第65回岸田國士戯曲賞は受賞作なし「コロナを意識しすぎて」


第65回岸田國士戯曲賞選考会が、2021年3月12日(金)に東京・学士会館で行われた。コロナ禍でオンライン配信のみとなった2作も最終候補に挙がっていたが、今年は「受賞作なし」という結果となった。同賞で受賞作がなかったのは、2007年の第51回以来のこと。

岸田國士戯曲賞は、劇作家・岸田國士の遺志を顕彰すべく、株式会社白水社が主催する戯曲賞。演劇界に新たなる新風を吹き込む新人劇作家の奨励と育成を目的に、1955年に新劇戯曲賞として設置。1961年には「新劇」岸田戯曲賞、1979年に岸田國士戯曲賞と改称され、新人劇作家の登竜門となっている。今年は、選考委員を岩松了、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田秀樹、平田オリザ、矢内原美邦、柳美里の7名が務めた。

白水社の公式サイトには、野田の「コロナを意識しすぎて距離感のとれていない作品が多かった。戯曲のコトバとしても、こちらをワクワクさせるものが少なかった」というコメントが掲載された。

最終候補作品には、岩崎う大の「君とならどんな夕暮れも怖くない」、長田育恵の「ゲルニカ」、小田尚稔の「罪と愛」、金山寿甲の「A-②活動の継続・再開のための公演」、小御門優一郎の「それでも笑えれば」、内藤裕子の「光射ス森」、根本宗子の「もっとも大いなる愛へ」、横山拓也の「The last night recipe」の8作品が選出されていた。

第65回岸田國士戯曲賞最終候補作品

岩崎う大「君とならどんな夕暮れも怖くない」(上演台本)
長田育恵「ゲルニカ」(上演台本)
小田尚稔「罪と愛」(上演台本)
金山寿甲「A-②活動の継続・再開のための公演」(上演台本)
小御門優一郎「それでも笑えれば」(上演台本)
内藤裕子「光射ス森」(上演台本)
根本宗子「もっとも大いなる愛へ」(上演台本)
横山拓也「The last night recipe」(上演台本)

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