緊急事態舞台芸術ネットワークが「緊急事態宣言」期間延長についての声明を公開


「緊急事態舞台芸術ネットワーク」(Japan Performing Arts Solidarity Network)が、4都府県に発出されている「緊急事態宣言」の5月12日以降期間延長について、本日5月6日に声明を公開した。

緊急事態舞台芸術ネットワークは、2020年2月26日に政府による突然の自粛要請を受けて以来、公演の中止延期が相次いだ舞台芸術界の損害の実態を把握するため損害額調査をなど実施、その結果を受けて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による舞台芸術業界が危機的状況であるとの認識のもと、緊急的に形成されたネットワーク。

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本日1月7日(木)、菅義偉内閣総理大臣により発出された「一都三県への緊急事態宣言」を受け、舞台芸術活動従事者に対してより徹底した感染対策を講じ、観客により安心安全な鑑賞環境を提供するよう今一度呼びかけを図って行くとした上で、緊急事態舞台芸術[…]

<リリース全文紹介>

⽇頃より多くの舞台芸術活動にご⽀援いただき、また、各公演の開催にあたっては、感染予防対策の遵守徹底にご理解とご協⼒を賜り、誠にありがとうございます。

さて、既にご存じの通り、三度⽬となるこのたびの緊急事態宣⾔については、今週中にも、その期間延⻑の決定が下される公算が⼤きくなっております。

去る4⽉25⽇に発出された今回の緊急事態宣⾔では、対象地域である東京・⼤阪・京都・兵庫の4都府県で開催されるイベントについて、「無観客での開催とすること」と定められました。しかしながら、ライブイベントは本来、お客様と実際に空間を共有することで、初めて成⽴するものです。したがって、この決定は、実質的には「舞台興⾏の中⽌要請」であったと考えております。

そして、先の決定が、事前の予告なく、お客様にご案内する期間の猶予も与えられない状況で⾏われたことに対して、ここでお詫びいたします。国と⾃治体との間の連携も不⼗分で、結果、各主催者は不本意ながら、⽬前に迫った公演を急遽、中⽌判断せざるを得ませんでした。上演を⼼待ちにしてくださっていたお客様お⼀⼈お⼀⼈のお顔を想像しますと、⾝を切られる思いがいたします。

なお先頃、当ネットワークは、「論座 – 朝⽇新聞社の⾔論サイト」のインタビューに応じ、この時に⽣じた舞台芸術界の混乱と当惑をつまびらかにしております。ぜひご⼀読いただきたく存じます。
「緊急事態宣⾔、演劇界は東京都の「怠慢」に振り回された」
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2021042800009.html

初回の緊急事態宣⾔が解除された昨年5⽉より、1 年が経過いたしますが、少なくとも当ネットワークの参加団体が催⾏する公演では、劇場内客席でのクラスター感染は起きておりません。公演開催にあたっては、政府関係当局の対処⽅針に則り、ガイドラインを策定し、徹底的に感染症対策を⾏ってまいりました。⼊場時の検温および⼿指消毒、マスク着⽤の徹底、上演前後の発声もなく、お客様同⼠の距離も保ち、余裕を持った⼊場と規制退場、会場までの直⾏直帰を呼びかけるなど、感染拡⼤予防に全⼒で取り組んできております。

このようにお客様のご協⼒の下、対策を徹底することで、感染者報告ゼロのエビデンスを積み重ね、劇場は、決して感染リスクの⾼い場所ではないことを実績によって⽰してまいりました。なお、イベントの感染リスクは低いというエビデンスについては、⻄村康稔内閣府特命担当⼤⾂が、本年年頭の定例会⾒にて、スーパーコンピューター「富岳」での科学的検証を引かれ、お⽰しされている通りであり、政府も認めるところであると理解しております。

⼀⽅、昨年以降、公演中⽌や延期が相次いだこと、収容⼈数の制限が続いたことで、舞台芸術含むライブエンタテイメント産業は⼤きな打撃を受けております。確かに、政府や⾃治体による⽀援策が講じられているという現状はあるものの、それら施策による補助⾦は、実質的に、この先に新たな公演を⽴ち上げるだけの体⼒を備えた団体に対して、それも経費⽀出の⼀部を⽀えられる額に過ぎません。前年⽐8割減とも⾔われる業界損失は関係者や家族に重くのしかかっています。

アーティストや実演家だけでなく、スタッフや⽂化施設関係者等、公演に従事するものたちの⽣活は、時々刻々と、危機的状況に追い込まれています。⼀⼈ひとりは、⽂化創造を⽀え続けるという誇りを胸に、真摯に取り組んでおりますが、残念ながら、限界は近づいているように感じております。

如何なる時も、舞台芸術は社会と共にありたいと思います。これまで当ネットワークは様々な機会を通じ、感染拡⼤防⽌に努めることを第⼀義としつつ公演を開催していくことをお伝えしてまいりました。舞台を愛する皆様に今を⽣きる喜びを提供しながら、舞台芸術に従事しているものたちの⽣活を守るという社会的役割を果たしたいと考えております。

現在の状況はこうした役割を持続的に果たすことのできる限界点ではありますが、引き続き、この⼀年の⾏政、⾳楽ほか関連業界、公演関係者、そして多くのお客様との積み重ねをもとに、現場の努⼒の実態とエビデンスに基づいた対策⽅針を政府に強く求め、安全に公演を開催してまいる所存です。

重ねてみなさまのご協⼒に御礼を申し上げますとともに、上記について、どうぞ皆様のご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

末筆ながら、⽇夜、新型コロナウイルスと向き合う医療従事者の皆様、そして感染終息に
向けてご尽⼒されておられる皆様お⼀⼈おひとりに⼼から御礼申し上げます。

【公式サイト】http://www.jpasn.net/

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