五関晃一(A.B.C-Z)単独初主演!手塚治虫の『奇子』中屋敷法仁とのタッグで初舞台化


2019年7月に舞台『奇子(あやこ)』の上演が決定した。本作は、手塚治虫が人間の“黒い”部分を描いた作品の中の一つで、戦後の田舎社会を舞台に、少女監禁や近親相姦などセンセーショナルな描写も巧みに取り入れながら描いた、逃れられない血の「絆」の物語。

この物語が生まれたのは、戦後復興を遂げ高度成長期をひた走った日本社会が大きな曲がり角に差し掛かった1970年代前半のこと。まだ暗い世相の敗戦直後の東北の農村地帯で、大地主一族の遺産相続をめぐる骨肉の争いと恐ろしい欲望の果てにこの世に産み落とされた、奇子。一族の体面のために土蔵の地下室に幽閉され隔絶して育てられた、言わば“純粋培養”の奇子は、やがて性に対して奔放な美しい成人女性として世に放たれていくことになり・・・。

主演を務めるのは、A.B.C-Zの五関晃一。単独での主演は、本作が初となる。共演には、三津谷亮、味方良介、駒井蓮、深谷由梨香、松本妃代、相原雪月花、中村まこと、梶原善といった顔ぶれが揃った。

上演台本と演出を手掛けるのは、劇団柿喰う客主宰の中屋敷法仁。奇しくも、中屋敷は物語の舞台となっている青森県出身。安易な「絆」安易な「絆」を求める時代に、手塚治虫が昭和に生み出した、愛おしくもおぞましい「絆」の物語を「生身の俳優たちの身体で蘇らせたい」という中屋敷が、この『奇子』をどう表現するのか、注目だ。

発表にあたり、五関と中屋敷から以下のコメントが届いている。

◆五関晃一(A.B.C-Z)
初めて原作を読んだ時、「本当に手塚さんの作品なのかな?」と思うくらい生々しくリアルな人間模様に驚きました。そんな「奇子」という作品が舞台でどう表現されるのか、個人的にも今から楽しみです。仁朗の狂気の中にある愛や絆をしっかり演じきれるようがんばっていきます。

◆中屋敷法仁(上演台本・演出)
五関晃一さんが身にまとうミステリアスな雰囲気が舞台版『奇子』には必要でした。パフォーマーとしての底力はもちろん、憂いをたたえた表情や瞳に宿る強い信念など、五関さんのすべての魅力が『奇子』の世界をさらに濃密なものにしてくれると期待しています。五関さんの生身の心と体が舞台空間で躍動する姿、どうぞお楽しみに!

【あらすじ】
青森県で500年の歴史を誇る大地主・天外一族。村では絶大な富と権力を誇っていたが、終戦後の農地改正法により、その勢いは静かに衰えつつあった。
太平洋戦争から復員した仁朗(五関)が帰ると、家には奇子(駒井)という妹が生まれていた。それは父・作右衛門(梶原)と兄嫁・すえ(深谷)の間に生まれた私生児だった。兄の市朗が、遺産ほしさに妻であるすえを差し出したというのだ。
「うちは異常な家だ!狂ってるんだ!」
そんな仁朗も、しかし、GHQのスパイとして仲間を売って生き延びて来た。
組織の命令により、さらなる陰謀に加担して行く仁朗。
仁朗の犯した罪、一族の犯した罪=奇子が複雑に絡み合い、やがて奇子は土蔵の地下に閉じ込められ、死んだことにされる。それから十一年後、末弟・伺朗(三津谷)は強く反発している。
「うちの家系はまるで汚物溜だ。犬か猫みてぇに混ざり合って、そのつど、金と権力でもみ消したんだ・・・」
さらに十一年後、地下で育てられ続けてきた奇子は、伺朗により地上へと出される。隠蔽した罪や過去が、次々に暴かれ、やがて一族を滅ぼすことになる。地方旧家の愛欲、戦後歴史の闇を描く因果の物語――。

【登場人物】
天外仁朗(次男):五関晃一(A.B.C-Z)

天外伺朗(三男):三津谷亮
下田波奈夫(刑事):味方良介
奇子:駒井蓮
天外すえ(長男の妻):深谷由梨香
天外志子(長女):松本妃代
おりょう:相原雪月花

山崎(親戚の医師):中村まこと

天外市朗(長男):梶原善

手塚治虫生誕90周年記念事業 パルコ・プロデュース舞台『奇子(あやこ)』は、7月14日(日)・7月15日(月・祝)に茨城・水戸芸術館ACM劇場にてプレビュー公演を行い、7月19日(金)から7月28日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて、8月3日(土)・8月4日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼにて上演される。

※手塚治虫の「塚」は、旧字体が正式表記

   

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