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PUBLIC∴GARDEN!『銀河鉄道の夜』オンラインゲネプロレポート――今、考える“ほんとうの幸(さいわい)”

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2020年7月5日(日)と7月7日(火)に、PUBLIC∴GARDEN!(パブリックガーデン!)のオンラインリーディング公演第3弾『銀河鉄道の夜』が配信される。これに先駆け、前日に行われた公開ゲネプロの模様をレポート。開始前には、PUBLIC∴GARDEN!(パブリックガーデン!)の元吉庸泰、米原幸佑、板倉光隆、そして日替わりゲストとして出演する小西成弥、黒沢ともよが意気込みを語った。

PUBLIC∴GARDEN!によるZoomを利用したオンラインリーディング公演は、読『芥川龍之介 地獄変』、辻仁成原作の『ピアニシモ』に続き、3公演目となる。今回は、宮沢賢治の名作を朗読・生配信用に元吉がリメイク。桑原まこが生演奏に乗せ、読み手は3人と少人数でシンプルな朗読劇に仕上げた。

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毎回、企画立ち上げから上演まで約10日とスピーディな作品作りをしている彼らだが、今回もその「やろう」という衝動を大切に進めてきたという。今回、宮沢賢治の名作を選んだ理由について元吉は、「シンプルだけど力のある物語を、表現者としてどれだけ届けられるかトライしてみたい」という意図からだったと説明した。

コロナ禍が続き落ち着かない中、「できる形で少しでもいいものを届けたい」と、機材や通信環境も見直すなど、良いものを届けたいという一心でできることを惜しまずやってきたPUBLIC∴GARDEN!の面々。板倉は、「以前から敷居が高いと言われてきた演劇が、コロナの影響でさらに敷居が高いものになってしまっている気がします。でも、オンラインなら日本全国、携帯やパソコンがあれば作品に触れてもらえます」と語る。

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本作は2夜限りの上演となるが、「ジョバンニ」役は小西(5日)と黒沢(7日)が日替わりで務める。小西は、まだ板倉と黒沢には直接会ったことがない中での作品作りになったそうだ。リモート稽古で、「今まで一度もお会いしたことのない方とお芝居をすることはなかったのですが、会ったことがなくても(芝居は)できるんだなと・・・(笑)」と、稀有な経験を噛み締めながら、「共演者の方もお客様も画面の前にいるので、どちらにもしっかりと芝居を届けていけたらと思っています」と意気込んだ。

黒沢は、この『銀河鉄道の夜』に対して深い思い入れがあるようだ。というのも、元吉は主宰する劇団エムキチビートの公演として、2018年末に『銀河鉄道の夜』をモチーフにした『世界の終わりに君を乞う。』を発表。黒沢が主演を務めており、「元吉さんがいらっしゃって、音楽も(桑原)まこさんなので、あの時の状況をまざまざと思い出します。私にとっては肌なじみの良い作品の一つです」と胸の内を明かした。

「何を求めて生きるのか、とか、文章で読むととても難しくなってしまうんですけど、稽古をしてみて、人の声で聞くとこんなにも分かりやすく、温かく聞こえるんだと思う瞬間がたくさんありました。人の心の中には、みんなジョバンニがいるんじゃないかなって思います。今の世を生きるヒントに感じながら、皆さんも私たちと一緒に銀河鉄道で旅をしてくれたらと思っています」と黒沢。

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米原はカンパネルラ役。米原は、以前ジョバンニ役を演じたことがあり(荻田浩一と元吉が既存の文学作品を再構築したDIRECTOR × DIRECTOR Presents 2017『境界線上の物語』)、「今回、カンパネルラ役を演じることで、より深くこの作品を自分の中に落とし込もうと、悩みながらもやってきました」とコメント。

そして、「僕らもお客様も、安全に表現に触れられる場所を求めているのではと感じていまして、このオンラインリーディングも続けていきたいと話し合い、3作目の上演となりました。シンプルに、美しく、“ほんとうの幸(さいわい)”というキーワードを考えながら、安全に楽しく観ていただけたらと思います」と締めくくった。

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あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの 小いぬ
ひかりのへびの とぐろ――

宮沢賢治が書いた「星めぐりの歌」の歌詞が、電脳空間にじんわりと響く。桑原が奏でる音楽には、きっと『世界の終わりに君を乞う。』を観劇した方は心をきゅっと掴まれるだろう。

参考記事:【動画】エムキチビート produce 音劇vol.2『世界の終わりに君を乞う。』公開ゲネプロ

これまで、回を重ねる度にZoomの機能を使いこなしてきた彼らだが、今回は白黒の夜景という背景機能のみでシンプルに読み聞かせる。その分、画面の向こうの俳優の芝居もシンプルに際立つ。台詞をこちら側に投げかける度、星のようにきらめく小西の目が印象的だった。このきらめきは、黒沢が演じたらまた違った色に見えそうだ。

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本作で繰り返し出てくる、“ほんとうの幸(さいわい)”という言葉。宮沢賢治は、この『銀河鉄道の夜』の推敲を晩年まで繰り返している。その中で、“ほんとうの幸(さいわい)”はより輪郭をあいまいにしていったようだ。何が最善で、どうしたらよかったのか。価値観を急激に変化させられる今、表現者たちが模索する“幸(さいわい)”を、一緒になぞってみてはいかがだろうか。夏の夜の深い時間、できれば窓を空けて、夜風に当たりながら。

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公演情報

PUBLIC∴GARDEN! オンラインリーディング公演 vol.3『銀河鉄道の夜』
【原作】宮沢賢治
【演出】元吉庸泰
【出演】米原幸佑、板倉光隆、小西成弥(5日)/黒沢ともよ(7日) ピアノ:桑原まこ

【あらすじ】
ジョバンニは星祭りの夜に旅に出る。
星々を巡る旅を。目の前の席には、親友のカンパネルラ。
本当の幸いを探し。
銀河鉄道に乗って。

【日時】
7月 5 日(日)22:00開演
7月 7 日 (火)22:00開演
※開場は開演の30分前

【劇場】ZOOM THEATER

【チケット】
前売券:1000円(税込)
※販売期間:6月30日(火)21:00~各公演日前日まで
当日券:1200円(税込)
※前売り券・当日券共に、先着順の販売(定員になり次第締切)
購入先:https://match-ing.jp/ginga_tetsudou/

(取材・文・画像作成/エンタステージ編集部 1号)

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