジュール

【東京公演】2021年5月25日(火)~7月26日(月)
※5月21日(金)~5月24日(月)にプレビュー公演あり
【福岡公演】2021年8月4日(水)~8月28日(土) 博多座
【大阪公演】2021年9月6日(月)~9月16日(木) フェスティバルホール
【松本公演】2021年9月28日(火)~10月4日(月) まつもと市民芸術館

上演時間

第一幕:1時間25分
休憩:25分
第二幕:1時間10分

キャスト

ジャン・バルジャン:福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀
ジャベール:川口竜也、上原理生、伊礼彼方
ファンテーヌ:知念里奈、濱田めぐみ(※東京公演のみ)、二宮愛、和音美桜
エポニーヌ:唯月ふうか、屋比久知奈、生田絵梨花

マリウス:内藤大希、三浦宏規、竹内將人
コゼット:熊谷彩春、加藤梨里香、敷村珠夕
アンジョルラス:相葉裕樹、小野田龍之介、木内健人
テナルディエ:駒田一、橋本じゅん、斎藤司、六角精児
マダム・テナルディエ:森公美子、谷口ゆうな、樹里咲穂

新井海人、石飛幸治、伊藤俊彦、今井学、岩﨑巧馬、岩橋大、宇部洋之、大津裕哉、鎌田誠樹、川島大典、柴原直樹、島崎伸作、杉浦奎介、鈴木たけゆき、田川景一、丹宗立峰、土倉有貴、長尾哲平、深堀景介、藤岡義樹、藤田宏樹、古川隼大、増原英也、町田慎之介、松村曜生、武藤寛、持木悠、横田剛基

五十嵐志保美、石丸椎菜、井上花菜、宇山玲加、大泰司桃子、笠行眞綺、門田奈菜、菊池愛、木南清香、桑原麻希、小林風花、篠崎未伶雅、島田彩、關さや香、中村萌子、般若愛実、廣野有紀、松岡美桔、三上莉衣菜、横山友香

ガブローシュ:井伊巧、小松葵生、重松俊吾
リトル・コゼット/リトル・エポニーヌ:絢田祐生、宇佐見有紗、小田島優月、加賀見陽、三浦あかり、若井愛夏

スタッフ

【作】アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
【原作】ヴィクトル・ユゴー
【作詞】ハーバート・クレッツマー
【オリジナル・プロダクション製作】キャメロン・マッキントッシュ
【演出】ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
【翻訳】酒井洋子
【訳詞】岩谷時子

【公式サイト】 https://www.tohostage.com/lesmiserables/

 

チケットぴあ
“新エポニーヌ”生田絵梨花に森公美子が驚き!?2021年版『レ・ミゼラブル』初日会見レポート
最新情報をチェックしよう!
テキストのコピーはできません。