2020年12月5日（土）に東京・明治座で原嘉孝（ジャニーズJr.）が主演を務める舞台『両国花錦闘士』が開幕。初日公演の前に公開ゲネプロと会見が行われ、原の他、大鶴佐助、大原櫻子、紺野美沙子、りょうが登壇し、初日を迎えての意気込みや稽古場での裏話を明かした。
本作は、繊細にして流麗なタッチのイラストと独特なユーモアで多くの熱狂的ファンを持つ漫画家・岡野玲子による異色の相撲漫画「両国花錦闘士」の初舞台化。作・演出は、青木豪が手掛け、主演は、歌・ダンス・芝居と三拍子そろった若手実力派俳優として活躍するジャニーズJr.の原が務めている。
共演に大鶴、大原、木村了（特別出演）、入江甚儀、徳永ゆうき、岸本慎太郎、根岸葵海、大山真志、橘 花梨、加藤梨里香、市川しんぺー、福田転球、伊達 暁、紺野、りょう、と、若手からベテランまで幅広いジャンルの個性豊かなキャストが顔を揃えている注目作だ。
東のソップ（やせ）型で美形の昇龍（原）、西のアンコ（ぽっちゃり）型の雪乃童（大鶴）･･･何もかもが正反対だが、「コイツにだけは負けたくない！」という同じ思い二人が取り組みを始めるところから物語は始まる。“一瞬の勝負”の美しさを極めようとする昇龍と、気持ちの浮き沈みが取り組みの結果に出てしまう雪乃童。2人がいろんな経験をし、周囲の女性に振り回されながら自分の行く道を見つけて成長していく姿が描かれている。
これまでの相撲のイメージを覆すようなポップで華やかなショーが随所で展開され、まさに“おしゃれ”な相撲を観ることが出来る。冒頭では、本作の主題歌を務めるデーモン閣下の楽曲に乗って迫力のあるオープニングを観ることが出来、その時点でもう心は『両国花錦闘士』にがっつりと掴まれてしまうだろう。
見事な“裸体”を披露する力士たちの他、2人の熱戦を取材し続ける相撲雑誌の記者・橋谷を演じる大原の力強くかわいらしい歌声や、妖艶な魅力で昇龍の心をかき乱していく大手芸能事務所女社長・桜子（りょう）の色気も魅力的。個性豊かなキャラクターたちがさらに物語を華やかに物語を盛り上げている。力士2人の成長と勝負の行方、そして魅力的な女性たちとの関係がどうなっていくのか･･･見逃せない展開が続く。
会見に登壇したのは原、大鶴、大原、紺野、りょう。5人はフォトセッションで仲良く息を合わせてピースしたり、“どすこい”ポーズを決めたり、チームワークの良さを垣間見せ、和やかな雰囲気で会見は始まった。ソップ（やせ）型の力士であることにこだわりを持つ美形力士・昇龍を演じる原は「コロナで大変な時期に初日を無事に迎えられるのは僕たちにとってすごく幸せなことで、やっとこの作品をお客様に届けられるなとうれしい気持ちでいっぱいです」とうれしさを噛み締めながらコメント。
また、昇龍のライバルであるアンコ（ぽっちゃり）型の力士・雪乃童役の大鶴も「本当に無事に初日の幕が開くのがうれしくて。ここからだなという気持ちで、みんなで一丸となってこの作品を育てていきたいと思います」と喜び、相撲雑誌の記者・橋谷役の大原は「こういうご時勢でエンターテインメントを出来ることをうれしく思います。今のところはキャスト、スタッフ全員、怪我無く体調も良く迎えられているので、最後まで駆け抜けられるようにがんばりたいと思います」と意気込んだ。
歪んだ愛情で昇龍を翻弄していくことになる大手芸能事務所の女社長・桜子役のりょうは「あとは楽しむだけというか、とにかく皆さんに笑っていただきたいという気持ちでいっぱいです。楽しんで帰っていただきたいなと。そのためなら私達沢山“どすこい”したり四股
を踏んだりするので楽しみに観に来ていただきたいです」と呼びかける。
“元祖・スー女”で知られ、雪乃童が所属する相撲部屋のおかみ役で出演する紺野は「初日を迎えることが出来てドキドキワクワクしております。ただ、初日の幕が下りるまで正直、実感がわかないという気持ちでおります」としみじみ。
今回、明治座で初座長を務めることになった原は「稽古場のキャスト、スタッフ全員が僕の事を支えてくれて、（大鶴、大原、りょう、紺野は）毎晩のように連絡くださって。『大丈夫だった？』とか、すごく支えられました」と感謝を伝えた。また、初日前日には「ついに明日迎えると思ったらいろんな気持ちがこみ上げちゃって、思わず連絡しちゃったんだすけど･･･」とこぼすと、大鶴から「泣いた？」という質問が。大鶴は原について「すぐ泣くんですよ」と語り、「プライベートで芝居の話をしてると『大丈夫、一緒にやっていこうよって』、そしたら･･･」と原が声を出して泣く様子を教えてくれた。
大鶴からの暴露に照れ笑いしつつ、原は「（座長が）僕で良いのかなとも思いましたし･･･素晴らしいことだと思うんですけど、いい意味でやることは変わらなくて。座長でも座長でなくても、役と向き合うことしかできないと最初に伝えたし、それでいいと言ってくださったので、いい意味で今は不安なく堂々と立っていればいいかなと」とキャストやスタッフに支えてもらったことで自信を持つことが出来たという。
力士役ということで、劇中では立派な身体を披露しているが、2月にプライベート筋トレを始め7～8kg増えていたところで、昇龍役をやることになってそこから2kg絞ったとか。さらに、「力士役をやるにあたってプロデューサーさんからは『もうこれ以上はやらないでほしい』と（笑）。炭水化物とか脂質を抜いた生活をしていたんですけど、プロデューサーさんやりょうさんがお弁当を稽古場に作って来てくれて『食べないとだめだぞ』って･･･（笑）」と驚きのエピソードが飛び出し、りょうは「息子に毎日お弁当を作っているので一緒に」と裏話を。原は印象的だったメニューを聞かれるもどれも印象的だったのか、中々すぐに思いつかず、りょうから「二度と作らない（笑）」と言われてしまった。
キャスト、スタッフに支えられ、自身でも座長らしいことはしていないと語る原だが、そんな原の“座長”っぷりについて質問が飛ぶと、大鶴は「役に対する真っ直ぐな姿勢を見せてくれて、それこそ座長のあるべき姿なんじゃないかなって。いい感じでみんなが原ちゃんの求心力に引っ張られていた」としみじみ。
ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc2で共演経験のある大原も「ずっと原ちゃんの姿を見てきて、勤勉でマジメですし、人に優しいですし、座長をやるって聞いた時に泣き虫なところだけ大丈夫かなって思っていたんですたけど（笑）、芝居に対する姿勢などすごく尊敬しています」と芝居に対する真摯な姿に心を打たれていた様子。また、「今回、佐助さんとの対戦のシーンが多いですけど、2人の稽古場での雰囲気がすごく微笑ましくて。2人が支え合っているなと感じました」と原と大鶴の関係性について語った。
りょうは「初めて昇龍になって稽古場に立たれた瞬間に、とても安心したというか･･･真っ直ぐでお芝居が好きだっていうのが伝わってくるので『ついていこう！』って思いました」と笑顔で語り、紺野は「（原、大鶴、小原は）相撲で言う“心・技・体”が揃っているんですよね。素晴らしいなと思って。角界だったら、三役級で、大関、横綱を狙えるような3人なので、私は若者に迷惑かけないようにとそれだけ考えていて、これからも迷惑をかけないように皆さんについていきたいと思います」とコメントした。
終始和やかな雰囲気で進んだ会見。最後に原が「千秋楽まで一致団結して突っ走っていくので最後まで応援のほどよろしくお願いします。ぜひたくさんの方にご来場いただければと思っています」とメッセージを送り、会見を締めくくった。
舞台『両国花錦闘士』は東京、大阪、福岡で上演予定。上演時間は第1幕1時間20分、休憩30分、第2幕1時間10分を予定している。
（取材・文＝エンタステージ編集部3号／撮影：田中亜紀）
公演情報
『両国花錦闘士』
【東京公演】2020年12月5日（土）～12月23日（水） 明治座
【大阪公演】2021年1月5日（火）～1月13日（水） 新歌舞伎座
【福岡公演】2021年1月17日（日）～1月28日（木） 博多座
【原作】岡野玲子(小学館クリエイティブ「両国花錦闘士」)
【作・演出】青木豪
【主題歌】デーモン閣下
【出演】
原嘉孝(ジャニーズJr.)／大鶴佐助 大原櫻子／
木村了(特別出演)、入江甚儀、徳永ゆうき、岸本慎太郎(ジャニーズJr.) 、根岸葵海(ジャニーズJr.)、
大山真志、橘花梨、加藤梨里香／市川しんぺー、福田転球、伊達暁／
紺野美沙子／りょう
皇希、南誉士広、梅澤裕介(梅棒)、遠藤誠(梅棒) 、中村味九郎、松田拓磨、遊佐亮介、近藤廉
【公式サイト】 https://www.ryogoku-oshare-rikishi.com/
【公式twitter】 https://twitter.com/sanjushi_MTV
(C)2020『両国花錦闘士』
