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億単位の損失も氷山の一角・・・演劇の「中止・延期による損害額に関する緊急調査」に見える深刻な実態

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新型コロナウイルスによる演劇界の危機的状況を受けて緊急的に組織された「緊急事態舞台芸術ネットワーク」が、「公演の中止・延期による損害額に関する緊急調査」を実施し、その結果を公表した。

この調査は、2月26日に政府による突然の自粛要請を受けて以来、公演の中止延期が相次いだ演劇界の損害の実態を把握するために4月14日より順次実施されたもの。情報の守秘と回答の公正さを保つため、骨董通り法律事務所(福井健策弁護士・寺内康介弁護士)が協力し、同事務所が質問・回答回収・追加質疑・集計を行った。

これまで、中止された公演・コンサートによる逸失収入額の推計は発表されているが、公演収入がゼロになった結果、経費の概算によって実際にどれだけの損害額(赤字額)が生じたかは、公となっていなかったため、その実態が明らかにされていなかった。

【内閣府HP「新型コロナウィルス感染症の実体経済への影響に関する集中ヒアリング」関連資料】

調査対象は、演劇イベントを主催する主催団体と、装置、照明などを担うスタッフ会社。中止・延期はあまりに膨大な数の公演と団体におよぶため、まずは4月10日以前に中止・延期を決定した5月末までの公演のみを対象に、数万から数十万動員規模の公演の中止・延期が想定される団体に協力を依頼(中小規模の公演の損害も深刻であり6月以降の中止・延期公演も多発、今回報告された損害額は一部に過ぎないため今後も調査していくとのこと)。5月7日時点の有効回答数は22(主催団体16、スタッフ会社6)だった。

回答した主催団体(規模/1~20名:6社、51~100名:2社、100~300名:4社、301名以上:4社)が中止・延期したステージ数は、1~50ステージが5社、51~100ステージが5社、101~200ステージが2社、201ステージ以上が4社と回答。

「中止・延期の損失額」については、
1億円未満:2社
1~5億円未満:7社
5~10億円未満:2社
10~30億円未満:3社
30億円以上:2社

損失額のうち「自己負担額」については、
1億円未満:3社
1~5億円未満:6社
5~10億円未満:2社
10~30億円未満:4社
30億円以上:1社

「持続化給付金」「雇用調整助成金」「資金繰り支援」「寄付金控除特例」「Go To Event・グローバル需要創出促進事業」など、主な政府支援策については大方利用意向を示したものの、現状の支援策を利用した場合の事業継続可能性については「可能」が50%、「困難/大幅縮小不可避」が37.5%(「どちらともいえない(無回答含)」は12.5%)とし、約半年後に1社、1年以内に2社が「事業継続困難/大幅縮小不可避」となると回答した。

また、スタッフ会社(規模/1~20名:1社、51~100名:2社、101~300名:1社、301名以上:1社、無回答:1社)は、「中止・延期の損失額」「自己負担額」ともに集計中のところが多く、まだ実態把握に至っていなかった。

しかし、現在の支援策を利用した場合も事業継続の可能性について、すでに「困難/大幅縮小不可避」と回答したところが3社、またその予想時期が「半年以内」としたところが2社、「1年以内」としたところが1社あり、より深刻な実態が見えてきた。

さらに、今回調査した団体のもとからの受注で生計を立てているさらに「中規模」「小規模」のスタッフ会社や、フリーランスもいるため、膨大な方々の生活に多大なダメージを与えていることが予想される。

アンケートには、
「年内の興行が難しければ、会社休眠あるいは倒産は致し方ない」
「2021年4月頃、事業継続は不可能になる」
「チケット収入が絶たれた後で、中止になった補償をいかに支払うかを処理する日々です。 そのうえ今後も売上がなく、固定費だけが出ていく時期がしばらく続くと考えると特別貸付だけ では夏までは到底持ちそうにありません」
「すべて借り入れでまかなうので、体力が続かない可能性も否定できず、不安」
「収入0で、支援策利用しても1ステージで数千万円以上の負債、理不尽過ぎます。中小企業一社ではとてもまかないきれません」
といった悲痛な声が寄せられた。

【緊急事態舞台芸術ネットワーク】http://www.jpasn.net/

<参加団体>(50音順)
株式会社アート・ステージライティング・グループ/アール・ユー・ピー/アミューズ、/株式会社梅田芸術劇場/M&Oplays/大人計画/KAAT神奈川芸術劇場/金井大道具/紀伊國屋ホール/株式会社キューブ/株式会社キョードーファクトリー/劇団四季/劇団☆新感線/劇団青年団/こまばアゴラ劇場/江原河畔劇場/ゴーチ・ブラザーズ/コマデン/彩の国さいたま芸術劇場/シーエイティプロデュース/クリエイティブ・アート・スィンク/シス・カンパニー/松竹株式会社/SPAC―静岡県舞台芸術センター/世田谷パブリックシアター/株式会社東急文化村/東京グローブ座/東京芸術劇場/東宝株式会社/ナッポスユナイテッド/日本演劇興行協会(歌舞伎座、新橋演舞場、帝国劇場、シアタークリエ、明治座、御園座、南座、新歌舞伎座、大阪松竹座、博多座)/ネルケプランニング/NODA・MAP/俳優座劇場/株式会社パルコ/ポリゴンマジック/ホリプロ/株式会社マーベラス/株式会社明治座/吉本興業株式会社/ライティングカンパニーあかり組/リコモーション/ワタナベエンターテインメント

<賛同団体>(50音順)
劇場・音楽堂等連絡協議会/一般社団法人コンサートプロモーターズ協会/全国小劇場ネットワーク/中劇場協議会/日本演出者協会/一般社団法人日本音楽事業者協会/一般社団法人日本音楽制作者連盟/一般社団法人日本クラシック音楽事業協会/日本劇作家協会/公益社団法人日本劇団協議会/舞台芸術制作者オープンネットワーク/文化芸術推進フォーラム

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