こんな時だからこそ!「演劇の毛利さん」音楽劇『星の飛行士』開幕レポート


2021年1月6日(水)に東京・サンシャイン劇場にて、音楽劇『星の飛行士』が開幕した。本公演は、毛利亘宏(少年社中)が企画・製作し、立ち上げる新たな演劇ユニット“演劇の毛利さん–The Entertainment Theater”の旗揚げ公演。実験的なことをするという意味合いを込めVol.0とした今回は、音楽劇『星の飛行士』とリーディングシアター『星の王子さま』・『夜間飛行』という“1本の音楽劇と2本の朗読劇”を上演する。

公開ゲネプロが行われたのは、音楽劇『星の飛行士』。毛利は、フランスの作家であり、飛行士だったサン=テグジュペリの物語を、彼が書き上げた「星の王子さま」と「夜間飛行」の登場人物たちが入り乱れるファンタジーとして描き上げた。

出演は、鈴木勝吾、伊藤理々杏(乃木坂46)、沙央くらまと高月彩良(Wキャスト)、櫻井圭登、伊藤優衣、里中将道、明音亜弥、山川ありそ、竹内尚文、ザンヨウコ、岡田達也、池田純矢、良知真次。

(以下、物語のあらすじに触れています)

舞台中央には、真っ赤な飛行機が佇んでいる。暗転すると、夜空に吹き荒れる嵐の中、飛行機に乗り込んだ青年が目を輝かせながら、「僕は必ず帰る」と高らかに歌い上げる。彼の名前はサン=テグジュペリ(鈴木)。しかし彼は、自分が誰かも思い出せなかった。そんな彼の前に、星の住人たちが現れる。

「あなたは、星になるためにこの世界にやってきました」――名前を教えてくれた“星の住人たち”を名乗る人々は、彼にとって大切なことを思い出す手伝いをし始める。

星の住人たちと共に、もう一人、男が現れる。レオン・ウェルト(岡田)と名乗った男は、サン=テグジュペリの親友だった。サン=テグジュペリは、飛行士であると同時に小説家であったと告げられ、「星の王子さま」と「夜間飛行」・・・自身が書いた2冊の本を差し出される。

「星の王子さま」に登場する花を愛でる王子様(伊藤)や砂漠に取り残された飛行士(池田純矢)、「夜間飛行」の郵便飛行に情熱をかけるリヴィエール(良知)やファビアン(櫻井)たちと触れ合うことで、愛しい妻のコンスエロ(沙央/高月)のことや、3つの大切な“言葉”などを思い出していく。自らが作り出した物語と共に、自身を知っていくサン=テグジュペリ。彼が、最後に決意することとは・・・。

少年社中という劇団の主宰であり、様々な公演の脚本・演出を手掛ける毛利が、コロナ禍で旗揚げした「演劇の毛利さん」。自らの名前を冠したドストレートなそのユニット名で打ち出す最初の公演にふさわしく、「何故、演劇をやるのか?」という問いへの“決意表明”であり“ラブレター”のような、愛おしい作品だった。

昔は空を飛ぶことが命がけだったように、時代と共に変わり、その時を生きる人の中で育まれている「命をかける価値」。「星の王子さま」に込められた目に見えない大切なこと、「夜間飛行」に人間の尊厳と勇気・・・先人が道標のように遺した言葉たちを、毛利が自らの言葉と編み上げて、“今”の想いを乗せた物語を生み出した。

そして俳優たち、シンプルな舞台セットと大きなスクリーンの前で、ダイナミックかつ繊細に自らを与えられた役の中でさらけ出し、伸びやかに歌い、目を輝かせ、“今”を生きる。人の孤独と孤独を結ぶところに、生まれるそれぞれの絆。劇場という限られた空間に、人が生きる上で必要な物語が星座のようにきらめく。

本作に盛り込まれている「星の王子さま」「夜間飛行」は、リーディングシアターとして同時上演される。もし、サン=テグジュペリ作品をまだ読んだことがない方は、2作を知った上で観劇されることをおすすめしたい。

初日を終えた主演の鈴木勝吾は、何を語っただろうか。公開ゲネプロを終え「今ここで、劇場で(芝居を)やれる喜びを感じながら、日々演じていくんだと思います。僕はこのカンパニーが大好きです。演劇がどうなっていくのか分からない時代の中で、観てくださる皆さんに感謝しながら、一公演も欠かさず、誰も欠けずに、劇場でも配信でも客様を迎えて千秋楽を迎えたいと思います」と挨拶をした彼を筆頭に、舞台に立つ俳優たちには舞台に立つという何にも代えがたい喜びと、後悔も諦めもしない覚悟を持って前に進むという気概が満ちていた。

演劇は、夜空の向こうの明日へといつか必ず「帰る」のだ。暴風雨の向こうに光が見えた瞬間のような、希望が身体を駆け巡った。

演劇の毛利さん –The Entertainment Thater 音楽劇『星の飛行士』/Vol.0 リーディングシアター『星の王子さま』は、1月17日(日)まで東京:サンシャイン劇場にて、1月28日(木)から1月31日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。上演時間は約2時間を予定。

リーディングシアターの組み合わせ:/database/2021/01/80256.html

なお、本公演では東京公演における音楽劇『星の飛行士』6公演、リーディングシアター『星の王子さま』『夜間飛行』全11公演にてライブ配信を実施。日程などは下記よりご確認を。
詳細:http://www.shachu.com/e_mouri00/stream.html

さらに、7月14日(水)にはBlu-rayの発売も決定。限定予約版は9,800円+税、通常版は7,800円+税(※限定予約版は期間限定でTOEI STOREのみで受付)。
詳細:https://toei-store.com/

 

コメント紹介

◆毛利亘宏(脚本・演出)
さあ!「演劇の毛利さん」の幕が開きます。
僕の新しい挑戦です。胸が躍りワクワクするような演劇を皆様にお届けします。最高の俳優と最高のクリエーター、スタッフに恵まれ、世界に誇れる作品に仕上がったと確信しております!

この公演は音楽劇『星の飛行士』、リーディングシアター『星の王子さま』『夜間飛行』の3本の同時上演という特殊なスタイルを取っています。なぜこのようなスタイルをとったのかをご説明させていただきます。
起点となるのは音楽劇『星の飛行士』です。この物語は「星の王子さま」や「夜間飛行」の作者である主人公・サン=テグジュペリが死後の世界で自分の書いた二本の小説を紐解き、自分が何者かを思い出していくストーリーです。音楽劇『星の飛行士』の中に散りばめられた「星の王子さま」と「夜間飛行」。その中でサン=テグジュペリは自分にとって大切な3つの言葉を見つけていきます。その言葉は、過酷な“今”を生きる皆様に僕が届けたいメッセージです。
それを受けての朗読劇です。リーディングシアター「星の王子さま」「夜間飛行」では、「星の飛行士」に散りばめられた内容を深掘りして皆様にお届けしたいと考えました。

入り口はどちらでも構いません。「星の飛行士」を観てからリーディングシアターを観て頂いても楽しめますし、その逆でも2倍3倍、楽しんでいただける作りとなっています。

こんな時だからこそ!皆様に最高のエンターテイメントをお届けしたいと思っています!
こんな時だからこそ!皆様と劇場、そして、ライブ配信で一つになりたいです!
こんな時だからこそ!皆様に最高の演劇をお届けします!

それぞれの“劇場”でお待ちしております。演劇の毛利さん、見届けてください。

◆鈴木勝吾(サン=テグジュペリ役)
いよいよ幕が上がります。旅が始まります。ただ、とてつもない危機の中にいる。皆そうでしょう。それでも、出るべき冒険がある。向かうべき山がある。見せたい”光”がある。危機の中に?よくよく考えれば珍しいことでもなんでもない、常に生きている中に転がっている。いつもギリギリだった、いつも大変だ、いつも平坦な道じゃなかった。人間生きてりゃ間違いなくそうだ。今に始まったことじゃない。
演劇だって踏ん張らなきゃいけないのは今に始まったことじゃない。折れない。絶対に。仲間と一緒に。友と共にあるから飛べるはずだ。進めるはずだ。それは覚悟だから。
難しい情勢だと思っています。それでもあえて言います。劇場でお待ちしています。ここにはどこにもない、ここだけの“光”があります。

◆伊藤理々杏(王子さま役)
音楽劇『星の飛行士』にて王子さまを演じさせていただきます、伊藤理々杏です。
この作品は今伝えたいこと、届けたいことがたくさん詰まったものとなっており皆様に色々な感情をお届け出来ると思います。全ての瞬間を大切にしながら王子さまとして劇場で精一杯生きていきます。ぜひ素敵な世界をお楽しみいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします!

◆沙央くらま(コンスエロ役 ※Wキャスト)
音楽劇『星の飛行士』にて、コンスエロ役を演じさせていただきます、沙央くらまです。
この作品を今この時期にするべき意味も含め、とてもステキなメッセージが込められた作品です。コンスエロはサン=テグジュペリの妻として生き抜く中で、たくさんの葛藤がありました。でも変わらずにあるもは“愛”だったと思います。離れていても、例え別れが訪れても、愛は形ではなく感じることができるものだと改めて思いました。この作品に出会えた全ての方々に、この作品の「大切なことは目に見えない」というテーマと共に何かを感じていただけたら幸いです。是非、こんな時期だからこそお待ち致しております

◆高月彩良(コンスエロ役 ※Wキャスト)
音楽劇『星の飛行士』にてコンスエロ役を演じさせていただきます、高月彩良です。
サン=テグジュペリ、飛行機と共にたくさんの景色を巡れる壮大で美しい作品となっております。演劇を行うのが困難な状況になってしまいましたが、舞台上に立った時はどんな状況でも生きていたい。表現していきたい。と、今回そう強く胸に想いました。その想いを、見て下さる方にパワーとして伝わるよう魂を込めて毎公演挑んでいきたいです。劇場でお待ちしております。よろしくお願いいたします。

◆櫻井圭登(ファビアン役)
音楽劇『星の飛行士』にて、ファビアン役を演じさせていただきます、櫻井圭登です。
改めてこのカンパニー参加させていただけたこと、幸せを感じております。稽古場で辺りを見渡せば、演劇という夢が空いっぱいに広がっていました。僕もその一員として、たくさんの想いを皆様に届けられるように、精一杯舞台上で生きます。応援のほど、何卒よろしくお願いいたします!!

◆伊藤優衣(シリウス役)
星の住人、シリウスとして出演させていただきます、伊藤優衣です。
稽古を重ねるごとにどんどん熱量が上がっていった音楽劇『星の飛行士』。作品に散りばめられている言葉達が本当に素敵で、毎日胸に響くワードが違うので私自身とても楽しんでいます。皆様にも無事に届きますように。

◆里中将道(ベガ役)
音楽劇『星の飛行士』にて、星の住人、ベガを演じさせていただきます、里中将道です。
稽古が始まったその時から役者・スタッフ、一人一人が良い作品にしようと努力してきました。
自分自身もこの作品を本当に皆さんに届けたい一心で今日まで取り組んできました。こういう時だからこそ、一人でも多くの方に観てほしいです。見どころは、どのシーンも「見どころ」です。素敵な言葉と音楽がたくさん溢れてる舞台です。その一つ一つに注目して欲しいですし、1人1人の気持ちが皆さんに届けばと思います。全公演最後まで健康に気をつけて全力でがんばります。

◆明音亜弥(スピカ役)
音楽劇『星の飛行士』にて、星の住人、スピカ役を演じさせていただきます、明音亜弥です。
今この時にお芝居を観ていただけること、演劇ができる奇跡に感謝いたします。この「演劇の毛利さん」というプロジェクトに携わり感じたことは、全ての方の努力と希望、作品を届けたいという尊くて熱い意志です。そして、「星の飛行士」はその想いが具現化されたような魂の作品だと思います。誰しも孤独や不安を平等に抱えている今、同じ感情を抱く仲間です。私も同じ仲間ですが、“スピカ”を通して皆様と明るく前向きな一分一秒を過ごせることが楽しみです! 今できることを大切にがんばります。よろしくお願いいたします!

◆山川ありそ(レグルス役)
音楽劇『星の飛行士』にて、星の住人、レグルスを演じます、山川ありそです。
リアルとファンタジーで紡ぐアントワーヌ・ド・サン=テクジュペリの物語。何を大切のするのか。何を目標とするのか。何をもってして生きるとするか。今、問われる演劇の現実が詰め込まれているように僕は思います。
まぁ、そんな事とか関係なしに楽しんでいただければ幸いです!ご観劇お待ちしております。

◆竹内尚文(デネブ役)
この度、音楽劇『星の飛行士』にて星の住人の一人、デネブ役を演じさせていただきます、竹内尚文です。
座組全員が一丸となり作り上げた、今だからこそ出来る美しいお話です。お客様がどんな感想を抱くのか、とても楽しみです。星の住人の皆は劇中色んな役をやりますので、ご注目くださいませ!
劇場で、はたまた画面の向こうで皆様をお待ちしております。どうぞお楽しみに。

◆ザンヨウコ(カペラ役)
音楽劇『星の飛行士』カペラ役を演じさせていただきます、ザンヨウコです!
今回は初めましての方が多かったですし、人と人との触れ合いが難しい状況ではありましたが、お稽古を重ねていきカンパニーの皆さんと心を通わせることが出来たのではないかと思っています。大切なものは何なのか。そんな普遍的な事を考えさせられる作品です。大変な時ではありますが、もし、ご都合が許せば一緒に星の世界へ参りましょう!!

◆岡田達也(レオン・ウェルト役)
とても残念なことですが「絶対に観にきてくださいね!」なんて、気軽に言えない世の中になってしまいました。それは重々承知しているつもりです。それでも「人には生きるは楽しみ」が必要だと思うのです。生きるということが苦痛なだけではしんどいじゃないですか。図々しいのを承知で言わせてもらえるなら、演劇がその一部になれたら・・・と切に願います。
“生きる”ということは、どこに、何に、価値を見出すのか?
そんなことに触れていただけたら幸いです。

◆池田純矢(飛行士役)
命をかける価値のあるもの。
それぞれの立場で、環境で、生活で、“価値”は大きく揺らいでいるのだと思います。それでも、変わらず己の中に燦然と輝く“価値”があります。
音楽劇『星の飛行士』の劇世界を通して、その煌めきをぜひともお客様にお届けしたい、そしてそれが出来る幸せを噛み締めるのが、“今”で良かったと心から思います。
たった2時間の間に巻き起こる人生と言う旅を、どうぞ存分にお楽しみ下さいませ。

◆良知真次(リヴィエール役)
支配人リヴィエール役を演じさせていただきます、良知真次です。
演出家、毛利さんの新たなプロジェクト「演劇の毛利さん」の第1弾作品。音楽劇『星の飛行士』はキャスト・スタッフ力を合わせて、シーンを1つ1つ作っていきました。まだまだ大変な状況が続きます。最後まで諦めずに取り組んでいきたいと思います。
NEVER GIVE UP.
ご期待ください。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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