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舞台『スケリグ』再演、開幕!浜中文一、再演でも“奇跡”を望む

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浜中文一の主演舞台『スケリグ』が、2020年7月31日(金)から東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて開幕した。本作は、ウォーリー木下の演出で2019年に上演された作品の再演。初日前日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、演出のウォーリー木下、主演の浜中、そして金子昇、瀬戸カトリーヌが登壇した。

「スケリグ(Skellig)」は、イギリスの作家デイヴィッド・アーモンドが1998年に書いた児童書。優れた児童書に贈られるカーネギー賞や、ウィットブレッド児童文学賞(現コスタ賞)を「ハリー・ポッター」を抑えて受賞した傑作ファンタジーだ。日本では「肩胛骨は翼のなごり」(山田順子訳・創元推理文庫刊)の邦題で出版されている。

浜中は、初演時に“ハマり役の一つ”と呼び声の高いスケリグ役に再び挑む。初演からは金子、瀬戸のほか、奥村佳恵、工藤広夢が続投。そして、新キャストとして大東立樹(ジャニーズJr,)、清水ららが加わる。

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【あらすじ】
古い家に引っ越したマイケル(大東)は、荒れ庭のガレージの片隅で、ボロ雑巾のような「彼」を見つけた。ホコリと虫の死骸まみれの服、捻じ曲がった身体、その背中には奇妙なものが生えていた。
彼の名前は「スケリグ」(浜中)。
マイケルにはまだ赤ちゃんの妹がいる。でも重い病気で、パパ(金子)とママ(瀬戸)は妹にかかりきり。マイケルは隣の家の女の子・ミナ(清水)と一緒に、スケリグを助けようと秘密の活躍を始める。月明かりの中の冒険、廃墟に住むフクロウたち、小さな妹への想い、そして、とても不機嫌でとても不思議なスケリグのくれる奇跡――。
無垢な心が見つめる生と死・・・、ファンタジックな世界から大切なものが伝わる、切なくてあたたかな救いのストーリー。

無事に幕を上げた本作だが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、予定していた全国公演のうち半分以上の都市で中止が決定、東京公演も8公演の中止が決まるなどの影響を受けた。取材開始前、プロデューサーの江口剛史氏(シーエイティプロデュース)は、「上演するかどうか、かなり悩んできた」と語った。

劇場では、消毒、スタッフのマスク・フェイスシールドの着用のほか、政府や自治体が推奨するガイドラインに沿って、客席数は50%以下、座席は感覚を空け(連番は2枚まで)、開場時間を45分前に変更、舞台上の出演者と最前列を2m離すなどを実施。出演者・全スタッフが事前のPCR検査を受けたという。

また、劇中に途中休憩はないが換気のため2回客席の扉を開け、舞台セットも初演とは変更し高さを出して距離を取れるように変更。キャストは口元に透明なマウスシールドを着用して芝居をするなど、できる限りの対策を講じている。

江口氏は、「これは奇跡の物語です。私たちは、この奇跡の物語を伝えていきたい。今、全公演を無事に終えることが奇跡と言えるのかもしれません。でも、それは何とか努力し合えば生まれる奇跡かもしれないものです。千秋楽まであたたかく見守っていただければと思います」と主催としての思いを語った。

公開ゲネプロを終え、会見に臨んだ浜中は、「(再演が)決まったと聞いたのはちょうど去年の年末の頃だったんですけど、言われた時は『すぐやん!そんなすぐ?』みたいな感覚でした(笑)。でも、その時になってみたら、こういう状況で・・・。明日もどうなるか分からない現状だけど、なんとかここまで来ることができました」と、ひょうひょうとしながらも感慨深げな様子。

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稽古期間も、稽古方法も、影響を受けた。金子は「Zoomでの本読みから始まったんですよ。台本自体は少し変わっただけなので、僕たち初演組は、身体に染みついたものがあったからできたけど、初演組の子たちは相当苦労したんじゃないかなと思います。稽古期間も、前回の半分くらいだったので」と振り返った。

マウスシールドを付けて芝居をするのも、一同初めての経験。マスクよりはしゃべりやすいが、汗でずれたり、袖にはける度にきれいに拭き取ったりと大変なことも多いそうだが、「表情が見えるから、安心感はあります。付け心地も衣裳さんが気にしてくださって、耳にかける部分がストッキングになっているんですよ」と瀬戸。

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出演者は音楽・演奏を手掛ける吉田能を含めて8名だけ。しかし、金子は細かいものを含めると5役以上を演じているそうで、「再演が決まった時は本当に嬉しくて楽しみで、やっていると休憩時間がないぐらい忙しいのでクタクタになるんです。達成感があります(笑)」と裏側のドタバタを明かす。

浜中も、スケリグ役を含め8役ほど担当しているとのこと。衣裳やウィッグを変えながら、赤ちゃんの声を演じていたり、見えないカーテンの裏で楽器を鳴らしていたりするんだそう。

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この作品には、ウォーリー木下が「小さい頃から考えていたような、演劇として大事にしていること」がたくさん使われているという。「劇中の音は、一つのSEを除いてすべて生で演奏してもらっています。本当は、みんなに照明とかもやってほしいくらいなんだよ(笑)。それぐらい、手作り感というか、ホームメイドな温もりのある原作なので、こういう時期だからこそ伝えられることがたくさんある公演になりそうです」と、生で演劇を届ける意義を語った。

謎の存在、スケリグ。「初演の時からずっと考えているんですけど、正直何者なのか、僕も分かってないです」と浜中の中にも断定的な像はないという。ウォーリー木下が「毎回違う感想を持つよ。今日は文ちゃんのおじいちゃんに見えた(離れていて会えない存在として)」と言うと、浜中は「僕の(実際の)おじいちゃん、昨日からLINE始めたんですよ。80歳超えなんですけど。『仕事、ごくろうさん』ってメッセージが来ました」と、奇跡(?)的なタイミングで起こった出来事を教えてくれた。

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最後に、浜中は「僕個人の話ですが、自粛期間前、3月にもこの劇場に立っていたんですよ(『スマホを落としただけなのに』)。その公演は途中で中止になってしまったので、消化不良だったんですが、この『スケリグ』で同じ劇場に立たせてもらって、僕はまだ芝居をしていてもいいんだと感じました。簡単に観に来てとも言えない中ですが、来てくださる方には感謝しかないですし、来てくださったからにはストレスなく、安心してゆっくり観てもらえるように、僕たちは精一杯やります。スケリグという存在について、終わってから『なんだった?』って考えてもらえると嬉しいです」と決意を新たに締めくくった。

「何が望みだ?」と問われたら、様々な想いの中で準備された舞台の数々が、みな、無事に幕を降ろせることを願ってしまう。

舞台『スケリグ』再演は、以下の日程で上演。上演時間は約1時間55分を予定。

【東京公演】7月31日(金)~8月16日(日) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
【大阪公演】8月22日(土)・8月23日(日) 松下IMPホール
【愛知公演】8月25日(火) 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
【所沢(埼玉)公演】9月11日(金) 所沢市民文化センターミューズ マーキーホール

※亀山(三重)公演、上尾(埼玉)公演、鴻巣(埼玉)公演、長野公演、野田(千葉)公演、高知公演、東京公演8公演は中止

【公演詳細】https://db.enterstage.jp/archives/1873

(取材・文/エンタステージ編集部 1号、撮影/岡千里)

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