「諦めそうになってる人は、絶対に諦めないで欲しい」fromエレン。『左ききのエレン -バンクシーのゲーム篇-』ゲネプロレポート


天才になれなかったすべての人へー。名言溢れる、話題のクリエイター群像漫画『左ききのエレン』。舞台化第2弾、舞台『左ききのエレン -バンクシーのゲーム篇-』が2021年1月21日(木)に東京・六行会ホールで開幕した。

舞台はニューヨーク。左ききの天才アーティストエレン(棚橋佑実子)は、幼馴染の加藤さゆり(舞川みやこ)をプロデューサーに迎え、2人で渡米。ジェイコブス(丸山正吾)との共同制作を経て、パルクール駆使する映画監督志望のルーシー(泉ひかり)と出会い、チームを結成する。世界的ファッションブランドを展開する、岸アンナ(葛たか喜代)の広告塔として活動も始まった。

一方の日本。広告代理店に就職した朝倉光一(吉田翔吾)は、エースクリエイター神谷雄介(久下恭平)のチームに配属される。頭脳派コピーライター三橋由利奈(西葉瑞希)愛称“みっちゃん”と共に、徹夜で働くなどハードワークをこなしていた。まだ何者にもなれない自分に、焦りを感じる日々。その中で、スーパーモデル岸あかり(立野沙紀)と岸あやの(真島なおみ)の姉妹、新上司の柳一(日比博朋)、沢村孝(井上翔)などと交わり、光一の性格も変化していく。

ニューヨークと日本、それぞれ違う土地で生活しながら、ライバルとして意識しあうエレンと光一。才能に溢れながら、発揮する術を見出せないエレン。天才に追いつきたいと願いながら、もがき続ける光一。『左ききのエレン -バンクシーのゲーム篇-』では、彼らそれぞれの葛藤・心の声が、色鮮やかな照明、ニューヨークを意識した舞台セット、印象的な音響などで、スピード感豊かに描かれる。

特に、実際にW杯で優勝経験を持つ泉ひかりを起用したパルクール、匿名天才アーティストバンクシーとの美術館での追跡劇など、アクションも見どころのひとつだ。

ゲネプロ終了後、主要キャスト5人が、原作への印象と初日を迎えた心境を語った。

吉田は、原作を「僕は基本的に怠け者なんですが、寝るときにエレンを読んだら、やる気になる。魂をヒートアップさせてくれるガソリンみたいな存在です。俺もできる、俺もやってやるぜ、と思える作品」と熱く評価。「1作目からの短いスパンで2作目を迎えて、テンションが続いたまま初日を迎えられたので、『第1弾を超えるぞ』という勢いでいきたいです」と抱負を語った。

一般オーディションで主役に抜擢されたエレン役の棚橋は、このシリーズが演技初挑戦。原作と上演初日について「読んでいると悔しくなったり、なんかむかついたり、鼓舞されたり。どう現したらいいのかわからない気持ちが、詰まった漫画。そのぐちゃぐちゃな感情が、私の中でエレンを演じる引き出しになっています。一生忘れない作品です。より深くなった、さゆりとの“ニコイチ”感を見て欲しい」と、自身の気持ちを表現した。

今作のキーマンとなるのは、エレンを支える加藤さゆりだ。演じる舞川は、「原作では本当に光一にイライラしたんですけど、それは自分と被る部分があったから。見ている人が各キャラクターに心を被せられる、色々な人が楽しめる作品です。原作とリメイク版で表現が一部違うように、舞台の良さを出していきたい。ラストシーンは、さゆりファンに喜んでもらえると思います」とコメント。

神谷雄介役を務める久下は、「この状況下で興行させていただけるのが純粋に楽しみ。出演者一同、ワンチームでここまで来れて嬉しい」と、喜びの表情を見せた。「あまり人生で漫画に触れてこなかったのですが、人にオススメできる漫画に出会えたことが、僕としては一番嬉しい。神谷の名言『クソみたいな日にいいもんつくるのがプロだ』のように、コロナ禍でも最高の作品を作らなければならないと思っています」と決意を表す。

原作者かっぴーさんから『イメージ通り』と太鼓判を押された“みっちゃん”役の西葉は、「みっちゃんがあまりにも自分に似ていて、最初は原作をあまり見たくなかったんですけど、その分深く役について考えました。伏線の張り方からコマ割まで、オシャレな漫画。舞台では、パルクールを実際にやってる人が生でやるのが、あまり見られないこと。私は舞台袖から楽しく見ているので、お客さんにも早く、それをドヤ顔で見せたいです」と、期待感を語った。

最後に、吉田と棚橋にこの作品を通じて、伝えたいことを語ってもらった。

「かっぴーさんはもっと前に原作を書いてますが、コロナなんて吹っ飛ばせみたいな。みんな暗くなっているので、僕ら役者から発する言葉のエネルギーで世間を勇気づけたい。ちょっと怠け者な人でも、死ぬほど努力したら天才にだって追いつける。お客様も負けずに頑張ってくださいと、僕は伝えたいです!」朝倉光一:吉田。

「何かに対して、諦めそうになっている方へ。みんな天才ではないです。諦めずに毎日鼓舞して、その日ごとに目標を立ててクリアすることで、誰しもが絶対乗り越えられる壁があります。壁の高さはみんな違うけど、人は成長します。絶対に。だから、諦めそうになってる人は、絶対に諦めないで欲しい。努力することをお勧めします!」山岸エレン:棚橋。

舞台『左ききのエレン -バンクシーのゲーム篇-』は、2021年1月21日(木)~1月24日(日)まで六行会ホールで行われる。
才能にあらがう努力、明日を生きる活力、諦めてもまた立ち上がる勇気。なんでもいい。日々前向きに生きるためのメッセージを、この舞台から感じ取ってもらえるはずだ。

公演概要

舞台『左ききのエレン -バンクシーのゲーム篇-』
2021年1月21日(木)~1月24日(日) 六行会ホール

【原作】かっぴー
【脚本】川尻恵太〈SUGARBOY〉

【演出・プロデュース】IZAMANIAX〈ベニバラ兎団〉
【振付】青井美文

【出演】
朝倉光一:吉田翔吾
山岸エレン:棚橋佑実子

神谷雄介:久下恭平
加藤さゆり:舞川みやこ
三橋由利奈:西葉瑞希
岸あかり:立野沙紀(劇団4ドル50セント)
岸あやの:真島なおみ

流川俊/ハンク:大見洋太
柳一/ジャック:日比博朋(ベニバラ兎団)
朱音優子/マチルダ:新川悠帆(ベニバラ兎団)
園宮千晶/ナタリー:青野楓花(ベニバラ兎団)
沢村孝/トンプソン:井上翔(ベニバラ兎団)
斎藤咲千代:谷茜子(ベニバラ兎団)

エイブリーキャンベル、ほか:高橋孝衣
キーラ、ほか:榎本愛子
ソフィア/スカーレット:遠藤しずか

ルーシー:泉ひかり

ジェイコブス:丸山正吾

岸アンナ:葛たか喜代

【舞台版オリジナルキャラクター】
佐倉恵:飯田南織(ベニバラ兎団)

【公式Twitter】https://twitter.com/ELEN_ofSOUTHPAW
【ベニバラ兎団 最新情報 HP】https://ameblo.jp/benibara-de-paris/

チケットぴあ
最新情報をチェックしよう!
テキストのコピーはできません。