野田秀樹×気鋭の演出家シリーズ第五弾! 野上絹代演出『カノン』再演


2020年3月に東京芸術劇場で、作・野田秀樹、演出・野上絹代による演劇『カノン』が上演される。また、10月26日(土)に東京芸術劇場で、画家・アーティストの荻野夕奈による本作のメインビジュアル作成過程を公開するライブペインティングの開催が発表された。

東京芸術劇場は2009年芸術監督に野田秀樹を迎え、その優れた戯曲を気鋭の演出家の手によって上演するシリーズに取り組んでいる。2010年に第一弾として松尾スズキ演出による『農業少女』を、2014年2月には第二弾としてマルチェロ・マーニ演出による『障子の国のティンカーベル』を上演。第三弾は、演劇界若手で異色の存在感を放つ、マームとジプシーの藤田貴大が野田の劇団「夢の遊眠社」時代の代表作の一つ『小指の思い出』に挑戦し、第四弾は、シンガポールの鬼才オン・ケンセン演出の『三代目、 りちゃあど』を上演した。

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第五弾となる今回は、ポップで柔らかなユーモアとハッとさせられる社会性を併せ持ち、常に演劇をアップデートしている劇団「快快」のメンバーとして活躍している野上絹代が2015年、演劇系大学共同制作Vol.3で上演された『カノン』の再演に挑むことになった。

本公演は「浅間山荘事件」を扱っており、演出の野上が取り組んでみたいと思っていたテーマだという。人類の歴史的局面にはいつも思惑、思想が複雑に絡みついており、野上自身が“今”の“日本”に歴史的局面を感じていたこと、この戯曲には思想と理想、人間の本質、そして“若者”の焦燥と躍動が全部詰まっていて、戯曲を読み進めていくうちに本の中から登場人物たちが“自由”を求めて今にも弾けだしそうな勢いを感じたとのこと。

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出演は、2010年に『告白』で映画デビューし、2018年に劇団た組。第17回公演『貴方なら生き残れるわ』で舞台初出演を果たした中島広稀、「ゲスの極み乙女。」ドラムス担当ながら2017年からは女優業に進出したさとうほなみ、野田秀樹演出など数多くの作品に参加している渡辺いっけいの他、応募総数1000人を超える大規模なオーディションを突破した俳優たちに決まった。

また、作品のモチーフとなっている都の権力者、天麩羅判官の屋敷に保管されている絵画、ウジェーヌ・ドラクロアの『民衆を導く自由の女神』、そして沙金がファム・ファタールのイメージであることから、メインビジュアルは女性画家の「絵」を使用したいという演出家のリクエストがあり、画家でアーティストの荻野が担当することに。10月26日(土)に行われるライブペインティングでは、荻野が『カノン』をイメージしながらメインビジュアルを描いていく。

【あらすじ】
牢番の太郎は、囚われの身の沙金に心奪われ牢から逃してしまうが、その罪の放免の為に沙金率いる盗賊団のアジトに潜り込んで『ある事』を探る密偵を都の権力者、天麩羅判官に命じられる。窃盗に対して弱腰の太郎だったが、思想犯で捕らえられた実の弟、次郎を助けるために人を殺め、それをきっかけに罪を重ね、更に沙金への想いを募らせていく。次郎は盗賊団に加わり、信念のもとに行われる盗みを説き、判官屋敷にある『自由』を盗むことを仲間達に提案する。一方、天婦羅判官は屋敷に保管している絵画の『ある事』に繋がる隠された真実を部下に漏らすのだった。

『カノン』は2020年3月2日(月)から15日(日)まで東京芸術劇場で上演。ライブペインティングは東京芸術劇場のロワー広場で昼2:00から5:00頃に開催予定。チケットは、2019年12月7日(土)10:00より一般発売開始する。

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