『MISHIMA2020』開幕&配信!東出昌大、菅原小春、伊原六花らが三島由紀夫作品の新釈で


2020年は、戦後の日本文学界を代表する作家・三島由紀夫が自決した衝撃的な事件から50年。死後なお、世代や国境も超えて人々に大きな影響を与え続けてきた作品たちを、三島由紀夫没後に生まれた4名の演出家が新たな解釈で描く『MISHIMA2020』が、9月21日(月・祝)・9月22日(火・祝)、9月26日(土)・9月27日(日)の4日間、日生劇場にて上演される。

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三島由紀夫没後50周年企画として上演される本作に参加するクリエイターは、加藤拓也、熊林弘高、長久允、野口絹代。

加藤は、実際に伊豆で起きた海難事故を題材に、二人の子どもと義理の妹を失った女性の心情を、巧みな心理描写で描いた『真夏の死』を原作に、新戯曲として日本初演。出演は、中村ゆりと平原テツ。

熊林は、「近代能楽集」に収録され、海外でも高い人気を誇る『斑女』を取り上げる。男が残した扇を大事に抱きながら再会を待ち続ける花子の愛と、花子を独占することに喜びを感じる実子の愛。女性の情念の深さを描く戯曲に、麻実れい、橋本愛、中村蒼が挑む。

映画監督・映像作家として活躍する長久は、これが初の舞台作品演出。仲間から決起に誘われなかった中尉が、叛乱軍とされた仲間を逆に討伐しなければならなくなった立場に懊悩し、妻と心中する『憂国』を『(死なない)憂国』としてアレンジ。時代を令和に移し、コロナ禍でライブハウス消滅の危機を憂う夫妻が、大胆なメッセージを放つ作品に仕上げる。出演は、東出昌大と菅原小春。

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そして、劇団快快(ファイファイ)所属で振付家としても活動する野上は、満月の夜に“7つの橋”を舞台に願掛けをする4人の女性を描いた『橋づくし』を、小説からは想像もつかない女性たちの肉体から溢れるパワーがほとばしる作品として再構築。伊藤六花、井桁弘恵、野口かおる、高橋努という異色の取り合わせで、これまでとは全く異なる切り口で三島の世界を表現する。

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なお、本作は2作品ずつオムニバス形式で上演。9月20日と21日は『橋づくし』『憂国』、9月26日・27日は『真夏の死』『斑女』を上演。

また、21日と27日の公演ではぴあ「PIA LIVE STREAM」でオンライン配信上演が行われる(21日は無観客配信、27日は有観客配信)。詳細は、以下のとおり。

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『MISHIMA2020』オンライン配信 詳細

【配信公演】
9月21日(月・祝)20:00
9月27日(日)16:00

【配信期間】
9月21日公演/9月21日(月・祝)20:00~9月23日(水)23:59
※チケット販売は23日20:00まで
9月27日公演/9月27日(日)16:00~9月29日(火)23:59
※チケット販売は29日20:00まで

購入URL:https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=MISHIMA2020

【販売価格】定価:2,800円
【配信時間】約120分

初日前に行われた公開ゲネプロには、『(死なない)憂国』と『橋づくし』の出演者が登壇した。以下、コメントを紹介。

『(死なない)憂国』

◆東出昌大
三島さんも生前よく通われていたという日生劇場で、公演できることを嬉しく思います。この大変な時代に、本当に“生きる”というのは何だろうと考えながら、長久さん、菅原さんと毎日考えながら稽古を積んできました。劇場に足を運んでくださるお客様、また、生配信でご覧になってくださるお客様が、観劇を終えたあとに「よし、明日も生きよう」と思ってくださるような作品をお届けしたいと思います。ぜひ、ご覧ください。

◆菅原小春
「三島さーん!こんな風に生きちゃってますけど」って届けられるように。細胞、魂、もっと中から出てくるものをここに残します。三島さんもきっと見に来てくれると思うので、挑戦していきたいと思います。よろしくお願いします。

『橋づくし』

◆伊原六花
稽古場でも笑いが絶えず、三島由紀夫さんの計算された作品と、野上さんの一歩飛び越えていくようなアイデアが合わさって、本当に素晴らしい、元気の出る作品になったと思います。ぜひその元気を受け取っていただけたらなと思います。

◆井桁弘恵
私は、これが初めての舞台になります。昨日寝つけないくらい緊張しているのですが、この作品はエネルギッシュでパワーのある作品なので、この日生劇場から皆さんにパワーを届けられるようにがんばりたいと思います。

◆野口かおる
これから7つの橋を、願い事を持って渡ります。とにかく、無事に渡りきって成功させたいです。そして、だいぶ新感覚な作品になっていると思いますので、おそらく三島由紀夫先生も、目をギョロつかせて前のめりに見ていただけると思います。一生懸命橋を渡りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

◆高橋努
今回演じるのは、かわいい少女役なんですが・・・、さっき楽屋から出て、ばったり会った東出に笑われました(笑)。ギャップがね(二人は映画『クローズEXPLODE』以来の再会だった)。三島由紀夫先生の美的感覚に乗せた野上さんの発想を、少しでも僕の肉体を使って体現できたらいいなと思います。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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