唐十郎×杉原邦生×若村麻由美でアングラの金字塔『少女仮面』上演決定


2020年1月に、唐十郎作『少女仮面』の上演が決定した。本作は、1969年に早稲田小劇場・鈴木忠志が主宰する早稲田小劇場に書き下ろされたもので、のちに岸田國士戯曲賞を受賞。唐十郎作品の中でも人気の高い作品だ。今回の演出を手掛けるのは、「木ノ下歌舞伎」などで知られKUNIOを主宰する杉原邦生。伝説の大スター・春日野八千代役として主演を務めるのは若村麻由美。若村は、これが唐戯曲初挑戦となる。
さらに、少女貝役に木崎ゆりあ、老婆役に無名塾出身の大西多摩恵、ボーイ主任役に大堀こういち、ボーイ役に井澤勇貴、新人の水瀬慧人、杉原作品への出演も多い武谷公雄、田中佑弥といった多彩な顔ぶれが揃った。

以下、杉原のコメントを紹介。

◆杉原邦生(演出)
僕たちは当たり前のように自分の肉体が在り、名前が有り、社会的存在保証がある、と、思っている。しかし、それらが本当に<ある>とどれだけの人が言い切れるだろう。
いかに早く、安く、楽に他者とコミュニケートできるか。そのことに一番の<価値>が見出され、直接的コミュニーケーションが<煩わしさ>という汚名とともに地位を下げ続ける情報化社会の中で、どうやら僕たち自身の<ある>という感覚すらも、とても怪しく、疑わしい<情報=データ>でしかないような気がしてくる。
元宝塚スター・春日野八千代は、すべてをむさぼり取ろうとする少女ファンたちに自分自身を与え続けた結果、己の肉体の在り処すらも見失ってしまった。そんな彼女が彼女自身の<ある>を獲得するため愛と肉体を求めるその姿を、ただの<狂気>と言い捨てるには、あまりにも現代社会全体が<狂気>にまみれすぎているように思える。
唐十郎が1969年に生み出した『少女仮面』には、現代(いま)だからこそ迫ってくる切実さが満ち溢れている。今回はこの作品を、現代を生きる僕たちの<実在>のための物語として、クールかつスタイリッシュに描き出したいと考えている。

肉体のありかを見失った一人の女の物語が、1969年から2020年へ。アンダーグラウンドの世界が新たに読み解かれる。

『少女仮面』は、2020年1月24日(金)から2月9日(日)まで東京・シアタートラムにて上演される。チケット発売は、2019年11月16日(土)から一般発売開始。

【公式サイト】http://tristone.co.jp/shojyo/
【公式Twitter】@shojyokamen

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