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古川雄大「夢を携え新時代の令和へ」大竹しのぶ&生田絵梨花ら菊田一夫演劇賞で喜び語る

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第44回菊田一夫演劇賞の授賞式が、2019年4月26日(金)に都内にて行われ、大賞を受賞した大竹しのぶ、演劇賞を受賞した橋爪功、若村麻由美、古川雄大、生田絵梨花、特別賞を受賞した高田次郎が登壇した。

菊田一夫演劇賞とは、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した作家や演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフなどに贈られる賞で、1975年度より過去43回に渡り、数多くの芸術家らが表彰されている。

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大賞に輝いた大竹は、舞台『ピアフ』のエディット・ピアフ役の演技に対しての受賞。「素晴らしい賞をいただき感動しています。『ピアフ』という作品に出会い、演出家の栗山民也さんやスタッフ、共演者たちとともに作り上げたこと、多くのお客様に喜んでいただけたこと。そして、私の心に残る素晴らしい賞をいただけたことに感謝しています」と喜びを語った。

20歳の時に日生劇場で初舞台を踏んだ大竹は「当時は稽古が楽しくて、初日の幕が開くときもワクワクして。舞台に立つことはこんなに楽しいものなんだ!と感じた気持ちは、41年経った今でも続いています」と、舞台人として歩んできた道を笑顔で振り返る。

また大竹は、ある日の『ピアフ』のカーテンコールで、客席後方より舞台へ駆け寄ってきた中年女性から“もう一度「愛の賛歌」を歌ってほしい”と泣きながら言われたエピソードを披露。「そこでもう一度『愛の賛歌』を歌い、観客の皆さんと一緒に『水に流して』を歌ったカーテンコールが忘れられません。演劇というものは一瞬かもしれないけど、人の心に光を当てることができるのだと感じ、演劇をやってきてよかったなと思いました。ピアフの言葉に“歌は自分の肉体であり精神であり魂である”というものがありますが、私も魂を込めて演じていきます」と、感慨深い表情を見せつつ締めくくった。

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舞台『Le Pere 父』におけるアンドレの役で演劇賞を受賞した橋爪は「天才・大竹しのぶと違って、私は舞台に立つことが楽しくも何ともないんですけども(笑)」と冗談を交えながら挨拶。「辞めようと思ったことはないんですが、なんで(俳優という)この商売を選んだんだろうという気持ちになったことはありまして、でもこういう賞をいただくと“もうちょっとやれ”と言われているような気がします。しょうがないからもうちょっとやろうかな(笑)。私が菊田一夫先生の賞に値するかは分かりませんが、とんでもないものをいただいたなという気持ちです」と、笑いで会場を和ませながらスピーチした。

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舞台『チルドレン』のローズ役の演技で受賞した若村は「最初に受賞のお知らせをいただいたときは信じられませんでした。チルドレンは3人芝居で、高畑淳子さんと鶴見辰吾さんがいなければ私はどうなっていたか分かりません。栗山民也さんという信頼・尊敬できる演出家のもとで、東北大震災後の原発処理をする科学者3人の物語を演じられたこと。この作品は全世界で上演されていますが、日本で上演されることに意味があるのだと、お客様にそう言われて気付けたこと。そして、あらためて演劇の力を感じられたことに感謝しています」と挨拶。

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ミュージカル『モーツァルト!』のヴォルフガング・モーツァルト役、『マリー・アントワネット』のフェルセン伯爵役、『ロミオ&ジュリエット』のロミオ役の演技で受賞した古川は「2012年の『エリザベート』で初めてルドルフ役をやらせていただき、同じ作品のトート役に憧れて、いつかこういう役ができるようになりたいという気持ちでミュージカルをがんばっていこうと決意しました。ただ、それまで音楽を学んでおらず、まったく基礎がない状態の自分にとって今までの6年間というのは大変な道のりで、ゆっくりでいいから前に進もうという気持ちでやってきました」と、これまでの道のりを振り返る。

そして、2019年6月より上演を控える『エリザベート』では念願のトート役を演じられることの喜びに触れつつも、「このような素晴らしい賞もいただけて本当に幸せな気持ちですが、でもやっぱり強く思うのは、自分一人の力では何もできなかったということ。たくさんの方に支えていただき、ご指導やチャンスをいただき、この場所に立てているんだなと思います」と古川らしい謙虚なコメント。最後は、「平成最後に自分の夢が叶い、このような形で終われると思っていませんでしたが、令和に向けて良いスタートができるように。これからも感謝の気持ちを忘れずに、たくさんの方に力をお借りしながらも前に進めるよう、日々精進していきたいと思います」と締めくくった。

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生田は、ミュージカル『モーツァルト!』のコンスタンツェ役、『ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812』のナターシャ役の演技で受賞。「まさかこんなに大きな賞をいただけるとは予想もしていなくて驚きました。今もここに立っているようで立っていないような、夢の中にいるような気持ちでいます」と正直に心境を打ち明け、「まだまだ自信がなかったり至らないところがあったりしますが、きっとこのタイミングで先人から偉大な贈り物をいただいたことに大きな意味があるのだと思います。今の功績や実力というよりも、新しい時代に向けてがんばっておくれよ!というエールなんじゃないかなと感じます」と前向きなコメント。

さらに「これからも勇気を持って、諦めずに末永くやっていけるよう精進していきます。何より、こんな私に機会をあたえてくださった制作や演出、尊敬する共演者の皆様、会場へ足を運んでくださったお客様に心から感謝します。一人では何も成し遂げられないので、これからも周りの方々のエネルギーや愛を感じとりながら、私自身も走っていけるように。地に足をつけて努力したいと思います」と、まっすぐで力強い言葉を聞かせてくれた。

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特別賞は、永年の松竹新喜劇における舞台の功績に対して高田次郎が受賞。「特別賞をいただけるということで、なんかの間違いやないか?と思ったんですけども、間違いであってもいただけるもんは素直にいただこうと決心してまいりました(笑)」と冒頭から大きな笑いを誘う。「受賞の理由は永年の功績に対してということですが、功績なんて全然残しておりません(笑)。迷惑だけ掛けておりますが、でも後輩が優しく親切にしてくれますので。私は現在87歳ですが、それでもこうやって頑張らせていただけるのは、ご支援いただいてるお客様あっての役者でございます。これからも涙と笑いの人情喜劇に邁進し、頑張ってまいります」と笑顔で挨拶。最後は、受賞者および来賓客による乾杯で授賞式が締めくくられた。

(取材・文・撮影/堀江有希)

(文/エンタステージ編集部)

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