日本で7度目の上演となる『ALTAR BOYZ 2021』（アルターボーイズ）が、2021年4月30日（金）まで東京・新宿FACEにて上演されている。今回は「LEGEND」「GOLD」「SPARK」という3チーム制が組まれており、3チーム全員が出演する合同SPECIAL公演の決定が発表された。本記事では、「LEGEND」チームの舞台写真と共に公演を紹介する。
「LEGEND」は、初演から出演している東山義久、植木豪、中河内雅貴、良知真次と、初参加の浅川文也で構成（「GOLD」は大山真志、法月康平、松浦司、石川新太、若松渓太／「SPARK」は小林亮太、米原幸佑、和田泰右、川原一⾺、北乃颯希）。
『ALTAR BOYZ』は、2004年にNYで初演後、世界各国で人気を集め、日本では2009年に初演を迎えた。神に仕える美しき5人の使徒たちが“福音”の歌とダンスで観客の魂を救うために世界ツアーを行っており、そのファイナルとして日本へやってきたという設定でステージが展開。観客は、そのライブの観客として参加することとなる。
登場人物は、マシュー、マーク、フアン、ルーク、アブラハムの5人。明るくにぎやかで、生バンドの演奏にのって激しくかっこいいライブを見せてくれる5人だが、みんな、どこか“世間”からはみだしている部分を持っており、音楽を交えながら、物語の中で少しずつ明らかになっていく。登場人物についてはチームが変わっても基本設定は変わらないが、演じる俳優によってキャラクター像が違って見えるのも本作の魅力の一つで、とても“自由”だ。
作品を象徴するようなオープニングは「WE ARE THE ALTAR BOYZ」。スモークが立ち込める中、5人が次々とステージへ。バンドサウンドに乗って、激しく歌い踊り、観客を一気に『ALTAR BOYZ』のライブへ引きずり込んでいく。
舞台上手（向かって右側）には電光掲示板が設置されており、中盤から随時、会場内の“迷える魂”たちの数が「ソウルセンサー」に表示される。この数字を“ゼロ”にすべく「魂の浄化コンサート」でパフォーマンスを披露していくのが、アルターボーイたちのミッション。
人種差別、移民差別、ゲイ差別･･･そしてパロディや宗教が背景に横たわっているが、玉野和紀の演出は、ベースとなる概念がなくともとても見やすい（作品に触れることで、身近になかった事柄について考える時間が持てるのも醍醐味だ）。さらにLEGENDのアルターボーイたちの自由で阿吽の呼吸に満ちたやりとりには、彼らがここまで積み重ねてきた時間がにじみ出ている。
『ALTAR BOYZ』には、恒例の悩める観客たちから“懺悔”大会が盛り込まれている。本来、訪れた観客からの投書が読み上げられるのだが、現在はコロナ禍でいつもどおりのことができない。そのため、今回は“懺悔”をオンラインで募集している。公演に参加される方は、観劇日時を間違いなく、呼ばれてもよい名前で、各公演の5分前までに公式サイトから「悩み」を送ろう。アルターボーイたちが応えてくれるかも。
本作は、とにかく音楽が抗い難く魅力的だ。アップテンポで激しい楽曲、かっこいいのによく聞くとくすっと笑える楽曲。しっとりと歌い上げる楽曲。ナンバーの色と共に、5人が内包するパーソナルな部分が浮き彫りになってくる。それは、個々の問題であり、現代の世の中全体が含む問題。キャッチーさと圧倒的なパフォーマンスで目を奪った先にある社会性が、本作が長く愛され、ファンを熱狂させ続ける理由だろう。
『ALTAR BOYZ 2021』は、4月30日（金）まで東京・新宿FACEにて上演。上演時間は約2時間を予定。
そして、3チーム全員が出演する合同SPECIAL公演も決定。こちらは5月3日（月・祝）から5月5日（水・祝）まで東京・恵比寿The Garden Hallにて開催される。チケットは4月24日（土）より一般発売される。
【公式サイト】https://www.altarboyz.jp
